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8歳の誕生日

私、本日8歳の誕生日でございます。

朝から使用人達がバタバタと主役そっちのけで準備をしているという現状です。

可愛い天使たちも何やら準備をしているようですし…

部屋から出て良い雰囲気ではありませんし…

暇ですわね。


コンコン


「お嬢様、片桐様と松崎様がいらっしゃいました。」

?何かしら。でも暇していた所だし…


「入ってもらってちょうだい。」


ガチャ


「やぁ、桜花。本日は誕生日おめでとう。」


「桜花様、誕生日おめでとうございます。」

ああ、誕生日のお祝いだったのね。

一応婚約者だものね、それぐらいはしなくちゃ問題かしら。


「ありがとうございます。航様、今日はお友達として来てくださったんですのよね?」


「そうですが結斗様の前ですし…」


「あら、結斗様がそんなに心が狭いお方だと?」


「そういうわけじゃっ!あっ!」


「ほら、もう普通に喋ってしまいなさいな。」


「僕も普通に喋ってほしいな。航はあまりそんな風には喋ってくれないから。」


「結斗様まで…

分かった。普通に喋るよ。」


「では改めて、桜花、誕生日おめでとう。これを。」

と言って結斗様は四角い小さな箱をくれました。


「開けてもよろしいですか?」


「あぁ、気に入ってくれるといいのだけど。」


パカッ


「わぁ!綺麗なネックレス…」

中に入っていたのは宇宙をモチーフにしたネックレスでした。


「桜花はあまり自分のことは言わないから、もし趣味に合わなかったら、と思ったけど良かった。

喜んでくれたみたいだね。」


「はい、大事にしますね。」


「桜花、俺からもこれを。」


「これは…本?」


「あぁ、一応桜花の趣味に合わせたつもりだが…」


「これまだ読んでない本なの。嬉しいわ!」


「良かった。」


「それじゃあ、俺達はお暇するよ。そろそろパーティーも始まるだろうしね。」

あぁ、言い忘れてたわ。我が家のパーティーは家族と使用人達だけにしているの。だから婚約者と言えどパーティーに参加することは出来ないのよね。


「えぇ、本当に今日はありがとう。」

と微笑むと、二人が顔を赤くしてしまった。

どうしたのかしら?

「二人とも風邪かしら?大丈夫?」

と触ろうとすると、


「大丈夫だよ、桜花。それじゃあまたね。」

「またな、桜花。」


と言って二人とも出ていってしまった。

大丈夫かしら?

それと入れ替わりに陸がやってきたから、忘れてしまったけれど。


「あら、可愛い私の天使!どうしたの?」


「あのね、お姉さま、これ、誕生日おめでとう。」

と何か差し出してきた。

?朝から優花と二人でってもらったのだけど…

「僕だけからもあげたかったんだ。」

一瞬心を読まれたかと思ったわ。お姉ちゃんびっくり。

それにしても可愛いわ。


「開けてもいいの?」


「うん。」


「これは…栞?」


「お姉さま、本を沢山読むでしょう?だから、あげたかったの。」

か、可愛い…!

抱き締めてしまいましょう!


「ありがとう、陸。お姉さまとっても嬉しいわ。」


「うわっ!お姉さまが喜んでくれて僕も嬉しいよ。

あ、そうだ。僕、お姉さまを連れて来てってお願いされたんだ。行こう?」


「えぇ。」


陸に案内された部屋に入ると…

「桜花、誕生日おめでとう!」

「お姉さま、誕生日おめでとう!」

「お嬢様、お誕生日おめでとうございます!」


一斉に声をかけられた。

その後はお喋りをしつつ、夕食。今夜だけは無礼講で、使用人達からもプレゼントをもらった。


~部屋~

コンコン

「お嬢様、入ってもよろしいですか?」

柊?


「いいわよ。」


「失礼します。」


「どうかしたの?」


「いえ、これをお渡ししたくて。

お嬢様の誕生日は私がお嬢様に出会った日ですから。」


「ありがとう。開けるわよ?」

このやり取り何回目かしら。


「はい。」


これは…ペン?


「お嬢様、この間お気に入りのペンを壊していらしたでしょう?代えになるかは分かりませんが…」


「よくそんなこと覚えていたわね。

確かに代えがなくて困っていたの、ありがとう。」


「いえ、それでは私はそろそろ行きますね。

今夜は冷えますので、お気をつけて。」


「えぇ、ありがとう。」


今日は一段と良い日だった。

皆に祝われるって嬉しいことなのね。

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