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一話 〜平穏〜

この話の主な登場人物

桜井雅典……日本の高校生で16歳。頭が良く、勉強はトップクラスの秀才。


伊集院聡……桜井と同じ高校に通う16歳。日本の御三家である伊集院家の長男。桜井より勉強は劣るが運動神経がいい。

伊集院重盛……聡の父親。歳は56歳。御三家の伊集院家をまとめる当主である。

〜2117年〜東京


大きな門にはキリスト教を思わせる彫刻と様々な装飾が施されている。建物の入口には[私立聖教学園高等部入学式]と書かれたパネルが立てかけられ、新入生が新しい制服に身を包み、次々と校門をくぐっている。

その中でも一人、一際存在感を漂わせる男がいる。真面目な雰囲気を漂わせるかのようにボタンをしっかりと留め、スラッとした体型と綺麗に整った顔立ちに周りの女子は釘付けだ。

男はつまらそうな目で校舎を見上げ、そのまま入ろうとした。

「桜井!桜井!」

テンションの高い声が聞こえる。男はやれやれとため息をついて声の主を探した。

「桜井!久しぶり。同じ学校なんだね!」

声の主はいかにもスポーツマンを思わせる体型に第一ボタンを開けて、活発な顔立ちをしている。「聡か。確か7年ぶりだな」

「そうだっけ?」

聡と呼ばれた男はニコニコしながら桜井の顔を見てクスクスと笑いながら「相変わらずその雰囲気って変わらないね」

と言った。

「その雰囲気ってなんだ?」

ムスッとした顔で桜井が聞き返す。

「秀才の雰囲気だよ。小学校の頃から変わんないじゃん。」

「誰が秀才だ!」

桜井が更にムスッとして聞き返す。

「だって小学生なのに漢検も英検も一級とっちゃうし、授業で寝ててもテストでほとんど百点だろ。その上自由研究なんか大学の教授が驚く内容作ってきちゃって……なのに……」

「学校サボりがちで不真面目ってか!」

聡が言い終わる前に桜井がかぶせるように言い切った。

「怒るなよー」

聡がちょっと申し訳ない顔で桜井を見た。

「昔の話だ」

そう言って桜井は入学式の会場に入っていった。

校長先生の長い話が終わり、入学式が終了するとクラス割りが発表された。

「桜井っ。同じクラスだぜ」

「ああ。そうだな」

桜井は喜びながら小走りで教室に向かう聡の後について行った。

(コイツがいるなら退屈はしない……か)



教室で担任から名前が呼ばれる。

「伊集院聡君」

先生から名前が呼ばれると教室がざわついた。

(無理もないか。聡は日本御三家の伊集院家の長男だからな……)

「桜井雅典君」

「はい」

落ち着いた雰囲気で返事をして着席した。

ホームルールが終わり下校になると聡がやってきた。

「今日家に寄ってかない?」

「んあ?いいのか?」

「もちろん!再会のパーティーってことで」



伊集院家は昔から武道を重んじる家で、7年前の事件の時には伊集院家の流派の者も戦いに参加した。

家は昔の日本貴族の家を思わせる造りで、いたるところに庭園があったり、武道の修練所もある。桜井も昔、ここで聡と一緒に空手を習っていたのだ。

家に入ると聡の父親に会った。

「おお…久しぶりだな桜井君」

「お久しぶりです」

桜井はお辞儀をした。

(伊集院重盛……伊集院家当主であり、現在レジスタンスを裏で支援してる噂もある……か)

「今日はゆっくりしていきなされ」

そう言って重盛は立ち去った。

「さっ!部屋行こうか」

聡に言われるがままに部屋に入る。

「7年振りなんて運命感じるな」

聡が笑いながら言った。「お前に運命感じたくないけどな」

桜井がすかさずきりかえす。

「ひでぇ!」

「アハハハハ!」

時間はあっという間に過ぎた。

「もう俺帰るよ」

桜井がそう言った瞬間だった。


ドォォォン!!


遠くで爆発音が聞こえた。

「何だ!?」

「わからない。でもアメリカ軍の駐留基地のほうだ!」

聡はそう言って走り出した。

「待て!聡!」

桜井も追いかけて行った。

あとがきでは小説内で書ききれなかった細かい設定などを書いて行きます。


日本の御三家……政府とは別に日本を経済力と文化において支えてきた家柄。伊集院家の他にも二つあるが、物語が進めば正体が分かってくるだろう。


アメリカ軍駐留基地…………日本を占領したアメリカが各地に作った小規模の基地。政府の動きの監視や各地のレジスタンス活動を鎮圧する目的で作られている。レジスタンス達の攻撃の的になりやすい。

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