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パニック関連

逃げる事が出来ないならひと思いに暴れて思い通りに生きていく

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/25

(どうしよう)

 うんざりした日々が続いている。

 親がなぜか入信した宗教。

 その修行施設に強引に連れ込まれてしまった。

 おかげで地獄のような苦痛を味わうことになった。



 意味の分からないお祈りの言葉。

 宗教が崇めてるという神様の拝み方。

 宗教の経典にあるというありがたいという教え。

 これらを延々と聞かされ、やらされ続ける。

 たまったものではなかった。



 大変ということはなかった。

 お祈りも拝み方もやり方は簡単。

 教えとやらも、それほど難しくは無い。

 単純で分かりやすい。

 だから簡単におぼえることが出来る。

 だからこそ危険だった。

 簡単におぼえて身につけてしまうから。



 これを何度も繰り返して心身に染み渡らせる。

 そうして下地を作っていくのだろう。

 宗教というものに。



 ネットで調べた洗脳とか拷問とかのやり方にそっくりだった。

 その時はたまたま興味があったから調べていたが。

 まさか自分がやらされる羽目になるとは思わなかった。



「しっかりやれ」

「頑張るのよ」

 両親からは何度もそう告げられる。

 御免被りたいところだ。

 すぐにでも帰りたい。

 だが、そうもいかなくなっていた。



「家はもう宗教団体に捧げたから」

「今日からここで生活することになるの」

 ふざけるなと言いたかった。

「学校も退学届を出してあるからな」

「それよりも、この宗教の教えをしっかり学びなさい」

 最悪だった。



 逃げ場がなくなったことが明らかになり、絶望感が強くなった。

 それでも、どうにかしてここから逃げだしたかった。

 宗教になんぞ興味はないし、教えがありがたいとも思わない。

 そもそも、家や財産を寄進させる宗教なんぞがまともとは思えない。



(どうにかならないかな)

 外出は宗教の洗脳が進んだと判断されないと出来ない。

 そうだと思わせるまで何年かかるやら。



 また、教育が進んでないと判断されると、より厳しい修行が始まるという。

 どんな拷問がなされるのか、怖くて考えたくもない。

(となれば…………)

 八方塞がりに見える状況。

 何をやれば良いのか、どうすれば効果的なのか。

 それを考えていく。



 正直に言えば、やれる事はない。

 少なくとも、教団の中で一人で頑張っても高がしれている。

 脱出は絶望的と言えた。

 かといってこのまま洗脳を続けられたら、いずれ人間として終わる。

(じゃあ、しょうがない)

 何をしても駄目というなら、最後の手段しか残ってない。

 それを実行するために、覚悟を決める。

 必要なものを出来るだけ手に入れていく。



 そうして一年後。

 万全とはいえない準備ではあったが、行動を開始する。

 手にした武器になりそうなもの。

 それを使って暴れていく。



 周りにいる者達を傷つけていく。

 それが出来るなら殺していく。



 どうせ助からない。

 外に出られない。

 だったら、暴れて暴れて暴れつくす。

 おそらく宗教団体はこういった事も想定して対処してくるだろう。

 ならばそれはそれでかまわない。

 せめて少しでも道連れを作って地獄に行こうと思った。



 殴る、蹴る。

 手にした道具で傷つけていく。

 武器や防具などほとんどないが、それでも手にしたもので周りの者達を痛め付けていく。

 どうせこの宗教団体の信者だ。

 どうなろうと知った事ではない。

 むしろ、少しでも信者を減らすために頑張ろうと思った。



 信者がいるから宗教団体は成立する。

 存続する。

 活動を続ける。

 別に宗教団体に限った事ではない。

 ありとあらゆる団体がそうなのだ。

 だったら、所属してる構成員を少しでも減らす。

 減った分だけ、活動範囲が狭まる。



 団体に少しでも傷を付ける。

 活動を停滞させる。

 そうするには、こうするしかなかった。

 どのみち助からない、外に出る事は出来ない。

 なら、開き直って中で暴れるしかない。



 そうして暴れていると、体格の良い信者がやってきた。

 警備員なのだろう、強面の荒事担当なのが伝わってくる。

 やはり、こういった事態に備えて色々と用意してるようだった。



 取り押さえられないよう気をつけながら体を動かしていく。

 手にしているスタンガンに当たらないように攻撃を避けていく。

 それでいて、こちらの攻撃が当たるようにしていく。

 その甲斐あってか、スタンガンを奪って相手に攻撃する事も出来た。

 更に、事前に用意していた狂気で相手を傷つけていく。

 傷はそう深いものではないが、それでもかまわなかった。

 それでも、運良く急所に当てる事も出来た。



 そうして暴れ続けて移動をし続ける。

 様々なところで出来るだけ暴れる。



 集会場では机を振り回した。

 周りの者達に怪我を負わせた。



 厨房で包丁を手に入れた。

 切りつけ、突き刺し、致命傷を負わせた。



 庭に出て、門も見えた。

 そこから外に出られる。

 だが、あえて無視して建物の中へと向かう。

 無理して逃げても、追いつかれる。

 暴れ回って力も出ない。

 こんな状態で逃げても、ろくな結果にはならない。



 それよりも、もっと多くの者達に痛手と傷を負わせる事にした。

 こんな教団を構成してる連中である。

 自分をこんな所に幽閉してる手助けをしてるようなものだ。

 そんな連中に少しでもやり返したかった。



 その後、出来る限り暴れに暴れ。

 何人もの死傷者を生み出し。

 その果てに殺されていった。



「ざまあみろ……」

 薄れゆく意識の中で、それでも笑っていく。

 暴れる中で遭遇した二人。

 父親と母親にトドメをさす事が出来た。

 こんな所につれてきた張本人だ。

 そいつらに復讐が出来た事で充分に満足出来た。

 ここで死ぬのは不本意ではあるが。

 それでも仕方ないと納得する事は出来た。



 数人の死者と、多数の重軽傷者を出した事件。

 しかしそれは、教団施設の中でのこと。

 外に漏れる事無く隠される事となった。

 怪我人は施設内の治療部署で手当がされる。

 死亡者も専属の医師による死亡診断書をつけられて、当たり障りのない理由で処理される。

 場合によっては、死亡届を数年、あるいは十年以上も遅らせて届ける事にする。

 可能な限り自然死であるように見せかけるために。



 そうして何事もなかったかのように宗教団体は存続していく。

 外に漏れなければ、どんな事件も無かった事になる。



 だが、事件の影響は確かにあった。

 大惨事になった事件は、巻き込まれた者やそれを知るもの達に影響を与えた。

 それで目が覚めるものはいなかったが、薄々おかしいと感じていた者には効果があった。

 そういった者達に何をどうすれば良いのかを教える事になった。



 それから宗教団体は内部で問題を多発させていく。

 不定期に発声する騒動により、多くの信者が傷つき死んでいく。

 これにより宗教団体は次第に疲弊していく事になった。

 信者が減っていく事で、活動が停滞していく。

 時間はかかるが、少しずつ少しずつ宗教団体は縮小していった。

 やがて消滅するその時まで、この傾向は続いた。

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