002 狩人始めました
この話で始めて戦闘というか狩りのシーンを書きました。正直なんとも言えない感じになりましたが、読んでいただけると幸いです。
Note:02 狩人始めました
さて、唐突だが自己紹介をしよう。
俺の名前は柚野香織18歳。
名前こそ平仮名で書くと女っぽいが、れっきとした男だ。もちろんたが、彼女無し歴18年である。……なんだよ!?悪いか!!
……話を戻そう元の世界では、独り暮らしで、一応大学生をしていた。
平日は大学へ講義を受けに行き、夜にはバイトをしていた。
これでも、それなりの成績を持っている。バイトに行っているのは次の“生活に必要な事”のために必要なお金だからである。
休日には、部屋から一歩も出ずゲームやアニメにどっぷり漬け込んでいた。ちなみに、ゲームやアニメにつぎ込んでいるお金は全て自腹である。その理由は大学へ進学する時に話した回想に至る。
俺:『独り暮らしをしたい!』
親:『そうか……………………、なら学費と生活費、それと趣味のために必要なある程度のお金は出してあげよう』
(なお、話の重要部分のみを抜粋……本当は話がすごく長かった)
と言われたのだが、その“趣味”のためのお金が、親から貰っている金額では足りなかったのである。
大体の金額を言うと、親から貰っているお金+バイト代 計10万くらいだろうか。本当だったら最低でもその2倍くらいは欲しいのだが、それだけ稼ごうとするとバイトを掛け持ちしなければならいない(それでも多分最低額までいかないだろう)、それにそうするとさすがに学校の方がやばくなるので我慢している。
、引きこもりっぽい人ではあるが、まあまあではあるが運動をしている。まあ、健康の為だ。一応、部屋の中で出来る最低限の筋トレをたまにしているので、ちょっとしたことなら出来ると思う。……体を痛めない程度の範囲ではあるが。
さて、紹介はこの辺にして本編に入ろう。
自分が見ているこの光景はなんと表現すれば良いのだろうか?
見渡すことが出来る範囲には現代の世界であると言える物が一つもない。
━━━ホントに何も使えないのかな?
と、少しだけの希望に賭けて━━格好いいように見えるが悪あがきではある━━異世界に飛ばされた時に使われる能力を発見するための方法を試してみた。具体的には、強く念じる、印を組む、呪文を唱えてみるatc……であった。結果は、そうなのかと言うより最初から判りきっていたことなのだが無理だった。
━━まぁ、ここで呻いても仕方ないか。何とかして生きていくか……。それはそうと、もしなのだが、この世界に召喚した奴がいたらぶん殴って問い詰めてやる、『何故、俺をここへ呼んだのか』と
本格的にこの世界で生きる術を考え始めたのだが、早速1つめの問題が発生した。それは、
「お腹空いたなぁ…………」
であった…………。
だって、しょうがないじゃん! 人間だもの、そりゃお腹すくよ……
しかし、何にも能力を持っているわけでも、ガイドを渡されたわけでもない、この無茶振りのような感じの中で、どうしろというのだろうか。
「何が食べて良くて、何が害の有るものかは分からんが、そこはゲームで鍛えた勘を頼りにするか…………。死ぬくらいなら、最後は無茶をして死のう」
ということが脳内で決定した。
で、肝心の場所なのだが大体は目星をつけていた。
「うーん、動物の居そうな所は………………、あそこにうっすらと見える木の密度が高い所━━森なのかな?━━にしよう。武器はその森っぽい所にあるもので作ろうか……。出来れば真っ直ぐで細めの木があればいいんだけど━━」
と、しばらくぶつぶつと作戦会議じみたものをする。
「あ、そういえば」
とポケットからスマホを取り出す。
「ネット使えないかな?」
と、開いてホーム画面右上を見るとアンテナが全部立っていた。
「……え、異世界なのにネット使えんの?」
何故ネットが使えるかは分からないが、これはこれで分からないことがあったときに調べることが出来るという意味ではいいだろう。━━通信料とかどうなっているかは知らないが。
しばらくして、脳内作戦会議を終えたので、
「よし、行くか」
行動を開始した。
程なくして、森(?)についた。さっき見たときにはあまり大きく感じなかったが間近まで来て改めて見るとデカイ。まるで入る者を襲うような感じだ。
「これは…………。結構キツくなりそうだな」
そして、中へと入っていった。
中にはいって小一時間、驚く事がたびたびあった。
まず、一つ目。木は木なのだが、形が異常に変なのを見つけた。根元から、上に向かって太ーーく生えた木の根元から枝が生えていたのだが、その形が程よい細さで長く伸び、先端が針の様に鋭く尖っている。━━まるで、“槍”のようだった。
それが、パインアップルの頭の部分の様に生えていた。
「これ、使えるかなあ?」
と一本採ってみた。
大きさは、大体1m80くらい、直径約30cmと手によく馴染んだ。
おもむろに、採った槍のようなものを生えていた木に思いっきり叩きつける。木が、バシーンッ と大きな音をたてるが、叩きつけた方は折れなかったどころかヒビすら入らなかった。
「うん、これなら大体はなんとかなりそうだ。何本か持っていくか」
こうして、使用する武器はこの木の槍になった。(ちなみに、その槍が生えていた木は“槍の木”と名付けた)
あと、他には磨り潰してしばらくすると火が着く“着火葉”や、傷をつけると爆発する“爆草”を見つけた。
武器が決まったので早速獲物を探すのに取りかかった。とりあえず、食べられるものであれば何でもいい━━虫とか蛙は嫌だが━━ので周囲を汲まなく探す。危険な生物がいるかもしれないので、木に引っ掻いたような傷、地面についている足跡等を気を付けながらだ。
2時間くらい経って、そろそろ疲れ始めたというとき目の前の茂みがガサガサと揺れた。とっさに槍を構え、そこにいる何かが出るのを待つ。 ちょっとして、その何かが出てきた。それは━━、
小さい猪のような生き物だった。その小猪(?)はこっちをみて、その手に持っている槍に気付くと、四肢をガクガクし始めた。
「やっと獲物に出会えたか……。━━ごめんな、そこの小さい猪みたいな生き物よ。何か食べないと俺死んじゃうんだ。だから、お前を狩らせてくれ。なに、痛くはしないさ。だからそこをじっとしててくれよ」
その、喋りかけられた小猪(?)はというと……、潤んだ目で『殺さないで!』と訴え掛けていた。
「いや、そんな目で見られても。仮に、お前を逃がして他に何も会えなかったら俺本当に餓死しちゃう」
しばらく、小猪(?)と睨みあっこのようなことをしていると、そいつが出てきた茂みがまたガサガサと揺れた。そして、出てきたのは……、親と思われる大きな猪だった。
(あっ。これ終わったわ。俺の人生終わったわー。まさか、親が近くにいたとは……。子供の方に集中しすぎて周りに警戒しとくの忘れてたわ)
多分逃げ切れないだろうと思ったが『逃げよう』と行動に移そうと、向きを変えようとしたとき、親猪(多分)は何をしていたのかというと……。
「プギギギギギィィィィィィィィ?!」
━━メッチャ首を横にブンブン振りながら涙を流していた。
「えっ?俺がなんかした!?まあ、殺そうとしたのは確かだけどさ━━はぁ。分かった分かった。お前を仕留めるのは止めた。………………だから、そのつぶらな瞳で助けを求めるのとその後ろで首ブンブン振りながら泣くの止めて!?」
と言うと、それが通じたのか小猪(?)と親猪(多分)は首を下に向け━━まるでありがとうを、そして去っていった。(ちなみに、小猪君には足元をすりすりされた)
それを見送った後、
「はあ…………。見つかるかな…次の獲物」
空が赤く染まり始めたころ、俺はやっと次の獲物を見つけた。
さっきと同じ猪(?)だった。 さっきの親子と似ていたが、大きさが違っていてやや大きかった。こちらに気づいた猪(?)は、俺に向かって『ブギィィィ!!』と言いながら睨んできた。
「サイズはこれくらいがいいか。多分食べきれんだろうし。……ぶっつけ本番で何処までやれるか……だな」
そして、猪(?)との戦いが始まった。
猪(?)の攻撃は単純で真っ直ぐ突進するか、止まったときに自分が近くにいると後ろに蹴りを放つくらいだった。突進は中々に速いが避けきれないわけではない。なので、そのタイミングに合わせて槍を突いているのだが、猪(?)はタイミング良く跳んでかわした。
━━拉致があかないな。このままでは夜になってしまう。何とかしないと……
と、考えているとこの槍を見つけたところで木に叩きつけていたのを思い出す。
━━多分だけど、槍を突いてあいつが跳んだタイミングで上に向かって槍を上げれば、胴体に当たって相手が怯むはず。━━その瞬間を狙って、とどめを刺す!
もう一度構え、猪(?)が突進してくるのを待つ。
そして、猪(?)が突進してきた。
━━恐らくチャンスは一度きり!
猪(?)が槍の射程範囲に入った。その瞬間、俺は槍を突く。すると、猪(?)は今までのように“跳ぶ”。
━━今だ!!
俺は槍を勢い良く上に向かって持ち上げた。猪(?)の肋骨辺りに槍が吸い込まれ、━━当たった。そのとき、手に『ゴキリッ』と猪(?)の骨が折れるのを感じた。
「プゴゴァァァァァァァァァァァアア!?」
今までとは違う猪(?)の鳴き声。そして、猪(?)は倒れた。
俺は急いで猪(?)に近づいた。猪(?)は必死に足を動かし、起きようとするがさっきの槍による衝撃のせいで何処かの骨を砕いたのか、起きることができなかった。俺は、現実の猪であれば、ちょうど 心臓にあたる部分の上に槍を振り上げ、「ごめんよ」と言い、刺した。
「プギャャャャァァァァァァァァ………………」
猪(?)は口から泡状の血を出し、断末魔の悲鳴を上げながら体を震わせ、そして完全に止まった。
「……はぁ…はぁ…はぁ。やった…………、やったぞぉぉぉ!!!」
これで今日は何とか生きられる。
辺りはほとんど真っ暗になっていた。
「っあ。…………これどうやって運ぼう?」
完全に真っ暗になってしまったので、その場で夜を過ごすことになった。
完全に真っ暗なのだが、焚き火のお陰で自分の周りは明るい。ちなみに、焚き火の材料は辺りに落ちていた葉っぱや枯れ枝を集め、拾った鉈で木の枝を切り燃やしている。火は、【着火葉】を使った。━━これ凄い便利だな。
猪(?)もまた、拾った包丁で捌き 今は焚き火の回りでこんがりと美味しそうに焼けている。(捌き方を知らなかったのでネットで調べて見よう見まねで捌いた)
「そろそろいいかな……」
焼いていた肉を一つ取り、包丁で切ってちゃんと中まで火が通っていることを確認する。
「じゃあ、いただきます!」と言い、肉にかぶり付く。
「━━っうんま!?なにこれ、超美味しいんですけど!?」
軟らかかった。
猪の見た目をしていたので肉は固いかなと思っていたが、捌いてみると、普通にサクサクと切れた。(もしかしたらたが、ただ単に包丁の切れ味が良かっただけかもしれないが)
味は、豚肉の味だったが食感は高い牛肉のように溶けてなくなる感じだった。
無心でがつがつ食べていると、焼いた肉はあっという間に無くなった。
「はぁーー美味しかった。 御馳走様でした。にしても、こんなに美味しい肉は久しぶりに食べたな。どうせなら米と一緒に食べたかったなー。……今度人の住んでる所探してみるか」
ふと、上を向いてみる。するとそこには、沢山の星が見えた。しかし、その星達の並びは現実の世界と一つも合わなかった。
「本当に異世界なんだなーここは。今こうしている間にも、”あっちの世界”では色んな事が起きてるんだろうな……」
「帰り…………たいな…………」
「まあ、この世界に呼んだ奴をとっちめて『帰らせろ』って言えば帰れるだろ。━━それまでどれだけの時間が流れるか分からないが」
そして、俺は寝転がり━━空を━━星を眺め続けた。
━━━こうして一日目の夜は更けていった━━━
~ここでちょっとした捕捉説明を~
一つ目
主人公が途中から
“着火葉”(読み:ちゃっかは)
“爆草”(読み:ばくそう)
“鉈”
“包丁”
を使っていますがこれは全て主人公が狩りをしている中で拾ったものです。
『森の中をうろうろしていたときに袋が落ちていたので、開けるとこれらが入っていた』という設定です。入っていたものは枯れていたり、錆が付いていたりしてません。つまりは、時間が“あまり経っていない” ということです。他にも、袋に物が入っていますが、後々使っていく予定です。
~あと、書けなかった部分について~
大抵の獣は血の匂いで集まってきます。なので、焚き火をしていた所から少し離れた場所で猪(?)の処理をしたという設定です。(あと、煙で集まる獣もいます)
肉をきれいに削いだ皮は、処理をしたところの木の上にぶら下げ、乾燥させています。
よろしければ感想お願いします。
多分というか、絶対誤字っているところや文がおかしくなっていると思います。指摘よろしくお願いします。
ちなみに、あとから付け足す可能性は大です。
(主に、主人公の紹介文、狩りの部分)
次の話もなるべく早く出します。
第1章終わった辺りに投稿ペース決めます。