始まりの行為
ルカはいつも浮いているが、今は僕の前に座らせた。
「ルカに大事な話があるんだ」
「何でしょうか…空様??」
ルカはとても不思議そうな顔をしていた。
「僕は、ルカのことが好きだよ!!」
「はい、私も空様のこと好きですよ!!」
ルカはいつもの笑顔で言ってきた。
でも、ルカは僕が言った好きは、家族や友達に言う好きだと思っている。
だから、ちゃんと言わなきゃいけないと思った。
「ルカのこと、家族とか友達とかの好きじゃなくて。女の子として好きなんだ。
ルカと手を繋いでデートとかご飯食べに行ったりとか、そして……キスとかもしたいと思ったんだ……」
ルカは黙っていた。
黙っていたけど、怒ってたり悲しんでる感じではなかった。
ただ困っている感じだった。
「空様、私は一緒に手を繋いだりご飯を食べたりすることはできません……それでも私が好きなんですか……??」
「そんなこと知ってるよ。ずっとそうだったからね!!でも、それでもルカのことが好きなんだ!!この前ね、照史に目を閉じたときに誰がすぐ頭に思い浮かぶって聞かれた時分かったんだ。
だって、すぐに思い浮かんだのはルカだったんだ!!それで、僕はルカが好きなんだと自覚したんだよ!!!!別にルカに触らなくたって好きなものは好きなんだよ!!!!
だから、キスとかもできなくていい!!
ルカって存在が好きなんだよ!!!!!」
キスをしたくない訳ではないが、キスより何よりルカのことが好きだった。
「空様、ありがとうございます……
空様がまだ3歳だった頃に言ったことを覚えていますか??」
「3歳の時…??何か言ってたっけ??」
「はい、大人になったら触れることができるようになりますと……」
忘れていた。そんなことを言われた気がする。
まさか今ルカに触れることができるじゃないかと思った。
思わず僕はルカの頬に右手を伸ばした。
僕の右手はルカをすり抜けた。
「まだですよ、空様…」
ショックだった。
「空様が16歳になった時に触れることができます。なので、それまでは我慢をさせることになります……それでも良いならずっとお側にいたいです……」
僕の脳は一時停止した。
そして、すぐ動き出した。
16歳って言ったのか。
高校生になったら、ルカに触れることができるのか!!
後、3年ぐらいか。
そんなの待てるし我慢できると思った。
「そんなの待てるに決まってるよ!!
ルカ、好きだよ!!」
「ありがとうございます!!!!良かったです…」
ルカは嬉しそうに言った後、安心した表現を見せた。
僕も嬉しかった。
その後は少しいつもより何か違った雰囲気が部屋の中にあった。
「じゃ、じゃあ、風呂入ってこようかな〜。
もう遅いし…!!」
「そうですね!!私は部屋で待っています!!」
「今日ぐらいは一緒に入ってもいいよ??」
何か変なことを言ってしまった。
ルカは顔を真っ赤にして僕の顔を見た。
「空様の変態……」
「う、う、うそだよ!!じゃあ行ってくるね!!!!」
そう言って僕はお風呂に行った。
湯船に浸かりながら考えていた。
16歳になったらルカに触れることができる。
それを考えただけで僕はドキドキしていた。
そして、想像してしまった。
ルカとキスをするのを。
「あー!!やばい…恥ずかしいかも…」
声が漏れてしまった。
「空様、どうかしましたか…??」
「うんうん、なんでもないよ…
ただ想像しちゃって……」
「そうだったんですね……」
「ごめん……」
ん??あれ?今僕はお風呂にいるよな。
ルカの声が聞こえてくるのはおかしい。
僕は横を見た。
そこには、顔を手で隠しているが指の間から目を出しているルカがいた。
ん?おかしいよな…いるのはおかしいよな。
「えっ!?!?ルカ!?!?!?
なんでいるんだよ!?!?」
「だって、入ろうと誘って頂いたので…」
「だ、だからって……びっくりするだろ!!」
「申し訳ありません…少しだけ興味がありましたので……」
そう言ってルカはその場から出て行った。
その夜は、ぐっすり寝れた。
どこかスッキリしたからだと思う。
それから僕はルカと恋人のような関係で過ごした。
毎日が楽しくて1年2年とすぐ過ぎていった。
月日が流れて、僕は高校生になった。
そして、夜でも蝉がうるさい8月中旬。
僕は15分後、誕生日を迎える。
待ちに待った16歳になる。
僕はずっとソワソワしている。
どこかルカもソワソワしている気がした。
僕は自分の部屋で時計をずっと見ていた。
そして、時計の針が12を指した。
「空様、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう、ルカ!!16歳になったよ」
「はい、大人になりましたね」
僕はルカの頬に右手を伸ばした。
僕の右手は、ルカの頬に触れた。
指先から肌の温度を感じる。温かい。
ルカは僕の手にすりすりしていた。
猫みたいだなと思った。
「やっと触れることができた…」
なんとも言えない気持ちになっていた。
「空様温かいですね…」
「ルカも温かいよ本当に」
そして、右手でルカの両頬を摘んでみた。
ルカの唇が鳥みたいに縦長になった。
僕はクスッと笑った、可愛かったから。
「しょらしゃま、やめてくだしゃい」
ルカは恥ずかしそうに言ってきた。
僕は手を離した。
「もう、空様、ひどっ……あっ」
ルカが照れながら言っている途中で、
僕は抱きしめた。
「ルカ…好きだよ」
「はい…知っています……私も、好きですよ」
ルカは僕に好きと言ってくれることが多くない。
不安になる時があったけど、今ので安心した。
そして、僕はルカから少し離して目を見つめた。
ルカも恥ずかしながら僕を見つめた。
僕を抱き寄せた。
「ん…空様?」
「目を閉じて」
僕がそう言ったら、ルカは目を閉じた。
唇を重ねた。
初めてのキスは、凄く不思議な感じがした。
いちごの味だと聞いていたけど、なにも味はしなかった。
てか、緊張で何も分からなかった。
また見つめ合った。
けど、ルカは照れてすぐに目を逸らした。
僕はルカの頭に手を伸ばした。
そして、頭を撫でる。
「なんですか…空様??」
「可愛いからよしよししてみた」
「もうなんですかそれ!!」
2人でクスクスと笑った。
そして、僕はルカにまたキスをした。
ルカがモジモジしながら言ってきた。
「キス…だけですか……??」
「いいの…??」
「はい…」
ルカは赤面しながら言っていた。
そんなルカを見て僕は興奮をしていた。
けど、僕の中で本当にキス以上のことをやっていいのか葛藤があった。
でも、ルカが誘ってきたし、恥をかかせちゃいけないと思った。
ルカにキスをしながら、胸に手を伸ばした。
胸に触れた瞬間にルカが声を漏らした。
「んっ…」
僕はそのまま優しく胸を揉んだ。
「んっ…ん……はぁあ……ん…」
ルカの声がより僕を興奮させた。
僕はそのままルカをベッドに寝かせた。
ルカを無茶苦茶に襲いたいと思った。
服を脱がせようと思った時に僕は少し躊躇してしまった。
本当にルカは僕としたいのか。
僕だけが舞い上がってるのではないかと考えてしまった。
そんな時ルカが僕の首に手を回して、
顔をルカの方に引き寄せて言ってきた。
「…好きです、空様……
あの…1回しか言いませんからね……
私を無茶苦茶にして……空…」
僕は我慢するのをやめた。理性が無くなった。
僕はまず自分の服を脱いだ。
そして、ルカの服を脱がせた。
綺麗な身体だった。
僕は裸なルカをまじまじと見た。
「そ…そんなに…見ないでください……
恥ずかしいです…よ……」
「綺麗だからつい見惚れてた…。
ルカ……いれるよ」
ルカは手で顔を隠しながら、小さい声で言った。
「きて…空……」
ルカの中に僕のが入っていく感覚が嬉しかった。
はじめてだったからこんな感じでいいのかなと思いながらも頑張って動いてみた。
ルカはずっと僕を抱きしめたり、耳元で空と呼んでたり、好きですと言ってくる。
そのたび僕はどんどん激しくなった。
1回じゃなく何回もやってしまった。
その度、ルカは僕の要望に答えてくれた。
ルカと1つになれて嬉しかった。
とても気持ちよかった。
でも、正直疲れた。
僕はもうぐったりとしてベッドに横になっている。
隣には、ルカが横になっている。
とても可愛いなと思って、またキスをした。
「空様…もう終わりですよ!!」
「知ってるよ、流石に疲れちゃった……」
「私も、もう無理です……」
「ごめんね…でも、ルカも悪いからね!!」
「空様が変態なだけです!!!!」
2人で見つめ合ってクスッと笑った。
そして、おやすみと言いキスをした。
眠りに付く前に、ルカが僕に何か言っていた。
「空様、約束して下さい。必ず生きると。」
何を言っているんだろう。
明日起きた時に聞けばいいか。
もう瞼が重たい。寝よう…
その日、夢を見た。
そこには、5人の天使がいた。