二階堂彩
「昨日の子何処の高校なのかな？」
昨日の事はもちろん昨日の帰り道に助けた
二階堂彩のことである。
「もしかして、気になってるの？」
「いやー、また困ってるんじゃないかと思って」
「大丈夫よ、あんた以外にも助けたがる男共は
わんさか居ると思うから。」
「そうだよな、あんなに綺麗なんだからな。」
「そっそ、無駄な期待は捨てて早く学校行くよ」
「はいはい、わかりましたよ」
通りすがりのヒーローは期待しちゃいけないよな。
グスン
「今日転校生が来るらしいぜ」
と話しかけてくるのは隣の席の自称学校一モテる男こと鳥羽敦。
「何で、お前はんな事知ってるんだよ」
「俺は顔が広いからな、しかも、かなりの美人らしいぜ」
「まさかな......」
「何か言ったか？」
「いや、何も、ほら先生来たぞ前向けよ。」
まさかな、でも昨日制服着てなかったしな。
いや、まさかな。
「お前ら、今日はいい知らせがあるぞ、何と転校生が早くも
ウチのクラスに来る事になった」
「仲良くするように」
「じゃ、入ってきなさい」
ガラガラ ガラガラ
男子達の歓声が教室中に響き渡る。
「二階堂彩です。今日から橘高校に入学しました。
宜しく。」
（宜しく）
男子達の綺麗な合唱
と、女子たちの痛い視線。
「じゃ、席は一条の隣だ」
「はい」
「宜しくね、一条君」
「宜しく.........」
何だかなぁ
キ―ンコーンカーンコーン
あっという間の放課後。
「おい、一条お前、二階堂ちゃんとやけに親しくないか？」
そう、放課後までの半日、俺は彩ちゃんとなぜだかかなり親しくなった。
「まぁ、成り行きだよ成り行き」
「だって、お前ら一緒に帰る約束までしたんだろう」
「まぁな。」
「一条君、ゴメン、先生に呼ばれちゃって。」
「いいよ、別に、それよりも早く帰らない？」
「そうね、じゃあね大場君」
「あっ、そいつは...............
じゃあな、大場」
ガラガラ
「俺は、大場じゃねー
サッカー部次期エース鳥羽敦だ」
ガラガラ
「光居る？」
「いや、もう帰ったよ。
もし、暇ならこの学校一モテる男とデートでも」
「冗談はよしてよ、木根君
じゃあまた明日。」
がらがら
「はぁ」
グスン
