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シュカの前回任務報告書②(第一部あらすじ)

 その後の展開もとんでもなかった。


 まず、巣穴の中に隠し扉があって、その扉の先は広大な古代遺跡だったんだぜ。

 しかもその最奥には妖魔がウヨウヨといやがった。


 その数——なんと、約五百。


 信じられるか?

 三十だって結構な規模だってのに、五百だぜ?


 しかもオーガーやトロールまでうじゃうじゃいやがる。

 ゴブリンシャーマンもいるし、やっぱりゴブリンロードもいやがった。


 極めつけは、妖魔の分際で魔族召喚の儀式みてえなものまでやってやがったんだ。

 村娘を攫ったのも、恐らくはその儀式のためだったんだろうな。


 俺ら六人に対して相手は五百。しかも上位種、大型種多数。オマケに最上位種までいやがる。

 勝ち目なんてあるわけねえんだが、何せ今まさに儀式が始まろうとしてたからな。

 攫われた村娘が殺されそうだったんだ。

 俺達に他の選択肢なんてなかった。


 ——つまり、突っ込んだんだ。妖魔どもの群れにな。


 まあ、直前に味方からの連絡があったもんで、一縷の希望はあったっちゃあ、あったんだけどな。

 それでも五百の妖魔相手に、二人の人質を守りながら六人で立ち回るっつうのは、土台無理な話だ。


 少なくとも、俺達レベルではな。


 最初は勢いでなんとか誤魔化せてたものの、やっぱりジリ貧で、俺たちの魔力もどんどん消費していく。

 ロンドもグレッグもジェイクも負傷し、俺達の魔力も底をついて、あん時はさすがにいよいよ年貢の納め時かと思ったね。


 だが、あわや絶体絶命というところで、最強の助っ人が来たんだ。


 五番隊の隊員と、その隊長——【蒼天の戦女】カレン。

 そして一番隊隊長【黄昏の魔女】ルシア。


 たった六人の〈星芒騎士〉......つーか、ぶっちゃけ二人の隊長だけで形成が一気に逆転しちまった。


 けど向こうも必死だからな。

 村娘を奪い返されてなお、無理矢理妖魔(グリム)の身体に悪魔(グリモア)を受肉させやがった。

 しかも人間が召喚できる最上位の魔族。三大悪魔の一柱、【怨嗟の悪魔】だぜ?

 んでもってその隙に、親玉のゴブリンロードはとんずらだ。


 とっさにルシア隊長は一人で悪魔を迎え撃つことを選び、俺達にロードの追跡と討伐を命じた訳だ。

 ……ちなみに、地味にもう一つとんでもねえのは、残った三百以上の妖魔をほとんどカレン隊長が引き受けたってことだぜ。

 こいつは後で聞いた話だけどな。


 とにかく、俺達は無我夢中でロードたちを追った。

 追って追って追い詰めて、最後は奴らも諦めたんだ。

 古代遺跡の大きな部屋の一つで、俺達は最終決戦に臨んだ。


 正直、ギリギリだった。

 要はアリスも俺も、ロードってのを舐めてたんだ。


 それでもなんとかぶっ倒したんだぜ?

 アリスのやつが、敵の親玉にちゃんと止めを刺した。


 ——だが、その瞬間、奇妙なことが起ったんだ。


 まず、ゴブリンが喋りやがった。人間の言葉をだぜ?

 それだけでもびっくりだが、それとは別に、アリスにぶっ殺されるのと同時に小鬼の親玉の身体からどす黒いオーラが天井に向かって吹き出したんだ。


 とにかく、ぞっとするような嫌なオーラだった。

 今でも、アレが何なのか、俺達には全く分かってねえ。

 けどアレはヤバい。アレはとんでもなく良くねえ()()だ。


 お陰でせっかくボスをぶっ倒したってのに、俺達はモヤモヤしたままだ。


 だが、一応、一旦は全て片付いた。

 俺達がロードをぶっ倒した頃には、ルシア隊長はとっくに【怨嗟の悪魔】を始末してたし、半分以上残ってたはずの妖魔どもも、カレン隊長がほとんど殲滅しちまったらしい。

 後から合流した増援は、せいぜいちょびっと援護したくらいだったって話だ。


 ふたりとも、マジでバケモノだよな。

 ……あ、もちろん、今のはふたりには内緒だぜ?


 ちなみに、今回の黒幕はカペラのナンバー2、エクレウスだったらしい。

 あの野郎がゴブリンどもの大群を遺跡に匿ったり、わけわかんねえ儀式をさせようとしたり、こっちの救援要請の妨害までしてやがった。


 奴が〈漆黒の牙〉の首領だったっていうから、尚更ふざけた話だろ?

 しかもあの野郎、カペラ兵団長のダリエルも殺してやがった。

 人の良いオッサンだったんだけどな......


 エクレウスの目的がこれまたふざけてやがった。

 ゴブリンの親玉に高位魔族の魂を喰わせて、妖魔の王にしようって魂胆だったらしい。


 その上で、妖魔を禁呪で縛って従わせようってな。

 しかもそいつを使って、この国から『星の民』以外の民族を皆殺しにしようとしてたって話だ。


 マジでイカレてやがんだろ?完全に狂気の沙汰だよ。


 このふざけた計画はルシア隊長達と俺達が完膚なきまでにぶっ壊したし、エクレウスのクソ野郎もめでたく牢にぶち込まれたわけだが、それでもぞっとする話だろ?


 要はコイツも『星の民』至上主義者だったって訳だ。

 もちろん、ちょっと嫌味な先輩たちとはレベルが違うぜ。

 コイツはマジの犯罪者で、人殺しのテロリストだ。

 コイツに比べりゃ、先輩たちなんて可愛いもんだ。


 とにかくだ。

 そういう訳で、当初の想定とはかけ離れたとんでもねえ貧乏くじだったが、とりあえず妖魔の大群は殲滅したし、狂人のイカレた計画も阻止された。


 んでもって、討伐隊の暫定隊長だったアリスはその功績が認められて、めでたく七番隊長に任命されたって訳だ。


 まあ、喋るゴブリンとか、あの不気味などす黒いオーラの柱とか……手放しに喜べねえところもあるんだが......

 

 とりあえずここまでが前回の任務の概要だ。


 みんな、だいたい分かってくれたか?


 ……てか、気づいたら大分長くなっちまったな。

 これでもだいぶ端折ったつもりだったんだが。


 もっと詳しい話を知りたきゃ、やっぱり第一部を読んでくれるとマジで助かる。


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