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■高校1年 8月第3週 迷宮5層 3回目(9)

荷物が増えたのも関わらず、往路にかかった4時間とほぼ同じペースで0層に帰ってきた。

『ヒール』の試しは状況が状況なのでやらず仕舞いだ。


「館林、お前また何かやったのか?」


謹慎中の優ちゃん先生に代わって、佐野先生に迎えられる。


「木崎との決闘の話なら後にしてください、それより緊急! 緊急救援をお願いします!!」


緊急の一言に0層はざわめき職員が集まってくる。

1-C木崎ノア6人パーティが、迷宮大猪戦で戦闘不能3人重傷2人だして、5層6層間の安全地帯で身動き取れない状態になっている事を伝える。ついでに救援の方法が気に入らなかった木崎に絡まれて決闘する羽目になった事も伝えた。すぐに担当が動き始め緊急救援呼集の放送が流れはじめる。


「そういう訳で佐野先生、絡まれたのを撃退しただけです。手首は折りましたが木崎はそれ以外無傷です。」


そういえば折った右手首の治療しなかったような。本人も治してくれと言ってなかったから問題ないな。


「ああ『木崎が館林にPK行為をした』と言うCODE:オレンジが発令されて把握している。それで帰ってくるの待ってたんだ。」


「俺は拘束ですか?」


「まぁ、そうなるな。木崎が帰ってきて聴取が終わるくらいまで、一晩か二晩拘留だな。体裁だけは仕掛けた方と両成敗にする為だ。差し入れ面会は自由にしとくから我慢しろや。」


「しょうがないですね。」


「タケちゃん、差し入れなにがええ?」


「とりあえず夕飯でコンビニの麦茶とオニギリとサラダを頼む。おにぎりはマグロで、なかったらツナマヨかな。あと夏休みの課題のプリントを何枚か。」


「清算はどうしましょう?」


「書類手続きは静華さんに任せる。喜久彦は俺の荷物頼むな。素材と肉も出して残りの荷物は預かっといてくれ。」


「了解や。」


「肉と伊勢崎先生への差し入れはどうするの?」


「俺のボーナスメニューは保留で、差し入れのカツサンドは作れるなら今日にでも出して貰ってくれ。代金は後で返すから頼む。」


「お前ら初迷宮(ダンジョン)前と違って、まじめにやってるんだな……。」


「やだなぁ。休憩中はああいう話もしますけど、俺達迷宮や授業中は結構まじめですよ。」


「確かにそうだ。そろそろいいよな? コイツ預かるからあと頼むな。」


「「「はい。」」」


「行って来るよ。」




ベルトの棍棒も剣鉈も付けたまま、連行と言うより同行に近い。0層の入口から一番遠いところにある拘留室と裁判室の建物に連れて行かれて、携帯と武器を預けて拘留室に入った。

4畳部屋の畳敷き。TVと扇風機と座卓。布団や枕は無く毛布・タオルケット・洗面タオル一枚ずつ。洗面台もあってトイレは別部屋だ。

ただ普通の部屋と違うのは、窓が天井付近と床上の二箇所で高さ20cmずつ。もちろん鉄格子が付いている。本格的な牢屋ではなく軟禁部屋と言う所か。


「普通に住めそうな感じですね。」


「監視カメラ付きで携帯は没収、それとネットもできないけどな。

飯とか困った事があればインターホンで言え。金は取るが、かつ丼からエロ本まで大体は持ってきてくれる。」


「ありがとうございます。」


「それで、決闘はどうだった?」


「まず木崎パーティが迷宮大猪を倒して、死亡3名、腕が千切れて出血多量の()が1、足をやられた()が1、無傷な木崎の所に出くわしました。姫宮さんの『ヒール』で腕を接いで治療をしましたが、俺達4人では自立歩行のできない二人を護衛搬送して0層まで運ぶのは無理だと救助を断りました。」


「それで木崎がゴネた訳か。」


「はい。『俺だけでも連れてってくれ』って。それで様態の悪い二人を置いて帰ろうとするのと木崎の態度の悪さに頭にきて、つい『おまえも足手まといだ』と言ってしまったんですよ。したら『決闘だ! 俺の実力見せてやるぅぅ』って。

入学式で喜久彦がPKの話を聞いてましたからね。その後はとにかく先に手を出させるように終始して隙を作る演技もしました。

戦闘自体は一瞬です。木崎が火の魔法剣で左肩に斬りかかって来たのを当たった瞬間に手首をキャッチ。そのまま手首を握りつぶしておしまいです。」


「それで左肩が切れてるのか。」


「そうです。手首折っただけで木崎が戦意喪失してしまったのは予想外でしたが、おかげで木崎が迷宮大猪戦で魔法剣を使わず手抜きして負傷者だした事とかも聞けました。」


「それ、レポート書いといてくれるか? TV台の中に筆記具と便箋あるから。」


「了解です。それで佐野先生はどちらに?」


「俺は校長に状況報告と木崎の親馬鹿が来ても大丈夫なように根回しだ。」


「面倒かけます。」


「何を言ってる。体面上拘束はしているが今回の館林に落ち度はない。情に流されて無理に連れ帰れば確実に死人が増えていた。その処理に比べればなんでもない。個人的にはハーレム野郎をヘコませた事に賞賛を贈りたい。」


「佐野先生……本音が漏れてますよ。」


「わっはっはっ、そういう訳で今回の件では俺は館林の味方だ。

館林も迷宮探索で疲れてるだろう? レポート書いたら寝てていいぞ。」


佐野先生が拘留室から出て行き、一人になった。静けさに耐えられなくなって、TVを点けて見たがゴルフ中継と再放送のバラエティだらけで返って気が滅入る。そのうちに給湯施設やお茶が無い事に気がついて、レポートより先に注文リストを作る事にした。

所要で間が開いて知ったので打ち切りです

続きを楽しみにしてくれた方申し訳ありません



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