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ー0ープロローグ

 





 ――はっ、はっ、はっ。



 苦しい。



 熱い。


 私、この場所にいたら、戦闘の邪魔になる。

私は、意識も朧気(おぼろげ)になりながら、しかしこれ以上足手まといにはなるまいと、横たわる身体を動かそうとした。



 痛い痛い痛い痛い痛い!!!!



 腹部をに目をやると、赤があった。赤赤赤。私のからだも、地面も赤。おびただしい量の鮮血を撒き散らし、草花を紅く彩っていた。


 くそ......ホントに私は......。


 お、お腹が裂けてぐちゃぐちゃだ。これだけの大怪我.....()()()()()()()()()()()()


大きく(えぐ)れた傷口。避けきれたと思った敵の攻撃が、紙一重で、当たっていたっぽい。


「アリス!」


 可愛らしい声。小柄な黒髪の少女が私の方へ走ってきた。途中でこけそうになるも、持っている綺麗なクリスタルが先端に付いた杖を地面に突いて身体を支えることで倒れずに済んだ。


「はあはあ、これは......ごめんなさい、痛いですよね。今、治しますね!」


 慌てた様子で回復魔法を私にかける。


「リ・リライ!」


「うん......うん、大丈夫。これでよし、少しこのまま休んでてくださいね。」


 私の傷口へとかけた魔法の発動具合を確め二回程頷くと、私にそう言い残しぱたぱたと黒髪の少女は蜥蜴男(リザードマン)

 攻防を繰り広げている、仲間のもとへ走っていった。


 仲間である水色髪のエルフが二匹目の蜥蜴男の頭を大槍で上から貫いていた所だった。凄いな......どういう訓練をすればあんな風に戦えるんだろう。


 ふと腹をみると、傷がもうふさがりかけていた。やっぱり、回復魔法で補助してもらうと治るのは早い......。


 これは、黒髪少女の回復魔法が特別強力だったわけではない。


 私の持つ加護、『不死鳥の加護』によるものだ。



『不死鳥の加護』とは。


 神獣による(じゅう)ある加護の一つで、その不死鳥に愛されこの加護を受けたものは、どれほどの致命傷を受けたとしても、たとえ四肢をバラバラにされようとも頭が跳ばされようとも死なない《不死身》の力と、身体が傷つき損傷すれば瞬く間に修復される《瞬時修復》の力を宿すことの出来る加護の事である。



 私はそのチート能力得た、はずだった。


そう、そのはずだった。


 私の加護の効果は少し、しかしとても重要な部分が抜け落ちていた。


 不死身ではあるが、()()()()()()()()()


 これにより私は、バラバラにされようが焼かれようが、どれだけ身体が損傷したとしても死にはしないのだが、損傷部分が戻らない。修復はされるが、スピードが非常に遅い。


 だからこうして仲間の回復魔法で補助して貰っている。魔法をかけてもらえれば、かなりのスピードで傷が治るからだ。


 私は遠くで仲間が戦っているのを眺めながら思い出していた。


 この世界で勇者が魔王の討伐に失敗したとの知らせが各地、国々へと流れ、数年たった頃。再度魔王討伐へと各国が乗り出した。


 もちろん私のいる国も例外ではなくて、冒険者部隊を十二つくり、不死鳥の加護を持っている事がわかっていた私は、第四隊へと配属された。


 私は種族柄、大きな武器は持てず、少し大きめのナイフくらいしか扱えなかったが、加護による効果が戦力となる事を見込まれ、入ることができた。


 そして実戦。私は敵の一撃で右腕が吹き飛んだ。あまりの痛みといつまでも瞬時修復されない腕、大量の出血もあり意識がなくなった。気がつくとベッドの上で、加護が正常に働いていない事を告げられた。


 そこからは早くて、冒険者部隊を率いるリーダーに戦力外だと言われ、除隊。


 そして今に至る。


 そこに転がる私のナイフを眺め、ああ、せっかく異世界で人生やり直せると思っていたのに......こっちでも出来損ないか。と、ため息を吐いた。


 この運のない私が掴めた、第二の人生もまた冴えないまま、落ちぶれて終わる。そう思っていた。






 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()








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