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13.初めて見るルカの顔

◇◇◇


アリスが去りルカと二人で王宮地下にある祈りの間へ向かっている頃

同じ王宮内でアルフレッドが憤慨していた



「何故だ!?どうしてこうなった!?」


現国王がワイバーンの大群の原因は

アルフレッドがミナを追放したからだとして叱り

王位継承権も取り上げたのだった


(クソ!なんだっていうんだ。

 祈りの仕事もできない闇属性の女なはずだ

 そんなやつが王宮にいて良いはずがないんだ!

 リーゼロッテに確認しなくてわ)


アルフレッドがリーゼロッテがいる部屋の前までいくと

見張りの兵が倒れているのを見つけ

アルフレッドはあわてて部屋の中に入る


「リーゼロッテ!大丈夫か?何があった!?」


そこには

純潔を謳っていたはずのリーゼロッテが

見目の良い若い獣人の奴隷と閨を共にした残骸が広がっていた


「……なんなのだこれは」


寝ているリーゼロッテを叩き起こすアルフレッド


「あれ?私ったら途中で寝ちゃったわ」


などと間抜けなことを抜かすリーゼロッテに

ほとほと落胆したアルフレッドは

リーゼロッテの頬をはたく


「汚らわしいぞ!この売女め!」


頬の痛み以外事態が呑み込めないリーゼロッテ


「アルフレッド王子?どうしてここに?

 って嫌だわ、これはちがうんですわよ!」


今更慌てふためくリーゼロッテを軽蔑したところで

アルフレッドにとっては後の祭りであった


◇◇◇





その頃ルカとミナの二人は祈りの間の前までたどり着いていた


「ここか」

「そうよ、ここからは男子禁制なの」

「わかった外を見張っておく」

「ありがとう」



いざ祈りの間の扉を開こうとするミナの手を取るルカ



「なに?」

「……」


ルカはミナの手をとったままただ黙っている

ミナはルカに見つめられてる時間が一瞬にも永遠にも感じられていた


ルカの澄んだ碧眼に吸い込まれるように

少しずつ、本当に少しずつだが、

でも確実にルカに顔を近づけていくミナ


それにこたえるようにルカの顔もミナのターコイズブルーの瞳に

ゆっくりゆっくりと吸い寄せられる


そのとき


「ガーン!!!!!!」


叩き割るような大きな衝撃音があたりを包んだ


「ワイバーンたちが結界を攻撃し始めたな」

「ルカは行って、ドラゴンが来るかもしれないのでしょ」

「ああ」


去っていくルカの背中を見ながらミナは思う

(ルカには大変なことに付き合わせてしまっているわ

 今はまず彼の背中に私の気持ちを託して、

 それであとでいっぱいお礼がしたいわ)


「ルカ!」


ミナは振り返ったルカの真っ直ぐな碧眼を強く見つめて


「いえ……ルカ様、この王都の民を、どうかよろしくお願いします」


と貴族式のお辞儀カーテシーで彼に精一杯の思いを届けようとした


「……民よりお前が心配だ」

「私?私なら大丈夫よ!あとから師匠もきてくれるだろうし……」


(ちがう、それが言いたい言葉じゃない!)


「……ううん、嬉しいわ」

「嬉しい?」

「あなたが私を思ってくれてることが嬉しくて頑張れるわ」

「そうか」


とルカは優しく笑った。


初めて見るルカの笑顔に愛おしいの意味を知ったミナは

ルカの背中が見えなくなるまで見届けて祈りの間へと入っていった


ここまで読んで頂いてありがとうございます


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