最終話:深海より愛を込めて! 聖なるタコ(軟体)が刻む、不条理の終止符(ハリセン)
四天王を全て消滅させ、ついに魔王城の最深部「無の間」の扉が、地響きと共に崩れ落ちた。
玉座に座っていたのは、漆黒の虚無を纏い、存在自体がバグを起こしているかのように輪郭が揺らぐ絶対者――『魔王ゼロ』。
彼はこの世界の「ボケ」そのものであり、存在自体が最大の不条理の根源だった。
「勇者よ。……よく来た。だが、この世界は既に私の『絶対静止』に飲み込まれている。貴様のツッコミという『意味』など、私の『無意味』の前に霧散するのだ」
魔王が指を鳴らすと、世界から「色」と「音」が失われ始めた。ツッコミどころを物理的に消去し、世界を「全く面白くない静止画」に変える最終奥義。
アキラの喉は、すでに限界を超えていた。喋るたびに喉の奥から鉄の味がし、意識が遠のく。だが、その隣で仲間たちが「最終決戦仕様」の暴走を開始した。
「アキラ様。……宇宙ごと『漂白』してあげますね」
(……アキラ様。……全人類の影を、……婚姻届の形に固定した。……逃がさない)
「アキラ殿!! 私の『チューニング済みの鎧』を、……心ゆくまで殴ってくれ!!」
「……ゲホッ、ガハッ!! お前ら、……魔王より、……ボケの渋滞が酷いわ!!」
四方八方からのボケに、アキラがツッコミ切れず膝をついた、その時。
「……アキラ様、お下がりなさい。論理もツッコミも通用しない虚無には、理屈を超えた『軟体の慈愛』が必要なんです!」
聖女エルナが、神々しい(?)光を放ちながら前に出た。彼女の頭の上では、いつも以上にヌチャヌチャと激しく蠢く「聖なるタコ」が、ピンク色のオーラを放っていた。
「見なさい、魔王! これが深海より伝わりし、聖女の真の救済……!
タコちゃん、**『ホーリー・シンクロ・フォーメーション』**です!!」
エルナがタコを空高く放り投げると、タコは魔王の「虚無のオーラ」を吸い込み、みるみるうちに巨大化していった。
「タ、タコだと……!? なぜ私の『無』が、この軟体動物に吸い込まれていくんだ!?」
「フフフ。タコちゃんは、全ての矛盾をその柔軟さで受け入れるのです。
さあ、アキラ様! 最後のツッコミを、タコちゃんに込めて!!」
巨大化したタコが、エルナの杖の光を受けて、ピンク色から黄金色へと輝きを変える。
そして、その数百万の吸盤が、物理法則を無視して互いに吸着し合い、
**「巨大な、黄金色の、軟体ハリセン」**へと姿を変えたのだ!
「お、おい……。聖剣(俺の剣)じゃなくて、……タコがハリセンになったぞ!!」
アキラは呆然としながらも、エルナに促され、黄金の軟体ハリセン(元タコ)の柄(元・タコの頭)を握りしめた。
「……メフィストが言うとった『観測不能なバグ』って、……お前のことやったんかーい!!」
アキラは、喉の奥に溜まった「血と意地と仲間への殺意」をすべてハリセン(タコ)に込め、最大出力の咆哮と共に振り下ろした。
「魔王!! 驚いとる場合か!!
お前、その『世界の支配』とかいう設定!!
よく見たら、……**『一人でトランプのスピードやってて、自分の右手が左手に勝った時の虚しい達成感』と同じ顔しとるぞ!!
お前のその魔力はな!!
ただの『深夜のテンションで書いた、翌朝読み返して死にたくなる自作小説』**の山と同じなんじゃ!!
そんなに寂しいならな!!
今すぐその玉座を粗大ゴミに出して、
**『近所の公園の草むしりボランティア』**にでも参加して、
**『お年寄りに飴玉をもらう喜び』**から、
社会との繋がりをゼロから構築し直してこい!!
宇宙の真理(物理)で殴られる前に、
深海の神秘で殴られて、
自分自身の『情けない日常』と向き合ってこいボケェェェ!!!!!」
「「「なんでやねん!!!!!!(ヌチャッ)」」」
アキラ、ミリティ、シズク、ルビィ、エルナ、そしてタコの心が一つになった、史上最大のツッコミ(軟体)が魔王の脳天を直撃した。
ドガァァァァァァァァン!!!!!
魔王ゼロは「あ、掃除しなきゃ……(タコの吸盤の跡を)」という、主婦のような悟りを開いて光の中に消滅。
世界に色が戻り、不条理なバグは深海の彼方へと消し去られた。
世界は救われた。だが、アキラの喉は、……奇跡的に完治しなかった。
彼は今、王都の広場で、頭の上に元に戻ったタコを乗せたエルナたちに、相変わらず喉を枯らしてツッコんでいる。
「アキラ様。除菌完了。次は、アキラ様のプライバシーを、私が永久に『検閲』して差し上げます」
「検閲するな!!」
(……アキラ様。……魔王の消えた空間、……私の個室にした。……逃がさない)
「空間を私物化するな!!」
「……アキラ殿!! 祝勝会です!! 私を叩き続けてくれ!!」
「叩かん言うとるやろがい!!」
「……アキラ様。……タコちゃんが、……アキラ様のツッコミに、……嫉妬しています。……ご褒美に、……タコちゃんの吸盤マッサージを、……喉の奥に……」
「エルナ!! お前、一番のバグやわ!! タコを俺の喉に突っ込むな!!」
アキラのツッコミが、晴れ渡った空に響き渡る。
この世界にボケがある限り、彼の旅に「オチ」がつくことは、絶対にあり得ないのだった。
ご愛読ありがとうございました。
書いてて全く意味がわからない物語ができてしまいました。
次回作は正当なファンタジーで遊びたいです




