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褐色の湖  作者: ぺんちょろりん
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第一章 毎日

前も投稿していましたが、だいぶ昔のものということと途中で投稿をやめてしまったのでリメイクして投稿しました。

いつものように私の日常を送っていた、と言っても一般的に言う人達とは私は違うらしい。私は協会で働いている神父さんに赤子の頃捨てられているのを発見され拾われた。私を拾ってくれた神父さんは地域の評判はとても良く、相談を聞いてくれたりなど協会の仕事に関係のないことまで親身になってくれるそうだ。でもそれは表向きに過ぎない。本当は私に暴力を振るったりする。私を拾ったのはあくまで神父さんの奥さんだった。でもその奥さんも私が5歳くらいになった時に病気で亡くなったしまい、それまで何もしてこなかった神父さんも

「お前を拾ったからこうなった!お前は悪魔の子だ!」

とその悲しみを私にぶつけるようになった。奥さんが亡くなってから何年か経った今でも仕事のストレスなどを私に暴力を振るうことによって解消している。おかげで体中アザだらけだ。でも神父さんも表の評判というものがある。私を拾ったことによって得たものもあれば、暴力を振るったことが地域の人にバレてしまったら失うものもある。だから私は顔だけはいまだぶたれたことはない。もちろん勉強もさせてもらえないし友達もいない。常に家の中に閉じ込められている。でも、そんな毎日にも私にとって楽しみなことがあった。それは本を読むことだ。神父さんの奥さんは本がとても好きで私に文字を教えたり絵本を読んだりしてくれたり、とっておきの書斎にも案内してくれた。その書斎にはどの図書館にも負けないほどの本がたくさんある。むしろ書斎というより図書館なのかもしれない。神父さんは本を読むのは好きではないが、奥さんのことは愛していたためその大きな部屋を使うために本を捨てたりなどはしない。むしろ目障りな私がそこにいてくれることで余計なことを考えずにすむのだろう。私は苦痛な毎日を送っているが本を読むとその物語の主人公になったかのような気持ちになれた。友達がいない私に友達がいたらこんなステキな毎日があるのだろう。そう考えたりすることがとても楽しく、逆に悲しくもあるのだった。

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