作戦
皆さんごきげんよう!
私は桜峰桜花ともうします。
「おねえさま、だれとおはなししてるのー?」
「それは聞いてはいけないことなんですわよ?」
「そっかー」
今話していたのが私の最愛の妹!優花ですわ!
ふわふわの桜色の髪!藍色の目!もう可愛い以外の何者でもありませんわ!
しかし!そんな優花に癒されている時間はー、必要ですわね!
でも急がなくてはならないことがありますの、
私は今7歳、優花は5歳なのですが、私にはこの間婚約者が決まったのです。
その婚約者を見たとき、私は色々な情報が頭に入ってきて、気絶してしまったのです。
テンプレ…ゴホン!まぁそれをきっかけに、この世界が乙女ゲームなことを思い出しました。
転生ですね。
私の前世は一人っ子で、更に鍵っ子でした。
そんな1人を紛らわそうと熱中したのがゲームだったのです。
そこから死ぬまでゲーム好きの学校以外は引きこもりでした。
その中でも一番はまったのが今いる世界が舞台のゲーム。
「君を一番愛してる~二番目は必要ない~」
だったのです。そのままの名前ですわね。
そして私が転生したのはこのゲームの悪役令嬢でした。
そしてここからが重要なのです。
お決まりのエンドロール、悪役令嬢は、全ルート、一家心中しなければいけないのです。
そんな適当な!と思いますでしょう?
しかし、私の婚約者にそのボディーガード見習い、私の執事、それにこれから出来る、義理の弟。
まさにハーレム状態ですわね。
最終的には全てに見捨てられるんですけれど。
それで!これが!1番重要なのです!
一家心中ということは!私の最愛の妹が!死んでしまうんですよ!?
もう二度と私は会えないんですのよ!?
そう考えた私は、フラグを回避することに決めました。
私の身がどうなろうと、私は優花を守ってみせます!
まずは作戦ですわね!
この世界は、桜峰、薊、片桐の3つの大財閥でできています。
まずは婚約者様の片桐結斗。
そう、婚約者様は、片桐の三男なのです。
それゆえ、長女のわたくしと結婚し、桜峰を継ぐ、ということになる予定です。
しかし、そのプレッシャーに耐えられなくなり、ヒロインに優しくされ、恋に落ちてしまいます。
ならば!私はプレッシャーをかけないように頑張りましょう!
会ったときのことを思い出すと、結斗様は気弱そうなイメージでした。
ならば、フォローを最大限にし、自信をつけさせれば大丈夫なのでは?と思うわけです!
二人目は結斗様のボディーガード見習いの松崎航様。
松崎家は、昔から片桐家につかえるボディーガードなのです。
そんな航様は、結斗様をとても大事に思っております。
それゆえ、プレッシャーに悩む結斗様に、何も出来ない不甲斐なさから、とても苦しんでおられました。
そんなとき、ヒロインに励まされ、支えられます。
それは当たり前に恋に落ちますよね。
ならば!私が変わりに支えとなりましょう!
私は腐っても結斗様の婚約者!変なことは起きないでしょう。
三人目は私の執事、柊です。
柊は、私の専属執事です。それゆえ、我が儘な私に愛想を尽かしておりました。
そこをヒロインの優しさから恋に落ちるのです。
それならば簡単ですね。
私は我が儘を言わなければいいのです!
まだ子供の我が儘と通せる範囲であるはず!
私は生まれ変わるのです!
四人目は義理の弟。
お父様が知り合いの方が亡くなったため、引き取ってきた、という設定です。
時期的にはそろそろ来る頃でしょうか。
そしてこの弟!私はお父様の愛人の子だと勘違いし、苛め倒してしまうのです。
しかし、私は苛める気はサラサラありません。
なので、それは大丈夫でしょう。
しかも、私は最低なことに、すべてのルート、邪魔をする理由が、ハーレムの1人を取られたから、なのです。
しかぁし!私はそんなの気にしません。
意地悪もしません。嫌みも言いません。
これで最愛の妹、優花とのラブラブ生活が出来る!