第6話 モザイク隠し、気になるところ
主人公は普通を貫きたい人です。でも、周りに振り回されてどんどん普通が壊れていっていると感じています。まあ、主人公も同類なんですけどね。自覚がないだけで。
*今後の話の絡み的に浅葱先生は先輩へと変更いたしました。
昨日、モザイクの秘密の一端が判明した。しかし、仮説の域を出ないところもあった。とりあえず、モザイクがあいつには見えていなかったのは確かだった。しかし、他人には見えない存在か…。厨二病的にはすごくいい響きだろうが、それがあれじゃあなぁ。完全にギャグになるだろう。
まあ、それはいいとして、今日は昨日分からなかったことの検証でもしてみるか。結局、あのあとも他のモザイクがいなかったことから、多分一つに融合したんだろうけど分からんしな。いろいろ確認したいことが出来た。…一度吹っ切れるといろいろ悩んでたのが嘘みたいだな…。
「さて、検証してみるか。」
昨日と同じく、器にシリアルに牛乳を入れてみると、さっそく昨日のようにモザイクのやつが跳びかかってきた。そして、昨日と同じく膨張破裂し増殖した。うん、ここまでは同じだな。
「さて、こっからだな。」
昨日は、ここであいつが来て、あいつと話している間に消えたわけだが…。
俺がそう考えながら床に広がったモザイクを見ていると、モザイク同士がぶつかり、『ア・モーレ!』という小さめの高めの音(声?)とともに一つになった。そして、他のモザイクたちもぶつかるとその度に『ニャフン!』、『ラリホッ』、『クルルゥゥ』などの様々な音を出しつつ一つになっていくのだが、なぜか体積が変わっていなかった。
そうして、最後の二つがぶつかり、『バ〇スッ!!』という重低音の音(声にしか聞こえない)を発して一つのモザイクになった。……なんだろうか、この全てが崩れ去ってしまうのではないかという感覚は…。
「なんか最後の音には言い知れない怖気を感じたな…。でも、やっぱりそうか。」
想像していた通り、やはりこいつらは融合して一つになったようだ。それに、昨日とはまた違うモザイクになっている。昨日はモザイクの種類がいつもと同じで色がピンクっぽい感じだったが、今のモザイクは白色に黒いモジャモジャの線が蠢いているような感じになっている。
「さて、昨日とは違う姿だけど、あとは…。」
俺は、とりあえずモジャモジャモザイクを手に取り、誰に見せて反応を見ようかと思っているとまた昨日のようにインターホンが鳴った。
「あれ?今日は誰だ?」
昨日の今日でさすがにあいつは来ないだろうし。誰だろうか?まあ、とりあえず試すことが出来るなこれで…。
俺はさっそく試すことが出来ると思い、とりあえず頭の上にモザイクを置いてみてから、玄関を開けた。
「はーい。」
玄関を開けるとそこには……誰もいなかった。
「……な、誰もいない…?いたずら『おいこら!』あ、浅葱先輩じゃないですか、どうしました?」
「ほ~?お前いま明らかにこっち見たよな?な?その上で無視しようとしやがって!いい度胸だこらっ!」
「…そんなわけないじゃないですか~。決して、あいつに俺の住所を教えたことを恨んでいたわけじゃないですよ~?」
「ふん。当たり前だ。お前の友達にただ住所を教えただけだからな!恨まれる筋合いはないっ!!」
今目の前にいる、膝までの長い黒髪をした、釣り目の小生意気な小学生低学年にしかみえない女の子は、昨日あいつが俺の家に来る原因となった俺の高校の同じ部活の副部長である浅葱暦、2年生だ。
この先輩、実は俺の家の近所に住んでいる。最初の出会いは、入学式前で、ここに引っ越してきた日であり、犬に追いかけられていたところを助けたところから何かと突っかかってくるようになっていた。恐らく、年下に助けられた事と実は自らの勤める学校の生徒だったということで、恥ずかしかったのと口止めもあるんだろうと思う。よく『あの時の事は誰にも言うなよ!』とか言ってたし…。
「ところで、今日はどうしたんです?」
「ああ、実は今日は…な……。」
「?」
急に黙った浅葱先輩を訝しく思った俺だが、ふと、浅葱先輩の視線が俺の股間の所を見ているのに気づき、俺も視線を向けるとそこには頭に乗せたはずのモジャモジャモザイクが浮いていた…いつの間にっ!?
ふと視線をロリ子に向けると顔を耳たぶまで真っ赤にしてそのくりくりとした大きな赤い瞳をより大きく見開いていた。あ…やべ…。
「な…な…なん、ナニを見せてんだ、この変態が~~!!」
「おぶうぁっ!」
恐ろしく鋭い一撃が、ロリ子から俺の息子へと繰り出された。身長的にちょうど拳が当たりやすい位置だったのだろう。最短距離の一撃は、俺の反応する隙もなく息子へとぶち当たった。不幸中の幸いは、あいつに力があまりなかったことだろう。
「…………」
言葉もない。というか出す余裕もない。まさに悶絶である。こ、このアマァ…。
ロリ子は未だ顔を真っ赤にしながら手で顔を隠している。モザイクは、今この女の胸の部分で浮きながら(さっき拳がくる瞬間、普段では絶対ありえない速さで避けやがった)停止している。何となく卑猥だな。
痛みが薄れてきたので、何とか起き上がり、ロリ子に今日来た理由とさっきモザイクがいた時にどう見えたのか聞いた。
「な、なんで今日は…き、た?と…いうか…いきな、り…何…しゅんの?」
「いや、あの、今日はお前が風邪ひいたって四ノ宮に言っているのを聞いたから…(看病に…)いや!それよりも!お前、女性の前でナニ見せてんだこら!ちゃんとチャック閉めやがれ!!」
「ちゃ…っく、なん…て、開いてない、です…よ。」
どうも、まだ苦しくてちゃんと声を出せないようだ。ううっ…
「え?でも…あれ?ほんとだ。…ああ!!ご、ごめんね!」
「いや、まあ、大分痛みも収まったしいいけど。で?さっきは俺のチャックが開いてたように見えたの?」
「うっ…。そ、そうよ。でも、なんでかしらね?そんな感じがしたんだけど…。」
ふむ、やはりそうか。どうやら、モザイクが通常の状態ではない時、俺以外には幻覚が見えるほどの気配を見ているものに与えるらしい。
俺たちがそう話しているとモザイクがまた変化し、なんか光の反射のようなエフェクト状の姿になって、俺の頭の方に飛んでくるのが見えた。俺はまぶしくて目を細めていたが頭に何か乗るような感触を感じたので、モザイクはどうやら頭の上に戻ったようだ。そして、ロリ子は俺の頭を凝視している…うん、多分変な風に見えてんだろうな。
「なあ…お前最近、いや。なんでもない…。うん、元気そうだし。今日は帰る。でも、あんまり夜更かしするなよ!体調崩すと悪いから!」
「ああ、はい。ありがとうございます。なるべく気を付けます。」
「よし!それじゃあな!」
俺は帰っていく浅葱先輩の様子を見ながら、俺の仮説がおそらく正しいであろうことに満足しながら、ふと、先ほどの先輩の話の中でなんか、おかしな発言があったことを思い出していた。
「(さっき、『四ノ宮に言っていたのを聞いて』って言ってたけど、先輩あの時見えなかったけど近くにいたのか?まあ、結構大きめの声で言ったし、近くを通ってたのかもな。)」
俺は、今度から声の大きさに気を付けようと考えながら、モザイクが他の人に見えないことに確信し、今後、自分が移動するときにモザイクを連れて行っても問題がなさそうだという事にある程度の安心を覚え、その日の残りは家でのんびりと過ごしていた。
モザーイク、モッザーイク、モザイクが浮かんでる~。頭の上にの~ってい~る~♪こ〇んのあたりにも~う~か~ん~でる~~♪
はい、すいません。ストレスがたまってました。
主人公とかかわってる人はちょいちょい発言や行動がおかしいところがあります。でも、それがこの作品での正常です。




