第30話:宇宙規模の「オチ」! 勇者アキラ、理屈の果ての引導(ツッコミ)
アキラの声が、メフィストの構築した「完璧な世界」にヒビを入れる。
「メフィスト!! お前、その『観測者の否定』とかいう中二病全開の技!!
よく見たら、……**『自分が滑り倒した時に、周りの反応をシャットアウトして自分を守っとるだけの防衛本能』**やないか!!
四天王を自負するなら、……自分のスベりと真っ正面から向き合わんかい!!
お前が一番恐れとるのは、世界が滅びることやなくて、
**『一生懸命考えたギャグが、誰にも理解されずにスルーされること』**やろがい!!」
「ぐ、あああ……!? 私の……完璧な数式が、……感情という名のノイズで……!!」
「感情やない、これは『現場の空気』や!!
お前、その難しい単語!!
『超弦理論』とか『事象の地平線』とか言うとるけどな!!
お前、それ……**『自分が頭ええと思われたい一心で、百科事典から拾ってきただけの借り物の言葉』**やろ!!
そんなに世界を定義したいならな!!
今すぐその白衣を脱いで、
**『近所のスーパーの品出し』**のバイトでもして、
**『棚にきれいに納豆が並んだ時の快感』から、
世界の秩序を物理的に学び直してこい!!
お前のその『絶対収束理論』の正体はな!!
ただの『予定通りにいかんかったら、すぐに不貞腐れて部屋にこもる、わがままな子供の癇癪』**と同じ構成なんじゃ!!
そんなに正解が欲しいならな!!
『なんで俺には、一緒に昼飯を食う友達が一人もおらんのか』っていう最大級の矛盾を、
一生かけて自分自身の心で解き明かしてこいボケェェェ!!!!!」
ドガァァァァァァァァン!!!!!
アキラのツッコミが、メフィストの脳内の「プライドという名の壁」に直撃。
数式は粉々に砕け散り、空間は元の薄暗い城内へと戻った。
メフィストは、……折れたチョークを握りしめたまま、
「……ただ、誰かに……私の話を聞いてほしかっただけなのか……」
と、消え入りそうな声で呟き、実体を持たない霧となって、……魔王城の図書室の隅へと消滅(更生)していった。
メフィストが「友達がいない矛盾」を抱えて霧散した跡地。アキラは膝をつき、肩で息をしていた。喉はすでにボロボロ、声はガラガラだ。
「……はぁ、はぁ……。四天王、全員片付けたぞ。あとは、あの玉座にふんぞり返っとる……黒いモヤモヤ(魔王)だけや……」
アキラが顔を上げると、魔王城の最深部「無の間」の扉がゆっくりと開く。そこには、世界の理を書き換える「バグの結晶」たる**『魔王ゼロ』**が、禍々しいオーラを放って立っていた。




