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route.イレーサー① 嫉妬

「カラーズのことは城の人に連れて行ってもらいましょう」

私は皆とともにフィードの家を後にした。



「イレーサー、また明日」

「待って」

家に入る前に、イレーサーにひきとめられる。


「なに?」

「皇子のこと、よかったの?」

カラーズがどうしたというのだろう。


「なにがよかったって?」

「……あの皇子はもうすぐ皇帝になる。つまりどこかの姫と結婚するけどいいの?」


「……え?どうしてそれを私に聞くの?

大変なのは私ではなくてカラーズよね」

「そうだけど、もし例えるならシャーレアが女王で僕が平民の男だったとして、同じ立場を考えると複雑だと思うよ」


「……嫌だと言っているのを強制するのはかわいそうだけれど

皇子が王位を継ぐことが必要なら、仕方ないことだと思うの」


「……シャーレアがまともなことを言ってる。なにか悪いものでも食べた?」

イレーサーは眼を見開いて驚いている。


「ひどい」

「……てっきりカラーズのことを好きなんだと思ってた」


「なにか言った?」

「別に。またね」

――――――――――――


今日はイレーサーの家に遊びにいった。すぐ近くにあるのは便利だわ。


「おお、シャーレアじゃないか」

「あらドロウノも来ていたの?」

「こんにちは。まあ邪魔者は退散するさ」


ドロウノは魔力が回復したのか、窓からホウキで飛んでいった。


「なんだかあの光景に、近視眼がするのよ」

私とドロウノが初めて会ったときから今日まで空を飛んだ姿なんて見たことないはずなのに。


「――君は覚えていないみたいだけど兄さんと幼い頃に会っていたみたいだよ」

「え、そうだったの?」


「昔のことだけど、てっきりわざと僕に隠し事していると思って少し妬けた」

「私隠し事なんてしたこと…」


「したことない?クリスタルのことも相談しないで突っ走って、挙げ句はそれ目当てに皇子の嫁になろうとしておいて?」

「う…」


「それと兄さんが家に来たとき、初対面のフリをしていたけど本当は城に行った帰りの馬車で会ってたそうだよね」

「それはドロウノに言わないように言われたから!」


「ごめん。こんなことが言いたかったわけじゃない」

「イレーサー……」


「とにかく…もう隠し事はしないでよ」

「わかったわ、ならイレーサーも私に隠し事は無し」

「うん。それでいいよ」


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