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人面花

作者: うずらの卵。

私はアマゾンの奥深くに生息している人面花。

そうなの、花なのに目と口と歯が有るの。

歯は歯並びが良くて白くてとても自慢なのよ。

食事は主に虫が多いかな。

そして、性格は好奇心旺盛なの。

だから、今度日本に遊びに行こうと思って。

えっ、どうやって行くのかですって?

勿論風に乗ってひとっ飛びよ。

そして数日後、遂に日本に行く日が来たのよ。

目には付け睫して、口には口紅も塗ってバッチリよ。

さぁ、出発よー、そして何ヵ月もかけて、

雨で水分補給しながらやっと日本に到着。

何か疲れちゃった。

あら、あそこに私のお仲間が沢山いるのね。

少し休ませて貰おうかしら。

私が花壇に近付くと、何故か花達がザワザワして逃げ腰になっていたの。

日本のお花さん初めましてと挨拶すると、

お花達は何故か震えていたの。

私が魅力的過ぎて武者震いかしら?と思ったら、日本のお花って顔が無いのね。

そして、私は構わずに花と花の隙間に強引に割り込んだの。

疲れが出たのか、いつの間にか睡魔に襲われ、口を開けたまま高いびき。

他の花は迷惑そうだったけど、お構い無しでグーグーと気持ち良く寝ていたの、そうしたら声が聞こえて来たのよ。

「この花顔が有るぞー」「何だか怖い口だなー」「口の中に石を入れて見るか」

そうなのです。悪がき達が私を見て話していたのです。

そして、寝ていた私の口に石を入れて来たのです。

私はビックリして目を覚ましたの。「あがーぎゃー」私の自慢の歯が折れたー。

私の悲鳴を聞いて、悪がき達は一目散に逃げて行ったわ。

私は泣きながら風に乗ってアマゾンに帰ったのよ。化粧はボロボロ、歯もボロボロになりもう二度と日本何て行かないと心に誓いながら。

でもね、その年のクリスマス、空の上からその様子を見ていたサンタクロースのおじ様が、私にプレゼントをくれたのよ。プレゼントの中身は秘密。

そして数ヶ月後、どこかの家のテレビから、何とアマゾンの奥地で入れ歯をはめた人面花が目撃されました。というニュースが聞こえて来たとか。


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