ペンネス② 舞踏会
私はまだ邸宅の修繕が終わっていないペンネスと共に屋敷へ戻ってきた。
パパの他にはなにやらテーブルに突っ伏しているフィードとタバコの葉っぱを筒につめる内職をするイレーサー。
「おかえり、その様子だとまだ邸宅の修繕は済んでいないようだね」
あまり驚いていないようにパパが言った。
「ただいま、そうなの業者がサボってたみたいで」
この国の時間のルーズさにはあきれてしまう。
「……さっき手紙が届いたよ」
イレーサーがさしだした。
「手紙?」
中を開いてみると―――
「舞踏会の招待状だわ!」
「ああ、そういえば私も持っている」
ペンネスは封筒をとりだした。
「大貴族の彼はともかくカラーズ皇子のお友達だからって舞踏会に招待されるなんてね」
イレーサーの言葉には同意せざるを得ない。
「いくの?」
「そうね、せっかくだから参加しようと思うわ。でも……」
同伴者をどうしようかしら。
「なら私と行かないか?」
ペンネスも参加するのだからそれが妥当だ。
「ええ、でも他に誘いたい女の子はいないの?」
しかし彼と舞踏会にいきたいという貴族のご令嬢はたくさんいるはず。
「誰からも声はかかっていない。それに私はシャーレアと行きたいと思う」
ペンネスがいいなら、私はかまわない。
「それじゃあよろしくね」
―――
「一度も着ていっていないドレスなんだけれど、どうかしら?」
「似合ってないから舞踏会にはいかなくていいと思うよ」
「新しいドレスを新調して今回は諦めて、パパて別のパーティーにいこう?」
イレーサーやパパが遠回しどころか直球で舞踏会へ行くなと言っている。
「よく似合っているよ」
「……ありがとう」
ペンネスがほめてくれて嬉しい。
「おい早く乗れよ!!」
痺れをきらしたフィードが家までやってきた。
馬車に揺られ舞踏会当日に城内の会場入り口につく。
「さあ、いこう」
私はペンネスの手をとって