第2話*クラス替え
クラス替えで、親友の奈津とは離れてしまった。
「離れちゃったよぉ〜、美穂〜。」
そう奈津が美穂に抱きつく。
「でも朝は一緒でしょ?」
「うん!」
そう言って、奈津は笑顔になった。そして、美穂も笑顔になった。
しかし、そんなことを言っている美穂であったが、美穂は本当は人見知りなのだ。
友達出来るかなあ…
そんな心配をしながら、新しく発表されたクラスに向かった。
────2年8組。
美穂は入ってすぐ、引き返したくなった。
…知ってる人が全然いない!!!!
1年の時に同じクラスだったのは4人いた。しかし、その4人は、2人2人でかなり仲が良く、正直言って、美穂が入る隙間はなかった。
美穂の所属している部活─新聞部だ─は、美穂を入れて2人しかいないが、そのもう1人がいるかも、と探してみたが、もちろんいなかった。
どうしよう…
そう思って、とりあえず黒板に席の図が貼ってあったため、それを見に言った。
「あれ、新聞部の子だよね?」
そう言って、ある少女が話しかけてきた。
「え?」
美穂は振り返った。そこには、赤い眼鏡をかけた、ショートヘアの女の子がいた。
「やっぱり!この前取材してるの見たんだよね♪初めまして、私、坂本 鈴!軽音部なんだ。友達になってくれるかな?」
ハキハキとした少女だった。笑顔の似合う女の子。
「う、うん、初めまして。私、中村 美穂っていうの。よろしくね?」
「よろしくーっ、美穂!私のことは鈴って呼んでね!!知ってる子いなくて困ってたんだー。」
「私も…っ、良かったよ、友達できて。」
美穂は少し安心した。
とりあえず担任の先生らしき人が入ってきたので、美穂は席に急いだ。
「みんな、このクラスの担任になる、笠原だ。知っている人の方が多いと思うが、担当科目は英語。よろしくな。」
そんな挨拶をしてきた担任は、1年の頃から人気のない先生だった。
うわー…
と美穂も思ったが、口にはしなかった。
「とりあえず、配布物だ。まず最初に配るのが、8組の名簿と、時間割と教科担任が載っているプリントだ。」
そう言って、担任はプリントを配った。
美穂はプリントを受け取り、時間割に書かれている“日本史”の文字を目で追った。