ボディーガード
本日は何もない日ですわ。午前中にお勉強は済ませてしまったし。
可愛い天使たちはまだお勉強中のようだし…
ゆったりと本でも読もうかしら。
コンコン
「失礼します、桜花様。松崎様がおいでです。お話をしたいとのことですが、いかがなさいますか?」
松崎?航様かしら。
「いいわ、通してちょうだい。」
「桜花様、お久しぶりです。」
あらあら、相変わらずお堅いこと。
「航様、そんなに堅くならなくてもよろしいのに。」
「いえ、私は見習いとはいえ、結斗様のボディーガード。しいては桜花様のボディーガードですから。」
「そう、でも今日はお友達として来たのでしょう?
お仕事の貴方だったら急な訪問はしないもの。」
「…流石桜花だ。負けたよ。」
「随分前からのお付き合いだもの。それぐらい分かるわ。
それでお話というのは?結斗様のことかしら。」
「当たりだ。結斗様が最近、少しずつだが、前向きになられた、というよりは打たれ強くなったのだ。」
「あら、いいことじゃない。」
「それはいいことなんだがな、時々こんなんじゃあの子達には勝てない、まだまだだ。とか呟いてるんだ。結斗様は誰と戦っているんだろうか?」
「結斗様がそんなことを?」
そう言えばこの間来たときも顔がひきつっていたわね…
「ああ、何か敵がいるなら守ってやりたいし…
聞いてもこれは僕の戦いだから、と言って何も言ってくれないんだ。」
「それは大変ね。でも航様、たまには見守ることも大切じゃないかしら。
結斗様が何と戦っているかは分からないわ。
でも、本人が頑張ろうとしているのだから、そっとしておいたら?」
どう転がっても可愛い天使たちには危害は及ばないだろうしね。
「…そうだな、ありがとう、桜花。
このまま様子を見てみるよ。結斗様ならきっと大丈夫だよな。」
「えぇ、結斗様は強い方だし、何より航様がついているんですもの。
大丈夫よ。」
「桜花様、感謝します。それではそろそろ失礼します。」
あらあら、また口調が戻ってしまったわ。
バタン
出ていってしまったわね。
良い暇潰しだったのに…
それにしても結斗様は何と戦っていたのかしら?
まさか恋…?でもヒロインが出てくるには早すぎるわ。
でももしかしたら…
コンコン
「おねえさま、はいってもよろしいですか?」
あら、可愛い天使たちが来たわ。
結斗様のことは後にしましょう。
「えぇ、入っていいわよ。陸も一緒なんでしょう?一緒にお話しましょう。」
可愛い可愛い天使たち。
お姉ちゃんは頑張るからね!