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プロフェッショナル勇者  作者: 秋月みのる
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ただいま工事中です。ご迷惑をおかけします。

修正が済み次第子のコメントは消します。


 「とりあえず俺はお付きらしく雲行きが怪しくなったときだけ口出すから、櫛枝さんは好きに行動してみてよ。この世界で経過した時間は元の世界でも経過してるからそこだけは念頭に入れておいてね」


 「えっと、最終目標はダンジョンの攻略なんだよね。で、宰相さんの話だと冒険者ギルドがダンジョンを管理している魔王を倒すんだよね。でも、冒険者ギルドってどこ? ダンジョンってどこ?」


 「あせりすぎ。明日から訓練があるって言うから参加したらいいんじゃないかな」


 「……あ。どうしよう伊瀬君! 私、武術とか習ったことないんだけど!」

 

 「俺から言えるのは、そのうち嫌でも出来るようになるって事くらいかな」


 「そ、そうだよね。なるようになるよね。えい、えい、おー。明日から頑張るぞー。よーし、明日から頑張るって決めたからには今日は遊ぶぞー」


 「随分と元気だな」


 「夢にまで憧れた異世界だよ。テンションが嫌でも上がるってものですよ。と、言うわけで異世界に来たら当然やらなきゃいけないことがあるよね!」


 「明日に備えて体力を回復するためにひたすら寝る?」


 「ぶっぶー。駄目だよ。全然駄目駄目だよ! そんなの勿体ないよ!」


 「じゃあどうするんだ?」


 「観光に行こう!」


 ―――――――――――――――現在修正ここまで。 



 「ヒント欲しい?」

 

 俺が聞くと櫛枝さんはこくこくと頷いた。


 「そこに串焼き屋があります。あそこに子供がいます。これで何となく分かるよね」


 俺が言うなり櫛枝さんは駆けだしていった。なんというか、猪突猛進な人だな。

 どうやら作戦は無事成功したようだ。

 こっちこっちと俺の手を引っ張ってくる。


 「ちぇ、別解もあったんだけどな」


 「別解?」


 「まずその辺の酒場で暴れます。腕自慢の冒険者やって来ます。返り討ちにします。場所を吐かせます」


 「それ捕まるよね?」


 ヘマすりゃな。どの世界でも冒険者は酒場でくだ巻いてること多いから、短期決戦の場合こっちの方が効率良いぞ。子供は知らないことは知らないと奢って貰った後にちゃっかり言うしな。


 櫛枝さんを見ているのは非常に初々しい。

 俺も異世界召喚に慣れていない頃はあんなだったのだろうか?


 「さて、冒険者ギルドについたみたいだぞ」


 「た、たのもー!」


 櫛枝産は大声を張り上げて中へと入っていく。

 新手の道場破りかな?

 声を張り上げたものだから、大いに目立ってしまっている。


 「お、可愛い姉ちゃんじゃねぇか!」


 「見たことないけど、新人の登録かな」

 

 「うちのパーティに入れよ。と、いうか面倒見るので入って下さい」


 冒険者ってのは大体の世界でむさ苦しい野郎の職場だ。

 ガテンに男ばっかりなのと同じ理屈で、男の方が女よりも筋力で優れてるから仕方ないね。

 

 中に入って早々、櫛枝さんは困った目をして俺を見てきた。

 俺はハンドサインでカウンターに行くように指示する。


 そのに俺の方でも情報収集っと。

 俺は空間魔術を展開。

 中に収容してあった小ぶりなサファイアの宝石をいくつか取り出す。

 ま、話聞く対価としちゃかなり上等だろ。

 そいつを手に冒険者の中へと溶け込んだ。

 

 俺も俺でダンジョンの情報を集める。

 すると、ダンジョンにはCランク冒険者でないとは入れないことがわかった。

 ついでにお勧めの鍛冶工房や魔法薬屋などがないかも確認しておく。

 最後に冒険者同士の暗黙の了解、マナーについても確認だ。

 あとは魔物の生息地や狩り場だな。

 場合によって狩り場なんかで揉めることが稀にあるからな。

 この世界だと、交戦中の魔物を横取りしないことくらいしかマナーがないようだ。 

 

 それらを一通り聞いたところで櫛枝さんの方に向かった。

 「迷宮の情報聞けたよ~。北門を出てすぐの所にある洞窟だって」


 「ま、その前にとりあえず俺も冒険者登録だ。ダンジョンに入るためにCランクまで速攻で上げる」


 俺は冒険者登録。不思議とどの世界も同じような仕組みをしている。

 何度もやったことがあるので慣れたものだ。

 受付に説明を聞き、Eランクと書かれたギルドカードを貰って俺は掲示板へと向かった。


 Eランクで受けられる依頼は……と、思ってみていると。


 「……私もEランクからコツコツやりたかったなぁ。いきなりAだとズルしてるみたい」

 「Eからやればいいだろ。出来ないか聞いてこい」


 俺は櫛枝さんを待つ間に依頼を物色。 

 Eランクで受けられる依頼を片っ端から頭に叩き込んだ。


 今回、夏休みと言うことで時間がある。

 俺は脇役に徹するつもりだ。

 勇者召喚されている間は他の世界に召喚されない。

 ゆっくりじっくり一つの世界に取り組むのもたまにはいいと思う。

 この世界はそれほど環境も悪くないしな。 


 「な、なんとかEランクカードに交換して貰ってきました。理由を聞かれて凄く困った」

 

 まぁ、ランクが高い方が報酬の高い依頼受けられるから好きこのんで下げる奴はいないだろうな。

 

 「さて、依頼はどれにする? 出来ると思うものを選んでみろ」


 「ん~、これかな?」


 薬草採取。悪くはない。

 常設依頼なので他のついでにもこなせる依頼だ。

 他のEランクの仕事は街中の仕事が多い。

 俺も異世界に来てまでどぶさらいの仕事はしたくないので、これでいい。


 「だったら、こっちの魔物退治もついでにやろうか。薬草も魔物も見つかるかは運次第だからな」


 「……いいんですか?」


 櫛枝さんが驚いたように俺に聞く。無理もない。

 魔物退治はDランクから。

 薬草採取に行ったら、魔物に襲われたので返り討ちにしたとでも言えば恐らく通るので俺はこちらも受ける事にしたわけだ。この辺はゴネた者勝ちである。


 「じゃあ、伊瀬君。早速薬草取りに行こう」


 ギルドを出て早速櫛枝さんが言った。


 「待て」

 「え?」


 「武器はどうする気だ? 一応俺が所有する異世界のチート武器が大量にあるが」

 「……チートは駄目。自力で頑張ってみる」


 何となくそう言うと思った。


 「王様からしたく金貰ったから、渡しておく。中身を見て買える物を選べよ」


 「伊瀬君は武器はどうするの?」

 「俺は素手でいい。最近は武器を使うまでもなくなった」


 「……それほんと?」

 「もしかして俺の実力疑ってる?」


 櫛枝さんはこくりと頷いた。

 なら見せてやる。

 俺は飛翔魔法を発動。

 

 「危ないからしっかり捕まってろよ」


 櫛枝さんを捕獲。

 遠くに荒野地帯を発見したのでそこまで移動。時間にして僅か五秒くらいだ。


 「そ、空飛ぶなら先に言ってよ!」

 

 青い顔をした櫛枝さんが荒野に着地するなり抗議の声を上げた。


 「わかった。気をつける。とりあえず今から攻撃魔法でもぶっ放すけど、見たい魔法とかある」


 「え? 魔法! 魔法使えるの?」


 「今、空飛んできたばっかりだろ」


 「う~ん、じゃあ。雷がいいかな。やっぱ勇者って言ったら雷でしょ」


 オーケー。


 俺は魔術式を上空に構築。今回は試し打ちなので威力をそれなりにセーブする。

 構築時間は約三秒。まだまだ時間がかかっている。


 そして、構築した魔術式がカッと一際強く輝いた。


 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


 巨大な電気の奔流で辺り一面が真っ白になる。

 天から落ちる雷撃は容赦なく地面をえぐり取る。


 雷が消えた後、地面には直径十メートルくらいのクレーターが残った。


 「……す、すごいね。これなら魔王も一撃じゃないかな?」

 「弱い魔王ならな。強い魔王はもっと本気で撃たなきゃ駄目だ」


 「……今ので本気じゃないんだ。そっか。これ、私いる意味あるのかな?」

 「あるといえばある。付き人ごっこは新鮮だし、俺があまり退屈しないですむ。そして俺が異世界で一般人扱いされるのは初めてのことだ。世界を救えというプレッシャーを今ほど感じないことはない」

  

 「そっかぁ。じゃあこの世界で伊瀬君が最後まで一般人でいられるように私、勇者として頑張るね」


 「頑張るのはいいんだけどさ……櫛枝さん、戦闘経験ある?」

 

 「……ない。格闘技もからっきし」

 

 「オーケー。なら魔王倒せるくらいまで鍛えるしかないな。夏休みが終わる前に」


 「い、伊瀬君? ちょっとなんか頭の中で恐ろしい計画立てようとしてない?」


 別に恐ろしい計画ではない。

 一ヶ月くらいで魔術と剣術を人類最強レベルまで持って行くだけの話だ。

 勇者は人より成長がしやすい。これは恐らく間違ってないと思う。


 「大丈夫、必要なのは根性だけだ」

 特殊技能も何もいらない。

 俺は櫛枝さんを安心させるためにこう言ったのだが、顔が一気に真っ青になった。


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