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■高校1年 4月 迷宮(ダンジョン)クラス 戦闘術(1)

『戦闘術』の講師、佐野(さの) 賢治(けんじ)も結構な放任主義だった。


初日は地上訓練場でのデモンストレーションから始まった。

入学式でやるつもりだったが太田校長に止められたらしい。

佐野先生は放り投げた藁苞(わらづと)を木刀と木剣の二刀流で6連続で斬って見せた。

続いて一抱えもある丸太を木の槍で突いて大穴を開け、木の斧で叩き割り、棍棒の一撃で粉砕した。


使った木製武器と的は生徒に回され、一人一人が何の仕掛けもない事を確認した。


「『気や魔力を込める』と言う種も仕掛けもあるから安心しろ。

コツさえ掴めば威力はともかく半年とかからずできる奴も出てくるだろう。

あとは基礎体力を付けながら、ひたすら反復練習だな。」




「先生! ○動拳とか、か○は○波ってできるようになりますか?」


「ちょっと違うが、似たようなことは出来るぞ。」


佐野先生は訓練用の木人形から10mほど離れたところに移動した。

大きく呼吸をしながら右拳を大きく振りかぶる。


憤怒(ふん)っ!」


振り降ろした拳から何かが飛んだような気がした。



バキッ!!!



それは一瞬で木人形の胴体に当り、大きな(ひび)と窪みを作る。


「おおっ!!」


「すげーっ!!」


生徒から異句同様の歓声が沸くが、佐野先生は浮かない顔だ。


「やべっ、つい力入れすぎた……こりゃ始末書と弁償だな。」




その後は木刀・木剣・棍棒・木の槍・木の斧・木の杖が傘立のように突っ込まれた箱を持って来て並べた。


「どの武器を選んでも一長一短がある。

それ以外の武器や二刀流や楯持ちを希望するものもいるかもしれないが、まずは基本のこの6つから1本選んでくれ。今日を含めた5回の授業はとにかく振って自分に合った武器を見つけろ。」


と丸投げした。




生徒がなかなか動かないのに業を煮やして佐野先生は続けた。


「金属武器でないことに不満な奴もいるだろう?

理由は簡単だ。料理に慣れてない奴が包丁で自分の指を切ってしまうのと一緒で、慣れてない奴が刃物を振り回すと自分で自分を切ってしまう。おまけにパーティ戦となれば、味方も斬りかねない。」


そう言えばテニスを始めた頃にスマッシュして振り下ろした時に自分の足に撃ちつけてしまうのを良くやった。

入学式で同士討ちの話もあった。

ダブルスの連携ミスで交錯したり、前衛だった俺は後衛が打ったボールを当てられるのも少なくなかった。


「威力の面でも、君達が木製武器(こいつ)を振り回せば化物は殺せる。1年生のうちに入場許可が下りる20層までは木製武器でも十分だ。

さらに最初に見せたアレができるようになれば、二年で降りる40層までは大丈夫だろう。」


つまり40層に行けるようになるまでに、あの技か同じくらいの破壊力を身につけろと?

ゲームならばLv1とLv40の差はそれくらいあるのだろうけれど、ここではどうなのだろうか?

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