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■高校1年 4月 迷宮(ダンジョン)クラス 魔法学(2)

9回目の魔法学の授業は説明の無いまま、出席番号順に検査(?)が行われることになった。


「次、館林君どうぞ。」


伊勢崎先生に呼ばれ、検査室と書かれた張り紙がある部屋に入る。


「あそこの魔方陣の中心に座ってください。リラックスできる方法なら胡坐でも女の子座りでもいいですよ。」


伊勢崎先生はいつもの眼鏡の上、左目の所に某装甲騎兵のようなターレットレンズを着けている。

薄暗い部屋の床に正方形を二つ重ねた八芒星な魔法陣が描かれ、その頂点には赤、青、緑、黄、白、灰、水色、紫の半透明の玉が置いてある。


「えーと、これは何をするんでしょう?」


どう見ても新興宗教か悪魔召還の儀式にしか見えない。もちろん生贄は中央に座る俺。




「あれ? 説明忘れてたかな? 今のところ全員聞いてくるんだよね……。」


「聞いてないです、ハイ。」


「まぁいっか。前回までの授業で8属性の魔法を体で覚えたはずです。当然全部を学ぶ時間はありません。これは属性適正とか相性ってのを調べる装置です。」


「はぁ。」


「とりあえず、黙って座る。キミの属性適正をピタリと当てちゃうぞっ。」


「何所の辻占い師ですか?」


ツッコミながら胡坐で床に座る。


「はい、そのまま大きくゆっくり息を吸ってー……吐いてー……吸ってー……吐いてー……繰り返してね。」


言われた通りにしてると、目の前の玉に光が灯る。


「火1、水3、風0、んー……土2、光4……闇よんっ()?、力5、心1。」


伊勢崎先生は途中でレンズを換え、メモをしながら発声した。


「歯医者みたいですね。ところで闇4に驚いてたのは?」


「あははは、間違いかもしれないから……館林君は後日測定し直しね。」


これは聞いても答えちゃくれない雰囲気だな。




「……解りました。もういいですか?」


「はい、一週間後くらいにもう一回。その後何回か測るから呼び出したときにはお願いね。」


「……はい。」


後日、何度か測りなおしたが結果は変わらなかった。



◇◇◇◇◇



10回目から本格的な魔法を覚える授業が始まった。

『迷宮学』でも触れていたが、改めて魔法属性の説明と属性の無い『生活魔法』についての説明を受けた。

まとめると――




・魔法は力属性に属する火水風土、心属性に属する光闇。6属性ではなく力と心を加えた8属性。

 力属性──┬──火属性

        ├──水属性

        ├──風属性

        └──土属性


 心属性──┬──光属性

        └──闇属性


・力属性は魔力を物理的力に変換する魔法、強化・衝撃・重力・空間の魔法。気とかもこれに入る。

・火属性は加熱・炎・爆発の魔法。

・水属性は冷却・水・氷の魔法。

・風属性は崩壊・風・雷の魔法。

・土属性は硬化・土・金属の魔法。

・心属性は魔力を精神力に変換する魔法、精神・催眠・混乱・概念の魔法。

・光属性は癒し・光・浄化の魔法。

・闇属性は呪い・闇・不死の魔法。




・生活魔法:低級な便利魔法。属性適正を持って無くても覚えられる。

ただし持ってる属性適正に関わる物の方が覚えやすい。


灯火(ライト)』:照明魔法。個人に追従させたり、射出して対象に張り付けることができる。

いずれも使用者が消すか2時間で消える。

迷宮階層は暗く、フィールド階層は地上と同じく日没があるので必須。


『浄化』:服や身体や物から汚れや臭いを取り除く、通称洗濯魔法。

戦闘での返り血の後始末だけでなく、排泄物の処理にも使われるので必須。


応急手当(ファストエイド)』:軽傷を治療する。覚えやすいもののMP効率は最低。

骨折や内臓損傷は直せない。深い傷でも止血効果はある。化物との交戦で最低限の治療をするために必須。


『造水』:文字通り飲用可能な水を呼び出して造る。水量は水鉄砲から消火放水レベルまで。


点火(イグニッション)』:通称ライター。指先に小さい火を生み出す。

最大でも30cm程度の炎なので『裏○八式・大○薙』はできない。毎年小火(ぼや)を出すものが居るので絶対にやらない事。


『風乾燥』:通称ドライヤー。家庭用扇風機程度の風を生む。温風や冷風も出せる。


『土壁』:文字通り土の壁を作る。トイレや着替えなどの個室が作れるので女性に人気。土壁なので耐久性はお察し。


土竜(もぐら)』:ゴミ処分から落とし穴まで便利な穴掘り魔法。ただし掘るには時間がかかるので、落とし穴は事前に掘る必要がある。


……などなど。



なお、『灯火(ライト)』『応急手当(ファストエイド)』『浄化』の3つを覚えていない生徒は迷宮(ダンジョン)入場許可が下りない。




――という、感じだ。



◇◇◇◇◇



イメージしやすいということで、一番最初は照明魔法な『灯火(ライト)』を覚えさせられた。

初めて覚えた魔法な上に、簡単に色を変えられたり連射できたりと色々と応用が効く。

覚えたその日の放課後はゲームや漫画の必殺技を真似してみたり、日が完全に落ちてから花火や光線銃のように撃ちまくって遊んだ。

MP枯渇や魔力回路オーバーヒートの症状を訴える者が続出したが、これは毎年恒例の行事らしい。


その次は『浄化』だ。

優ちゃん先生が改めて「迷宮(ダンジョン)では戦闘すれば返り血などで必ず汚れるからね。『浄化』なしで最長2泊3日お風呂入れないとキツいよー。」と告げた一言で、女子は血眼になって練習して覚えた。

乗り気でない男子もいたが「日常生活で『浄化』使えると掃除洗濯楽になるわよ。それに清潔にしてないと女子に嫌われるぞっ!」と言われて真剣に練習して覚えた。


さらに次は『応急手当(ファストエイド)』かと思ったが、福居の爺さんに「『応急手当(ファストエイド)』は難しいから後にしろ。先に他の生活魔法か属性魔法を覚えて魔法に慣れてからの方が効率がいい。」と言われて自由練習になった。

それから「持ってる属性適正に関わる魔法が覚えやすい。」とも言われて、水属性適正のある俺は『造水』を覚える事にした。


人間が生きるためには飲み水だけで一日2リットル必要らしい。その分の荷物が減らせるのは、迷宮(ダンジョン)ではきっと有用だろう。

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