43.束の間の休息2
「ねえ、ロンドから見て、アリス君たちの強さってどのくらい?」
ガッドの治療がまだ終わらないので、自身も体を休めながらビスタがロンドに尋ねた。
「ああ?んー、そうだな……」
ロンドは長剣の刃についた血糊をふき取りながら、アリス達に視線を向けた。
「まず、グレッグはビスタのだいたい二人分くらいだろ。それでジェイクがグレッグと互角、フィナちゃんがグレッグの二人分ってところだな。さらにアリスとシュカは……多分グレッグ三人分くらい……かな」
「何それ、あたしとグレッグ基準なの」
「その方がお前にもわかりやすいだろ」
「んーまあ、確かに……じゃあ、アリス君とシュカ君は私の、えーと」
ビスタは顎に手をやって考える仕草をした。
「五人分!?」
「六人分な」
ロンドはあきれ顔で苦笑してから、
「まあ、そんな単純な数字の話じゃないけどな、実戦は」
長剣の刃が鋼の輝きを取り戻したのを確認しながら付け加える。
「ちなみに俺たち冒険者の物差しで言うと、ジェイクが青銅等級、フィナちゃんが白銀等級、アリスとシュカが黄金等級……ってところかな」
「初めからそう言ってくれた方が分かりやすかったんですけど」
ビスタが少し拗ねたように口を尖らせた。
「そうか?まあ、同じ等級でも幅があるから、『ビスタ換算』の方が分かりやすいと思ったんだけどな」
そう言ってロンドは笑ってから、「それにしても……」と続ける。
「〈星芒騎士〉が化け物じみているのは知ってたつもりだけど、予想以上だったな」
「ちなみにあんたとガッドはどのくらいなの?」
「ん?まあ、ガッドと俺はビスタの一・二人分ってところかな」
「……随分刻むのね」
ビスタがちょっと呆れた顔をした、ちょうどその時。
「みんな、ちょっと良いですか?」
各々体を休めていたところに、ガッドの治療を終えたアリスが声を掛けた。
「……ああ。この後のことを決めないとな。ゆっくりはしてられない」
ビスタとロンドの近くで休んでいたグレッグが立ち上がる。
それ続くように、一同がアリスとガッドの周りに集合した。
シュカが治癒の魔法を唱え終えたアリスに、「飲んどけ」と言って最後の魔力回復薬を投げて寄越す。
「ありがとう」と短く礼を言って受け取ると、小さなガラスの小瓶に入った紫色の液体を飲み干してから、アリスは一同に向かって口を開いた。
「——手短に、この先の話をします」
一同が頷いた。




