剣と杖の継承者
何で殴られたのか理解出来なかった。
「何すんだよ!!」
「お前、諦めただろ。」
言葉を失った。
「お前、諦めただろ。
こいつを助けること、諦めただろ。」
(どうすることも出来なかった…だって、手も足も出なかった。スピードもパワーも負けていてどうすれば良いか…分からなかった…)
「何黙ってんだよ??何か言えよ。」
「…仕方なかった……」
「は?ならこいつが殺されても良かったのか??自分が死ぬ覚悟で助けろよ。」
「…」
「優斗そこまでにしましょう。」
「ふん、こいつが継承者で平気かよ。」
何も言えなかった。
優斗の言う通りだった。
自分がどうなるかなんて気にせず、
慶次を助けるべきだった。
あの時…僕は諦めた。
慶次が死ぬこと、その後に自分自身が死ぬこと。
強くなると決めたのに。
自分が情け無くなる、全然成長してないと実感する。
慶次が近寄ってきた。
「ごめん、慶次…」
無言で目を見て頷いてくれた。
表情はとても優しかった。
「みんなー大丈夫ーーー!?!?!?」
レーナが泣きながら飛んできた。
そして、僕を見つけてると、殴った。
「空のバカ!?!?バカバカバカ!!!!
心配したんだよ…!!」
レーナは泣きながらずっと僕を殴り続けた。
正直死ぬかと思った。
「レーナ、そいつ死ぬぞ。まあ良いけど。」
「それは酷いよ!!レーナ、死んじゃいますよ??」
「…分かった。止める……。
優斗と快…本当にありがとうね……」
「大したことねーよ。まあ先に神殿戻ってるな。
快、行くぞ!!」
「はーい、では、後ほど。」
優斗と快は神殿の方向に飛んで行った。
「レーナ…ごめん。」
「…もう2度としないで。慶次も平気??」
「うん、大丈夫だよ。」
一応レーナと周りに被害が出てないか確認をしてから、神殿に向かった。
飛んでいる最中、ずっと考えていた。
もっと強くなる必要があることを。
優斗は、ガザンドルバスを容易く倒した。
剣と盾とじゃ根本的に違うかもしれないけど、
あそこまで力の差があって情け無くなった。
もう2度と仲間を慶次を見捨てないし諦めないと決意した。
「どうしたの??怖い顔して??」
「うんうん、何でもないよ。もっと強くなろうな……」
「そうだね。2人で強くなろう!!」
視界がぼやけてきた。
目を擦り、前を向いて飛び続けた。
神殿に着き、いつもの座学の部屋に入った。
そこには、アンが座っていた。
僕の顔を見ると近寄ってきて、殴ってきた。
「空さん、私、お願いをしましたよね……本当に心配したんですよ。」
「ごめんなさい…」
アンの目が少し潤んでいるように見えた。
そこに、あの2人が入ってきた。
「お前、また殴られてんのか??」
「…うるさい」
「ふん、どうでも良いけどな(笑)」
レーナが手を叩いて話し始めた。
「そうだ!!優斗と快、空に慶次、継承者が全員集まったね!!じゃあ、自己紹介していこう!!!!
まずは、優斗が行っちゃおう!!!!」
「何で俺からなんだよ??」
「何か文句あるの!??やる!??」
「いいぜ、レーナ、槍より剣のが強いことを証明してやろうか!???」
「優斗、やめましょうか!!私から始めますね。
私は、沢口 快って言います。
快と呼んで下さい。杖の継承者で、主にヒールですね。あまり戦闘はしませんが基礎的なことは出来ます。
これから宜しくお願いします。」
触れていなかったが、見た目はとても優しそうだった。
少し小さめな体型だけど、とてもしっかりもしてるイメージだった。
「じゃあ、優斗、ちゃんとやって下さいね。」
「うるせぇーな。はぁ。仕方ないか。
俺は、鬼塚 優斗。
剣の継承者で、アタカッターだな。
俺が最強だし、負ける気しないです。」
めっちゃ感じが悪いと思った。
けど、本当に強かった。大地より上な気がする。
それに、鍛えられた身体をしている。
相当な鍛錬をしていると思えた。
だから、感じが悪いけど何も言い返せなかった。
そして、溢れ出る闘争心を感じた。
「次は僕でいいかな。
僕は、菅原 慶次です。
弓の継承者です。基本的には後方から援護や核を狙います。核を見抜くのは長けていると思ってます。
これから宜しくお願い致します。」
慶次には今回めっちゃ助けられた。
「じゃあ、最後に空、お願いね」
「うん」
何故か少し緊張をしていた。
何でかは分からなかった。
「新里 空です。
盾の継承者です。一応、前方で攻撃や防御をします。」
僕は黙り込んでしまった。
自分は何が長けているのか考えていた。
そして、何もないことに気が付いた。
攻撃も防御も中途半端だと。
「空?」
「あー、えーと、これから宜しくお願いします。」
レーナが拍手をして最後に言った。
「これからは、継承者同士、鍛錬をしてもらいます。
ムカつくけど、優斗はとても強いです。
快の治癒もとても優秀です!!
なので、これからはこの2人に手伝ってもらいながら、
空と慶次を鍛えていきます!!」
「はあ、めんどくさ。」
「良いじゃないですか、面白そうで!!」
「空、頑張ろうね!!」
「うん、強くなろう!!絶対に。」
このことがきっかけで、
僕たちは仲間になったんだと思う。
そして、あの悪魔と遭遇するとも思っていなかった…




