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僕は天使に守られている。  作者: 嵐鳥夢花
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僕と天使の出会い

僕には生まれた時から隣に天使がいる。

初めは天使だと思ってなかった。

ずっとお姉ちゃんが近くにいるなと思っていた。

だけど、みんなお姉ちゃんのことを話さないし、見えていない感じがした。

だから、僕は見えてはいけないものだと思って過ごしていた。

あっちから話しかけて来ることはなかった。

ただずっと笑顔でこっちを見てる。

いや、見守っている感じかな。


3歳の時に初めて話かけてみた。

「お姉ちゃんは誰なの??幽霊さん??」

「初めまして、ご主人様。やっと話してくれましたね、見えてないのかと思いましたよ。

私は、幽霊ではありませんよ!

ご主人様に仕える天使です。

後、私はご主人様が想像しているように他の方々には見えていません。

私の存在は内緒でお願い致しますね。」

と言うと翼を広げてお辞儀してきた。

とても綺麗だった。見惚れてしまった。

3歳の僕でもあれは衝撃的で目に焼きついた。

その日から天使のお姉ちゃんは、僕は遊ぶようになった。

一緒にテレビを見て話したりする感じだ。

天使のお姉ちゃんには触れることも触れられることも出来なかった。

「なんで、お姉ちゃんに触れることできないの??おもちゃは持てるのに??」

「それは仕方ないことなのですよ、ご主人様。

でも、ご主人様が大人になれば私に触れること、また、私がご主人様に触れることができます!!それまで我慢です!!」

「大人って何歳から大人なの??」

「それは、秘密です!!」

「えーーー!!教えて!!」

「まだ、ご主人様に早いので時が来たら教えます」

「約束だよ!!じゃあ、今日はおままごとしよう!!」

僕は男の子だったけど、幼稚園で良く遊んでいたのがおままごとだったから、家でも遊んでいた。


「はい、ご主人様、やりましょうか!!」

「うん、じゃあ、お姉ちゃんは僕のお嫁さんね!!ご飯作って待ってて!!」

「私がご主人様の妻で良いのですか!?!?

喜んでお作りしてますね!!!!」

なぜか嬉しそうだった顔を覚えている。

こんな感じで天使のお姉ちゃんと過ごしていた。


5歳になった時には、天使のお姉ちゃんが初めてお願いをしてきた。

「ご主人様、お願いがあるのですが宜しいでしょうか??」

「お姉ちゃんのお願いならなんでも叶えてあげるよ!!」

この時にはもう家族同然のようになっていた。

それに、お願いされたことが嬉しかった。

少し頼ってくれた感じがしたから。

「ありがとうございます!!

では、そろそろ私にお名前を頂いても宜しいでしょうか??」

照れた顔で言ってきた。

名前…そうか、ずっと僕はお姉ちゃんとしか呼んでいなかった。

「お姉ちゃん、名前なかったの??」

「はい、ご主人様に仕える天使たちは名前は無く、ご主人様に名前をもらうのが普通なのです!!……なので、そろそろ欲しいなと思いまして…」

「そうだったんだね!!早く言ってくれれば良かったのに」

「はい、でも、お姉ちゃんと呼ばれるのも嬉しい感じがして、つい遅くなってしまいました。申し訳ございません…」

でも、いきなり名前をつけて欲しいと言われても少し困った。

どんな名前が良いのだろうか…と悩んでいたら思い出した。

この前、テレビを見ていた時に可愛い名前があった。

「じゃあ、今日からお姉ちゃんは、ルカって名前はどうかな??」

「ルカ…ご主人様ありがとうございます!!

では、今後とはお姉ちゃんではなく、ルカとお呼び下さい!!」

名前を付けてあげた瞬間とても嬉しそうな顔をしていた。


そして、ずっと一緒にいたから気にしてなかったがふと思ったことがあった。

「ルカ、僕から質問しても良い??」

「はい、ご主人様!何なりと!!」

「ルカはなんで僕と一緒にいるの?

ちゃんと聞いたことなかったから気になって!」

ルカは黙り込んで難しい顔をしていた。

聞いちゃいけなかったのだろうか。

ルカを困らせたくなかった僕はすぐに撤回した。

「…無理に言わなくてもいいよ??

話せないことなら全然。ルカとこれからも一緒にいたいし」

「ご主人様、申し訳ございません。詳しくはお教えすることはできません…。

でも、簡単にお教えしますね!!

私はご主人様をある時期まであらゆる物からお守りしているのです!!」

「うーん、そうなんだ。でも、なにもないよね??問題ないんだよね??」

そう聞いた時、ルカは優しい顔をして頷いた。

「じゃあ、もう何も聞かないよ!!

ルカは僕のことを守ってくれるって言ったけど、僕もルカのことを守るね!!」

「ご主人様、嬉しいです!!」

ルカの目から光るものが流れた。

涙だった。嬉し涙でもしたのかなと思った。

だって、ルカは物凄く嬉しそうな顔をしていた。

僕もその顔を見て嬉しくなった。

そして、これからもずっとルカと一緒に居ようと思った。


この時の僕は何も分かっていなかった。

ルカがどうして涙を流していたのか。

これから起こる僕たちのことを。


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