二時間目:『種族』の話
セラフィナ先生の『星アリ』講座、二時間目です!
(ちょっと誤字や表現を修正しました)
はーい、みんな!セラフィナ先生だよー。休憩できたかなー?
さっそく二時間目、はっじまっるよー!
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①『教会』
二時間目は、『種族』の話をしたいんだけど、その前にほんのちょっとだけ。
私たちの世界には、七柱の神様がいるんだ。
詳しい話はおいおい物語の本編で出てくるんじゃないかと思うから、今は端折るけどね。
その神様たちの教えを説くのが『教会』。
『聖石』の原石を特殊な秘術で清めて人々を魔物の脅威から守ってくれる組織でもあるよ。
『教会』は大陸中の国々にあるんだけど、基本的にはどこもおんなじ教義を説いているって聞いてる。
その総本山は、大陸の東側にある『神聖王国』の中にある『神都』。
私たちの神様たちは結構おおらかでね。
神官さまたちは別として、基本的に私たち一般人に対しては特に戒律も厳しくないんだ。
けど唯一、『魔物』なんかについて『教会』以外の人たちが詳しく研究したりするのは制限をしてるみたい。
なんでも、研究で『瘴気』に触れ過ぎるのは人体や精神に異常をきたすんだとか。
そんな理由だった気がする。
......じゃあ、日々魔物と戦うのが任務の私たちはどうなのよ?って気もするけどねー。
まあ、そんなこともあって、これから話す内容——特に『闇に魅入られし子ら』については、主に『教会』で教えられていることだと思って聞いてね。
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②『光に祝福されし子ら』
じゃ、前置きも終わったところで、いよいよこの大陸にいる、私たち人間に近い『種族』について説明するよ。
ちなみに私たち『人間』も含めて、こういう人たちのことを『光に祝福されし子ら』って呼ぶんだ。
遥か昔から、この大陸には『人間に似てるけど人間じゃない種族』がたくさんいるの。
ほんとにたっくさんいるんだけど、ざっくり言うと、『小人』と『巨人』と『獣人』、それから『妖精』の四つ。
さらに、獣人の中には『亜獣人』と言うのがいて、妖精の中にもやっぱり『亜妖精』っていうのがいるんだよ。
と言っても、私たち人間の街で見かけるのはほとんどが『小人』か『亜獣人』なんだけどね。
『小人』の中では特に『ブラウニー』や『ドワーフ』が多いけど、王都なんかでは、ときどき小人と妖精の中間的な種族、『レプラコーン』も見かけるよ。
ブラウニーは綺麗好きでお人好しな小人さん。
ドワーフはちょっと頑固だったり偏屈だったりな人もいるみたいだけどとってもタフで打たれ強い人たち。おヒゲがトレードマークだよね。
どっちの種族も大地の精霊の加護を持っていて、小さいのにすっごい力持ちで、しかも強い魔法耐性を持っているんだ。
それに手先も器用なことで有名だね。
どっちかっていうと、ブラウニーは工芸とか手芸とか料理とか裁縫とかが得意で、ドワーフは宝飾細工とか武具制作とか機械いじりとかが得意みたい。
小人の中で唯一、レプラコーンだけは『大地』じゃなくて『風』の精霊の加護を持っていて、とにかく敏捷な種族なんだよ。
風らしく自由気ままで気まぐれな性格の人が多くて、あまり一か所にとどまらないでいろんな街を転々とする人が多いんだって。
それから『亜獣人』と『獣人』。
いや、亜獣人と獣人って何?どう違うの?って感じだよね。
でも、まず見た目が全然違うんだ。
亜獣人は一見すると人間そっくりなんだけど耳とか尻尾とか、身体の一部だけが動物のそれを持った種族。
平均的な人間より身体能力が優れていることを除けば、私たちとほとんど変わらないかな。耳と尻尾がめっちゃ可愛いけどね。
王都ではブラウニーやドワーフの次によく見かける種族だね。
いろんな種類がいるけど私の主観では、特に王都でよく見るのは猫とか犬とか兎とかの亜獣人かな。
一方で、獣人はどっちかっていうと、体形が人間っぽくなった直立二足歩行の獣ってカンジの見た目。亜獣人以上の身体能力を持ってるって話。
でも、別に全然怖くはないよ。
むしろ、私たち人間よりよっぽど頭も良くって優しい人が多い気がする……まあ、私も獣人と会ったことはそんなに多くないんだけどね。
亜獣人に比べると、人間の街で生活している人たちは極端に少ないんだ。
亜獣人と違って、人間との間に子どもができることもないしね。
それから、獣人以上にもっとレアなのが、『巨人』と『妖精』。
てか、巨人はナディアだけじゃなくて、大陸中のどの国でも、もう何年も前から人里に下りてくることはないって話。
だから、今回は省略するね。
で、『妖精』なんだけど。
これもまたちょっと複雑なんだ。
『妖精』の中にも純粋な妖精の他に、妖精と人間の中間的な種族もいて、そう言う人たちはやっぱり『亜妖精』って言われてるの。
まあ、人間が勝手にそう呼んでるだけって説もあるけどね。
『教会』とか学者たちによれば、『妖精』と『亜妖精』の線引きは主に魔力の量と寿命なんだって。
比較的人間に近い『亜妖精』には人魚やセイレーンなんかがいる。
ちなみに魔力は少なめなはずなんだけど、アマゾネスも『亜妖精』に分類されることもあるみたい。
共通してるのは、みんな女性しかいないってとこかな。
(アマゾネスは別として)この人たちも人間や小人族に比べれば凄い魔力なんだけど、それでも純粋な『妖精』には劣るみたい。
まあ、私は会ったことないから、実際どのくらいなのかわかんないけどね。
それから『亜妖精』は、寿命とか成長速度とかは人間と同じくらいらしいよ。
最後に、じゃあ純粋な『妖精』ってのはどうかっていうと、ふつうは『エルフ』や『フェアリー』、『ピクシー』なんかのことを指すんだ。
亜妖精を超える魔力の持ち主で、しかも人間の何倍もの寿命を持つ種族。
それから、みんな超絶美人なの。
——え?会ったことあるのかって?
エルフならあるよ。
最近は王都でも全く見なくなったけど、内戦前はたまーに見かけたもん。
まあ、十年前のことだし、私も幼かったから、記憶もおぼろげだけど……
——え?じゃあなんでみんな美人って分かるのかって?
そりゃあ、ね。私の耳を見てよ。
ちょっと尖ってるでしょ?
何を隠そう、私はエルフの血を引いてるんだよ!凄いでしょ!?……まあ、お兄ちゃんもだけど。
私たちのひいおじいちゃんが、エルフなんだって。
一度も会ったことはないんだけどね。
だから私たちはエルフの血が八分の一入ってるんだ。
ここまで言えば分かるでしょ?
だからもう、私が天才魔導士にして超絶美少女なのは、生まれる前から約束されたわけ。……まあ、お兄ちゃんは顔だけのポンコツだけど。
……あ、待って。そんな冷たい目しないで。教室出ようとしないで。
まだ二時間目は終わりじゃないから。
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③『闇に魅入られし子ら』
最後に、『闇に魅入られし子ら』についても、一応ちょっとだけ話しておくね。
これは『種族』とは違うんだけどさ。
私たちとは完全に別物だし。
ていうか、『魔物』の一種だし。
ただ、『教会』では私たち『光に祝福されし子ら』と相対するものとして教えられるんだ。
一般には『妖魔』って呼ばれることのほうが多いけどね。
大昔、もともとは人間と妖精以外の『光に祝福されし子ら』が『瘴気』の影響で歪んで異形と化した姿なんだって。
まあ、この話は第一部であほジェイクに説明しているから詳しくは割愛するね。
とりあえず、『教会』では『闇に魅入られし子ら』っていうのは大昔大罪を犯したとか、邪な考えを抱いたとか、とにかく悪い『光に祝福されし子ら』が闇の誘惑に負けて堕落した成れの果て……って教えられてる。
同時に人間や妖精族から闇に堕ちた者はいないんだって話もね。
何でも、人間と妖精はとりわけ神さまの寵愛が強いから、なんだとか。
どっちにしろ闇に堕ちる過程で、神さまだけじゃなく精霊の加護も失われるらしくって、だから『教会』は「妖魔は邪悪ではあるけど、人類を脅かすほどの脅威にはならない」って言うんだよね。つまり雑魚ってことね。
私も……てか私たちみんな、今までそれに疑問なんてなかったんだけどさ……
なーんかこの前のゴブリン退治の時から、引っ掛かるものはあるんだよね。
てか、人間の言葉を喋るゴブリンがいるなんて、そんな話、『教会』から一度も教えられたことなかったしさ……
これって、この先もなんかありそう……な気がしちゃうよね?
みんなはどう思うかな?
......なーんて、先生っぽく問題提起なんかしてみたところで、二時間目は終わりにしようかな。
みんな、寝ないで授業を受けてくれて、ありがとねー!
ここでまた、休憩にしまーす。
あ。休憩終わったら、ちゃんと戻ってきてよね。
三時間目は、私たちの国、『ナディア』について話すよ。
お楽しみにね!




