表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『鳴かず飛ばずのピン芸人、異世界で「なんでやねん!」と言ったら魔王軍が半壊した件 ~切れ味鋭いツッコミは、もはや因果律崩壊の即死魔法でした~』  作者: セルライト
四天王対決編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/32

第26話:重力1500gの絶望! 土下座に込めた「下請けの魂」

「プレスの重蔵」を攻略し、断罪の重力回廊を抜けた先に待っていたのは、空を黒く塗りつぶすような漆黒の巨塔「重圧閣じゅうあつかく」。

そこは四天王の一人、重厚のグラビトンが統べる絶対領域である。

塔の内部、玉座の間へ繋がる大階段に足を踏み入れた瞬間、アキラの全身に「惑星ひとつ分」を背負わされたような衝撃が走った。


「……ッ、ガハッ……! 呼吸が……できへん……!」


ドォォォォォォン!!


アキラの膝が床を割り、そのまま上半身が地面にめり込む。


(……アキラ様! 重力値がさらに上昇、現在は1500gです! 本来の重力の千五百倍……! 血液がすべて足元に溜まって、脳が枯渇してしまいます!!)


ミリティが「抗重力バリア・ウルトラ」を限界まで展開するが、バリア自体が重力に押し潰され、アキラの頭をペシャンコにしようと迫ってくる。


「1500gって何やねん!! 体重70キロの俺が……105トン!?

 もう数字がデカすぎて、ピンとこんわ!!

 エッフェル塔を背負ってスクワットしろってか!!

 グラビトンの野郎、嫌がらせの規模が世界遺産レベルやないか!!」


アキラは地面に顔を押し付けたまま、砂を噛むような思いで声を絞り出す。


玉座の間。重力の嵐が吹き荒れる中心で、彼らはついに「その男」と対峙した。

「プクリン」や「ナルシス」とは比較にならない、圧倒的な魔力。

だが、玉座に座っていたのは、重厚な鎧に身を包んだ戦士……ではなかった。

そこにいたのは、**「異常なまでに分厚い牛乳瓶の底のようなメガネをかけ、猫背でカタカタと魔導端末を叩いている、虚弱そうな中年の男」**だった。


「……あ。……あー。……勇者……きた。……ちょっと待って。今、重力の設定ファイル(config)書き換えてるから……。……あ、またコンパイルエラー出た。……ピコッ」


「……お前が四天王か!! 喋るたびに『ピコッ』ってシステム音が鳴るんかい!!

 おまけに何や、その『納期直前のデスクトップから離れられないIT土方』みたいなビジュアルは!!

 魔王軍の最高幹部やろ!? もっとこう、闇のオーラを纏って高笑いとかせんかい!!

 なんで自分とこの魔力の設定ミスって、キーボード叩きながら小声で焦っとんねん!!」


パキィィィン!!


アキラのツッコミが、重力に逆らってグラビトンの鼻先をカスめる。


「……フン。……無知な……勇者よ。……物理的な暴力は、……古い。……これからは、……重力という名の『サーバー管理』で世界を……支配する……。……あ、またバグった。……1500gが15000gに……」


「死ぬわ!!! 15000gとか、俺がダイヤモンドになってまうわ!!

 お前の管理能力、ゴミ以下やないか!!

 そんなんで魔王様に『世界、任せてください(キリッ)』って言うたんか!!

 無能な管理職のせいで、俺らの命がデバッグ作業に使われとんねん!!」


グラビトンが端末のキーを強打した。

瞬間、アキラたちの周囲の重力が、視覚化されるほどの密度で紫色の稲妻となって凝縮された。

ミリティのバリアが粉々に砕け、ルビィの鎧がミシミシと悲鳴を上げる。


「ぐっ……あぁ……!! アキラ殿、すまぬ……! この『未体験の圧迫感』……。私の変態的な耐性をもってしても……骨が折れる喜びよりも、臓器が縮む恐怖が上回ってしまう……!!」


ルビィすらも地面に這いつくばる。シズクも影の中に潜ることすらできず、薄っぺらくなって地面に張り付いている。

アキラもまた、顔を床に押し付けられ、鼻の穴に床の埃が詰まるほどの重圧を受けていた。


「……フハハ……。……這いつくばれ。……それが、……ワレの……支配……。……あ、負荷で……OSが……フリーズした……」


「フリーズしとる間に、誰がツッコむねん!!

 ……ええい、負けるか!! お前の設定がバグっとるなら、

 俺の『魂のバグ修正』を……地面越しに叩き込んだるわ!!」


アキラは、顔を地面に埋めたまま、両手で床を叩いた。

それは、世界で最も屈辱的で、世界で最も攻撃的な姿勢――『究極の土下座』。


「お前、その姿勢……!! 自分が最強の管理者やと思っとるかもしれんけどな!!

 『自分の設定エラーで世界をフリーズさせとる無能』の末路はな!!

 謝罪会見のカメラの前で、ハゲた頭を下げるだけなんや!!

 お前の今の姿はな、四天王やなくて、

 **『納期を守れなかったあげく、不具合を客のせいにしとる三流の下請け業者』**にしか見えんぞ!!

 

 そんなにキーボード叩きたいならな!!

 魔王軍のデータ入力のバイトからやり直して、

 実家の物置で、お母さんの家計簿でもデジタル化して親孝行せんかいボケェェェ!!!!!」


ドォォォォォォォォン!!!!!

アキラの叫びが、地面を伝わって塔全体を共鳴させた。

その振動は、グラビトンの魔導端末に「物理的な衝撃」として直撃した。


「ギ、ギャァァァ!? ターミナルが……クラッシュした……!!

 ワレの……ワレの、三徹して書いたクソコードが……消える……!!」


「書き直せ!! 全ページ手書きで!! 夏休みの宿題を最終日に始めた小学生みたいにな!!」


アキラのツッコミに呼応し、エルナが「重力で圧縮されてカチカチになったタコ」を全力で投げつけた。

タコは重力の影響で「超音速の砲弾」と化し、グラビトンの分厚いメガネにベチャリと張り付いた。 


「……アキラ様! 重力が反転します!! 今です!!」

ミリティの叫びと共に、塔の重力が「負」の方向へと振り切れた。

グラビトンは、自分の端末ごと天井に向かって猛烈な勢いで吸い上げられていく。


「お前、その『ピコッ』っていう鳴き声!!

 実はただの『パソコンの古いビープ音』やったんやろ!!

 お前の本体は、その虚弱な体じゃなくて、

 中二病全開で給料つぎ込んだ**『無駄に光る高級ゲーミングPC』**やないか!!

 コンセント抜いて、お母さんに『電気代高すぎるから捨てたわよ!』って怒られてこいボケェェェ!!!!!」


ズガガガガッ!! パリン!!


アキラのトドメの一撃で、グラビトンの魔導端末が爆散。

城を支えていた重力魔法が完全に消失し、四天王グラビトンは


「あー、バックアップ取ってねぇ……」


という悲痛な遺言と共に、光の粒子となって消滅した。


重力の呪縛から解き放たれ、塔がゆっくりと崩壊していく中、アキラたちは荒野に立っていた。

アキラの喉は、今度こそ完全に「沈黙サイレンス」を守っていた。


(……アキラ様、一言も喋っちゃダメです。喉が『オーバーヒートしたCPU』みたいになってますから)


ミリティが、アキラの口をガムテープ(魔法製)で封印する。


(……アキラ様。……四天王、倒した。……次は、もっと強い。

 ……重力から解放されたアキラ様の体、ふわふわして飛んでいきそう。

 ……私が、重石おもしになってあげる。……この婚姻届を重りにすれば、……一生地面に縛り付けられる。……完璧)


シズクがアキラの腰に「超重量級の愛」で抱きつく。 


「……ムグッ……!!(重いねん!! 物理的にじゃなくて気持ちが!!)」


アキラの心のツッコミが、夜空に響くことはなかったが。

不条理な世界を笑いに変える勇者の旅は、次の「激アツな領域」へと向かっていく。

【勇者:アキラ】

• 称号: 1.5トンの重圧を跳ね除けた下請けの星

• 喉の耐久度: 測定不能(要冷却)

• 1500gの重力下で咆哮した結果、声帯が超高密度化。ささやき声でも小石を砕く破壊力を持つ。

• 特殊スキル:

• 土下座ツッコミ(New): 最も卑屈な姿勢から放たれる、物理法則を無視した衝撃波。

• 多重並列処理(並): 数百のボケを瞬時に識別し、一括でツッコむ。

【除菌魔導士:ミリティ】

• 称号: 魔王軍の給与明細を握る女

• 魔導ランク: 特級クリーナー

• 装備: 四天王のPCの残骸(解析中)

• 近況: グラビトンのサーバーから抜き出したデータにより、「魔王軍の福利厚生が意外とホワイトであること」に驚愕している。

【重騎士:ルビィ】

• 称号: 原子レベルで密な女(物理)

• 防御力: 計測上限突破(硬度10)

• 状態: 鎧が脱げない

• 重力で圧縮されすぎた結果、鎧と肌が分子レベルで結合。本人は「アキラ殿との距離より密だ……」と悦に入っている。

【隠密:シズク】

• 称号: 高重力対応型ストーカー

• 愛の重さ: 2000g相当

• 近況: どんな重力下でもアキラの背後をキープできる特殊歩行術を習得。婚姻届に「耐圧・耐熱加工」を施した。

【聖女:エルナ】

• 称号: 圧縮タコの母

MPタコパワー: 急上昇中

• 近況: 重力でカチカチになったタコを「投擲武器」として運用することに味を占めた。

■ 固有武器ステータス

【聖剣:真実の弾劾しんじつのだんがい

• 現在のレベル: Lv. 26

• 解説:

アキラのツッコミが四天王本人(およびその強力な配下)に直撃し、相手の「存在の矛盾」を暴くたびにレベルが上昇します。

• Lv. 22~24: 量産型ロボット軍団の「虚無のボケ」を数千回捌いたことで、攻撃速度と処理能力が大幅アップ。

• Lv. 25: 「プレスの重蔵」の漬物石設定を粉砕し、**属性:重力(反転)**を微弱ながら獲得。

• Lv. 26: 四天王グラビトンの「管理者(笑)設定」を完膚なきまでに論破したことで覚醒。

【Lv. 26 新解禁エフェクト】

「概念デフラグ」

ツッコんだ相手の設定が「バグ」であればあるほど、その矛盾をエネルギーに変換し、相手の精神を強制的にシャットダウン(気絶)させる確率が上昇しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ