第5話 モザイクの ヒ・ミ・ツ
うーん、書いてたらちょっと長くなってしまいました。第4話をあげた後のPVがこれまでで一番高かったので驚きました。
PV600突破ありがとうございます。
不定期更新ながら頑張ってみます。
*今後の絡みやすさを考え、浅葱先生は先輩へ変更しました。
俺は、今目の前にいるすごい嬉しそうな笑顔をした一見美少女、実は男の子である俺の友達(友達以上の感情はない)の四ノ宮薫にやや引きつった笑顔で話しかけた。
「よ、よお、どうしたんだ?急に、というかよく俺んち分かったな?」
「もちろん遊びに来たんだよぉ~。えっとね、宗助君の家は、浅葱先輩が教えてくれたよ?」
「へ、へぇ、浅葱先輩に聞いたのか。(おいいっ、なにしてくれてんの、あのロリ子が~!!)」
俺は、同じ部活のロリ体型先輩である浅葱暦に心の中で悪態をついた。…夏休み前のテストの間違いを指摘した仕返しだろうか?(俺は生物と数学に関してはかなり得意だった)くそっなんてことをしてくれてんだよ。まじで!
まあ、もうここまで来たら諦めるか。もとよりあの大量に増殖したモザイクの今後の事を考えて、こいつも巻き込むつもりだったし丁度いいっちゃあ、丁度いいんだが…それでも、それでもやっぱり納得いかない。
「まあ、玄関で話すのもなんだし入れよ(そしてモザイクに驚いて、俺のことをかまってられないぐらいにパニクッてくれるといいなあ…)。」
「うん。……僕なら宗助君とお話しできるならどこでもいいのに、あ、でも宗助君のお部屋で二人きりでお話も……」
ん?なんかこいつ返事したと思ったら、急に小声でぶつぶつ言ってんな。気になる単語が所々聞こえるが…うん、脳が『考えるな!!』って警告を発しているから無視しよう。
「どうした?入らないのか?(まあ、入らずここで帰ってくれるんならそれはそれで、モザイクの事はじっくり考えられるし、むしろ一番いいのはそれなんだが…)」
「あ、ううん、なんでもないよ!それじゃあ、お邪魔しまーす!」
俺とあいつは、玄関からあの大量のモザイクが蠢く部屋へと歩いて行った。そして、俺は部屋のドアへと手をかけ、押し開いた。
そして、俺の目の前に広がる光景は………あの部屋の床一面に広がる、大量のモザイク……ではなく、ちゃぶ台の上のシリアルを入れていた空の器とモザイクがキレイサッパリいなくなった部屋であった。
「はあっ!?え、あれ?」
「?どうしたの?急に叫んで……」
「いや、ごめん。何でもない。」
モザイクがいなくなっていて思わず叫んじまった。でも、ほんとどこに行ったんだ?ベランダの方のガラス戸は開いてないし、あの大量のモザイクがいったいどこに……
「わあ、ここが宗助君のお部屋かあ。思ったより綺麗にしてるんだね。他の男子の部屋っていうか、友達の部屋に入るの自体僕初めてだから分からないんだけど、宗助君の部屋って他の男子と比べてどうなの?」
「…へ?あ、ああ。俺の部屋ね。うーん、俺も他の人の家に行くことほとんどなかったし、どうなんだろうな?多分どこもこんな感じなんじゃねぇ?別に汚い部屋にいたいやつ居ないだろうし。」
俺は、モザイクがいなくなったことにショックを受け、その行方について思案していたが、ふと後ろからの声で別の問題についても思い出した。
「(やべえ、やべえぞっ!モザイクが見当たらないのもやべえが、こいつと二人っきりっていうのがすげえやべえ。当初の目論見がパアじゃねえかよ!!)」
そう、当初の目論見では、あの大量に増えてしまったモザイクは俺一人では手に余ると考え(実際はいきなり増えて混乱していたところに、薫が来て隠すのは無理だと諦めただけだが…)、こいつも巻き込んで手を借り、ついでにあの大量のモザイクの光景でこいつをテンパらせてうやむやの内にこいつを俺の家から帰そう(俺の貞操の危機を回避しよう)と思ったのだが……
「(モザイクはいないし、こいつはこのままじゃなかなか帰らないだろうし、どうすりゃいいんだよおおおおおおおおおおお!!)」
俺はこの何一つ好転していない状況に、あいつに『まあ、適当に座ってろよ。インスタントだけどコーヒーでも入れてくるから。』と言いながら、心の中では絶望していた。
「うん、ありがとう宗助君。」
「あ、角砂糖はいくつ入れる?『じゃあ、3つで。』オーケー。じゃあ、ちょっと待ってろよ。」
俺はそう言いながら、あいつを部屋にいれキッチンへと向かった。少し、頭を落ち着けたかったというのもあるが、考え事をするのに一人になりたかったからというのもある。
「(うーん、冷静になってみれば、いくら何でもあいつが急に迫ってくるなんてことは考えづらい…か。確かに、最近のあいつのスキンシップは異常だとは思うけど、いくら何でもなぁ。うん、大丈夫だろう。あいつは俺よりは常識はあると思うし。それより、今はモザイクだな。どこに行ったんだろうか?)」
そんな感じで、俺があいつとモザイクの事について考えていると部屋の方から『わわっ!』という声が聞こえたため、コーヒーを入れるのを途中で止めて部屋へと戻った。
「どうしたっ!」
俺がドアを開けると、そこには俺のベッドの上で枕を抱えて顔を赤くしながら(なにをしてやがった!?)、ベッドの枕の傍に置いていた開いたままのマンガ本の上にいるモザイクを見つめていた。
「(お、いたか。でも、一体(一匹?)しかいないな。他のはどこだろう?それに、あいつ何でモザイクを見て赤くなってんの?)」
マンガ本の上にいたのはややピンク色の四角が連なったいつものモザイクだった。俺はモザイクが見つかったことに安堵したが、なぜ、一体しかいないのか、他のはどこに行ったのか、モザイクを見ているあいつの顔が驚愕や困惑じゃあなくて、なんか恥ずかしがっているように見えるのはなぜかという疑問が浮かんだ。
俺がそんなことを考えていると、あいつは俺に気付いたようで、持っていた枕を慌てて戻すとモザイクを指さしながら俺に話しかけてきた。
「そ、そそそ、宗助君!あ、あのあの、宗助君も男の子だしああいうの好きなんだとは思うけど、思うけども!あ、あんなに堂々と置いておくのはどうかと…」
「はあ?何言って…」
俺はてっきりあのモザイクについて聞かれるかと思ったんだが、あいつが言ってきたのはまるでエロ本でも堂々と置かれているかのような言い方だった。あれ、普通の週刊誌で少年ステップなんだが…
そう考えていると、マンガ本の上にいたモザイクの色がいつもの灰色っぽいものになり、本の上から浮かんでいった(…!?)
「宗助君?聞いてる?」
浮かんでいくモザイクに驚愕していると、いつの間にか手に先ほどのマンガ本を持ち俺に問いかけていた。俺は『あ、ああ。』と言いながら、いまだベッドの上で浮かんでいるモザイクを気にしながらも、あいつにそのマンガ本がどうかしたのかと言った。
「だからね。いつお客が来るかわからないんだから、こういう、え…エッチな本はちゃんと見えないところにしまっておいた方が…」
「いや。それ普通のマンガ本だし。それよりお前その上に乗っていたモノについては聞かないの?」
「え?…あれ?ほんとだ。普通の本だね。……あれ~?おかしいなあ?さっきはなんか見た瞬間エッチな本のように見えたんだけど…。それに上に乗ってたものって何?何も乗ってなかったけど?」
「え、いや、ほら。今はベッドの上に浮かんでるアレだけど……。」
俺がそういうとあいつはベッドの上へと目を向けて、じっと見ていたがやがてその可愛らしい顔を傾けて『何もないよ?』と言ってきた。
俺はその答えを聞き、ある一つの考えが浮かんだ。それは、アレは俺以外には見えないのではないかということだ。そこで俺は確かめるために未だ浮いているモザイクを掴み、あいつへと突き出しながら聞いた。
「これだよ。これ!おまえ、このモザイクが見えないのか?」
そう言うと、あいつは俺の手を見て、その後心配そうな顔をしながら俺の額に手をやると、『大丈夫?熱でもあるの?寝不足?ごめんね体調悪いのにいきなり来て…。』と若干涙目になりながら謝ってきた。
俺は、モザイクが他人には見えないという事を確信するとともに、あいつの勘違いを利用すれば、あいつを穏便に家から帰すことが出来ると思い、心の中で少しばかり悪いなと思いながら話した。
「ああ、わりぃ。ちょっと最近調べものしてて寝不足でな。少し風邪気味なのかもな。すまんが今日はもう帰ってもらっていいか?着てすぐでわりぃけどさ。もし風邪だとうつすと悪いし…。」
「うん、分かったよ。じゃあ、よくなったら連絡してね。また、遊びに来るから。じゃあ、ゆっくりやすんでね。それじゃあ、また。」
玄関から出ていくあいつを見送り、俺は今日新たに判明したモザイクの秘密と新たな疑問である、いつものモザイクにはあいつが反応しなかったが、ピンク色のモザイクを最初見たときあいつが普通のマンガ本をエロ本だと思ったという事についていろいろ考えながらその日は過ごした。
主人公はちょっと特殊な人達に好かれる体質です。
なぜなら、それが主人公っぽいと作者が思ったからです。
まあ、設定は全部即興なんですけどね。




