1話 春の出会い
読み方が分かりにくい言葉は、登場人物紹介等で載せる予定なので、ご安心下さい。
その他ありましたらコメントをどうぞ。
とある地主の屋敷にて。
「なあ、万屋の旦那、そろそろ私くらいには、教えてくれてもよいではないか?」
万屋こと勘助は、出されていた茶をぐっと飲み、さっさと帰る支度をしようとしていた。
「…なんの事でしょうか?」
「またとぼけおって!この絵の描き手だ!」
毎度のごとく勘助の売る絵の、絵師を探ろうとする客を、勘助はうんざりとした目で見た。
「そんなの、こちらがお教えていただきたいくらいですよ。」
心にもない事を口にし、早く話を終えようと、荷を片手に立ち上がった。だが流石に客も勘づている。
「はっ、はぐらかそうとしても…」
勘助は客の言葉を遮り、言った。
「地主殿、もう私から7枚も絵を買っていただいたのはありがたいですがね、あんまり詮索されるのはいい気分ではないのですよ。
…まあ、需要は上がるばかりなものでね、今後は私も、買い手を選ばなくてはならなくなるやも、と案じております。」
「おい、それはどういう事だ。」
勘助は襖を開けかけ、一度商売客を振り替える。今度の瞳には悔恨と失望の念があった。
「…では、毎度ありがとうございました。」
「お、おい、待て…!」
呼び止める声を背中に、そそくさと屋敷を去る。
本来ならばあの様な対応はしない。しかし、せざるを得ない。というのも、勘助がここ数年売り歩いている絵の人気ぶりと、その謎めく出所を知らんとする金持ちの多さにある。
実の所、勘助は絵師の正体も居場所も知っているのだが、表に出るつもりがあるなら、万屋など他人に頼らず売るだろうと、男ながらに察してのことだった。
ここは明日神ノ国。春夏秋冬どれを取っても麗しい、水緑豊かな島国である。住まう人々も活気に溢れ、よく働く。ここ何十数年は戦もなく、穏やかな暮らしが続いている。
そんな世で今大流行りしているのが、万屋勘助が売る絵である。絵巻や掛軸の他に、庶民向けの安価なものはしおりや文として親しまれ、その噂は瞬く間に広まった。描かれるものは花や木や風景で、それらのみずみずしい生命力を、時に繊細に、時に大胆に表している。なんといっても、その唯一無二の筆遣い、技術に価値があった。
しかし、当の絵師を知るものはいない。作品に名入れはなく、絵師を名乗る者が現れたりしたが、皆偽であった。勘助も頑として語らず、巷の話題は絵師の正体で持ちきりだった。
そしてその噂は案の定、帝のおわします宮まで流れる。
「若君~!例の絵巻の3本目を手入れましたぞ!」
初老の世話役である治兵衛が小走りで主人を探し回り、片っ端から襖を開けていた。
「若!ここにいらしたのですね!」
「さっきからなんだ騒々しい。」
「だから、この老いぼれめが、噂の絵をですね…」
「ああわかったわかった。だが、私はこれから狩りに行こうと思うてな、佐々達を待たせているのだ。戻ったら見させて貰おう。」
明日神ノ国が第一皇子はこの、蓮ノ葉君である。皇子を若と呼ぶ事は稀であるが、御名に≪葉≫があることから親しい者の間ではそう呼ばれていた。
そこに、いままで御簾の向こうで聞き耳を立てていた女が声をかけた。
「幼きお子と女御がいるというのに、狩りとは。」
女は蓮ノ葉の第一夫人、小蝶である。といっても、今のところ娶っているのは小蝶のみだ。去年第一子の月芽を産んだが、本来乳母に任せるはずの子育てを、ほとんど自らやっている。
当の乳母はそのことでへそを曲げているが、蓮ノ葉はしきたりなどには凝らず、子蝶が月芽を連れてくる度、共に愛でていた。それもあってか、小蝶の思惑通り、蓮ノ葉には第二夫人を娶ろうという気は欠片もなかった。
「小蝶…。」
「ふふ、冗談ですことよ。久しく狩りには出かけておりませんものね。私は月芽と治兵衛の絵を見させてもらいますわ。」
そう言い、小蝶はにっこり微笑みかけた。
「では若君、私もそのように。」
「ああ、すまぬな。」
「行ってらっしゃいませ。」
城の裏門で主人の背中を見送ったあと、部屋に戻り治兵衛小さくはため息をついた。
「ふふふ、いいのよ。恐らく、狩りだけが目的で出掛けたのではないと思うわ。」
「と、言いますと?」
小蝶は月芽の頬をつつきながら言った。
「宮里都に忍んで、あなたが手に入れてしまった物を探しに行くつもりだったんじゃないかしら。」
やっと我が子から顔を上げ、得意気に笑う。
「…さ、絵巻を見せて頂戴?」
小蝶の勘通り、蓮ノ葉は忍びで勘助の万屋へ出向き、絵を買うつもりでいた。が、治兵衛に先を越されてしまい、己の中の密かな企てが崩れてしまった。
このお方は、自ら忍ばずとも勘助を宮に招くなり、下男に一言告げるなりで済ませられるご身分なのだが、賢い女御へ勘づかれずに贈りたい気持ちと、自らの手で手に入れたいとの思いから事に出た。
森にて。狩りには侍従の佐々の他に幾人かの下男を連れていた。そこには、主人の当初の企てを知る者と知らざる者が混ざっている。が、もうどうでも良い。
(はぁ、あれでは新しく絵巻を贈ったとしても見栄えが半減ではないか。それに、動揺を子蝶に見られてしまったからな…
おとなしく狩りをするしかないが…)
その様子を見て、佐々が声をかけた。
「どういたしましたか、若?」
「いや、まあ賢すぎる女御と下男も考えものだな、とな。」
「はっはっは、その様で。しかし若君と釣り合いの取れる女子などそうは居ますまい。」
佐々は中年の腕の立つ男で、侍従輩の頭をつとめている。あまり喋る方ではないが、仕事もでき、話のわかる者だった。
「はは…お主は相変わらず…」
「頭ー!川の方に大鹿がいます!」
言いかけた言葉は、鹿を見つけた侍従によって遮られた。
「まことか!」
知らせを聞き、佐々が声を上げる。
と、同時に大鹿という言葉が耳に響き、蓮ノ葉の鬱気は消え、川の方へと意識が集中した。
一行は鹿を追い、馬を走らせる。
賑やかな宮里都とは対称に、森の中は、爽やかに鳥や木々や水が鳴いている。細い獣道の先の岩の切れ目を抜けると、そこには美しい空間が開ける。花たちに囲まれた泉の脇には小屋があった。しかしこのような場所に少女が、よもや一人でくらしているなど誰が分かろうか。
そう、その少女こそが例の絵師である。
少女は母が亡くなって以来、この小屋にて絵を描き、勘助に商売と絵描き道具の調達を頼んでいた。
一人山奥での生活なので、炊事、薪割り、洗濯などはなんでもやるが、里にはめったに降りないというわけでもない。むしろ、目立たないようにできるだけ頻繁に買い出しに行くようにしていた。特に、商店や人の多い宮里都にいかねばならない時は大変であった。
それでも、母との思い出がつまった、美しい我が家を離れる事はできない。その他に、表で堂々と商売をしようとしても、勝手が分からないといわけもあった。
少女は長い黒髪で、普段は結い上げているのだが、おろすと、その間から見える白い肌が眩しかった。
清清しい、風のない晴れだったので、その日は外で絵描きの作業をしていた。ある程度区切りが付き、重りの石を置く。
(さて、乾くまでさっきのたけのこのあくを抜こうか…)
釜まで戻ろうと考えたとき、ふいに鳥のさえずる声を聞き、顔を上げた。
「ああ、だめだな、一人でいると、喋らなくなってしまって…」
しかし、呟いた事をすぐに後悔した。やはり母がいなくて寂しいと。
思いを振り切るように、足早にザクザクと草を踏みしめ、台所へ向かい、釜戸に火を入れる。水を並々入れ、蓋をする。
(ふぅ…)
そして次は何をしようかと辺りを見わたす。
縁側に腰掛け、もう春だな、と思いながら目の前の泉を眺めていると、どうしても、うとうとしてしまう。
「少しくらいなら…」
そのまま横たわり、木漏れ日の中で眠りについた。
しばらくして目が覚めると、すぐに意識がはっきりした。釜の方から聞きなれない、大きな音が聞こえるからだ。大慌てで釜の蓋を開ける。が、吹くどころか沸いてすらもいなかった。
得体の知れない音はどんどん大きく…いや、近付いてきていた。
少女はとっさに、たけのこの間にあった鉈を握りしめ、表に飛び出した。
(落ち着け!熊だろうが山賊だろうが死ぬわけにも、逃げるわけにもいかない!大丈夫。)
目を凝らすと、それが馬に股がった人であることがわかった。それも何頭か。今は走ってはおらず、話し声が聞こえてくる。
「ーーー見つけたか!?」「いえ…」
(やはり山賊か…!今からでも隠れるべきか…いや、この釜戸に火を入れているから、じきに煙で見つかってしまう!)
そして一か八か声を張上げた。
「何奴だ!!」
その声に、輩は気づいたようで、こちらを向いた。
大鹿を追っていた佐々達であったが、途中、茂みの中で見失ってしまった。ようやく茂みを抜けられた頃には、獲物の足音すら聞こえず、辺りをうろうろしていた。
「おい!釛、見つけたか?」
「いえ…」
その時、女の声が聞こえた。
「何奴だ!!」
声の方の辺りを見回すと、しっかりとした造りの小屋があった。今のいままで気付かなかったので、驚いた。
「与一殿…」
「釛、見てきてくれ。若がじきに来られる。」
この時、蓮ノ葉や佐々は先頭の与一や釛よりは後ろにいた。相手が小娘というのもあって、釛一人に様子を見に行かせた。
「は。」
近づくほどに、女の顔がはっきりしてくる。先に口を開いたのは女だった。
「山賊にしては、ずいぶん弱腰じゃあないか。残りはどうした?」
釛は女が喋る間も歩み寄り、日の光の元へ出たる。すると、女は一歩下がろうかと片足を浮かしかけると同時に、釛の顔を見ると驚いた様に目を見開いた。
釛はそれがきに食わず、眉の間と利き手に力が入った。だが、堪えて、落ち着いて口を開く。
「我々は、山賊等ではない。安心されよ。」
釛が告げると女は我にかえったように取り直した。
「じゃあ何を探してたんだい?」
「鹿だ。」
「嘘つきな!こっから先には入れさせないよ。」
信じようとしない小娘につい口調が強くなる。
「嘘などつかん!私は宮の人間だ!」
「だったら、とっとと…!」
そこに、蓮ノ葉を連れた佐々達が来た。
「釛、何事だ。」
「頭…」
釛は佐々を振り返った。すると、また女が口を開く。
「あんたら、こいつの言う通り用がないならとっとと帰りな!」
それを聞いた一人が口を開いた。
「おい小娘!我らに向かいその口のききかたはなんだ!第一皇子の御前であるぞ。この紋が見えぬか!」
次の瞬間、明らかに女の様子は一変した。
(第一皇子!?宮の?そんな…!)
先程の男の馬を見ると確かに宮の紋がある。そして今、血の気がサアーと冷めていくのを感じていた。
神にも等しい帝のお子であるお方が目の前にいるなど、下々の民には、ましてこんな小娘にとっては、一大事件であった。
少女は考えるより早く、持っていた鉈を後ろに放り投げ、膝と頭を地面につけた。
「とんだご無礼を!
馬の足音を聞いたとたん山賊と思うてしまって!」
そう言い、返事を待つ。
「よいよい。こちらも驚かせてしまって悪かった。このような山奥に住む者がいるなど思わなんだのだ。
なぁ佐々、お主もそうであろう?」
蓮ノ葉は、娘の気の張りつめを解こうと部下に話を振った。
「ええ、しかも女子とは…。」
「はっはっは、そうだな。」
しかし、少女は顔を上げない。
どうしたものかと、ふと小屋の先を見ると、泉のほとりに咲く花々が目に入り、ひらめいた。
「聞いての通り、狩りで鹿を追っていたのだが、見失ってしまってな。これでは土産も持たずに戻ることになる。」
「…」
「そこでな…どうだろうか、そなたの庭の美しい花を持ち帰ってもよいか?娘に見せようと思う。」
らしくないことまで口にしだした主人を見かねて、佐々は付け加えた。
「女、皇子は面を上げよと申しているのだ。」
とうとう少女は顔を上げ、答えた。
「はい。お好きなだけどうぞ姫君に。」
先程までの少女の様子には面食らったが、どうやら相当に殺気だっていたかららしい。
「すまぬな。ところで名はなんと申す。」
「あさつきと申します。」
そう、少女の名はあさつき。
「あさつきとは…浅葱のことか。面白い。
では年の方は。」
「16でごさいます。」
「そうか。
(苦労をしてきたのであろうな…)
では、花を見せてもらおうぞ。」
蓮ノ葉は馬から降り、あさつきも頭を低くしながら立ち上がる。
あさつきはすっかり気が動転してしまっていた。まさか、第一皇子の一行だったとは。そして、その御前で恥と無礼をさらしてしまった。
そのことであたまがいっぱいになり、蓮ノ葉が歩いている背中をただただ眺めているしかできなかった。
しかし、もっと早くに我に返るべきであった。このお方が行こうとしている道中に、何があるか。それが見つかればどうなるのか。
(っ!ああ!!)
そのときにはもう遅かった。
蓮ノ葉の目に、作業台の上にある紙や道具が映る。
「ん?あれは…絵巻か?」
あさつきは急いで駆けつけ、蓮ノ葉が触れるよりはやく手に取ろうとしたが、案の定、それはあなわず、伸ばしかけた腕を矢のごとく引っ込めるはめになった。
絵巻に見入り、蓮ノ葉の目はみるみる丸くなる。また、あさつきの腕の動きを見逃さなかった釛は、小娘が主人に触れるのを恐れ、二人を引きはなそうと近づいてくる。
とても、良い状況とは言えなかった。
「そ、それは……」
なんと逃れようか必死に頭を巡らす。ただ、ひとつの願いが叶うよう祈っ…
「そなたか、噂の絵師というのは!!」
祈ったのだか、氷が地に叩きつけられるように砕け散った。
「いやぁ、驚きましたなぁ。」
佐々も感心し、声を漏らす。
「…いっ…いえ、とんでもごさいません。それは…貰い物でして…」
見苦しいと自分でも思いながら、口を動かした。
しかし、すぐ脇に先程の最初の男がいるのに気付き振り切ると、目が合った。
(嘘は通せない…と…)
あさつきは素直に従った。
「は…失礼しました。おっしゃる通り、私が絵描きをし、知り合いの万屋に売らせていた者でございます。」
蓮ノ葉もすぐにその様子を察した。
(しぶしぶといったところだな…)
「そうであったか。しかし、隠さんでもよいではないか。その万屋というのは勘助の事であろう?」
「はい。」
言い当てた蓮ノ葉は内心舞い上がっていた。それは、あさつきの焦りには程遠い。
だか、あさつきの希望はまだ完全に消えたわけではない。宮に呼ばれるという最悪は、自分の身の振り次第でまだ間に合う。そうとなれば、慎重さは必要だか、いち早く会話をまとめ、何か差し上げるなどしてお帰り願うしかない。
「まさか、私の話が宮の皇子様のお耳まで届いているとは、誠に光栄でごさいます。」
その声は、次に絵の具を手に取ろうとしていた蓮ノ葉の動きを止めた。
「ああ、私も…いや、小蝶が気に入っていてな。」
蓮ノ葉が言い直した意は照れであった。女以上に男が、ましてや帝の子が興味を持っているというのを少し気にしての事だった。
「左様でございましたか。では、何かお持ちいたしましょう。」
あさつきは蓮ノ葉の意を読み取る暇等なく、まだどこかに、売っていない上等な物があったはずだと小屋に向く。
「それも良いのだが…これらの描かれるところを是非とも見てみたいものだな…」
(なんだと)
「…それでしたら、その絵巻はまだ途中でごさいますので、少々…」
そこまで鈍いわけではない。言葉のそれがどういうことか、分からないわけではない。しかし、ここで抗わなくては!
「いや、ここではなんだ…もったいない。宮で見せて貰おう。」
あさつきは振り返った。口を開けけてはいるものの、言葉が出ない。
だか当の蓮ノ葉は実に愉快であった。目の前の娘の気持ちは分からんでもないが、それ以上に己の幸運さを愛で回した。
「四日後に使いをやろう。」
(四日!?)
「そうだな…万屋の勘助はここを知っているか?」
「……はい。」
蓮ノ葉は満足そうに頷き、馬のもとに戻る。
「では、我らはこれにて城へ戻るとしよう。」
「は。」
侍従達が答える。
一行はそのまま来た道を帰っていった。
あさつきはその場に立ち尽くし、考えていた。
(四日後!?四日だと!?)
しかし台所の釜を沸かしていたことを思いだし、手を動かしながら再び考える。
(もし呼ばれるとしたら明日や明後日辺りだと思ったけど、わざと四日も日を置くということは…それなりの支度を…下手をしたらこれから先宮に使えるということになるのではないか!?)
そうなれば、この小屋を離れることになる。しかし背けば、小屋どころか己の首とも離れることになりかねない。
(それに、勘助にも伝えておけということか…)
さっき鉈をぶん投げたときに、柱に突き刺さったことを思いだし、がっと引き抜いた。
「っ!ああっ…!もうっ!!」
一方、蓮ノ葉の一行はなんとか見覚えのある山道へと出ることが出来ていた。
「ふぅ、やっと安心できるな。」
「だいぶ奥まで行ってましたからねぇ。もう日があんなに傾いて…」
「でも、その甲斐はあったと思わんか?」
主人の問いかけに佐々は微笑んだ。
「ええ、思いますとも。」
「しかし、まあ、絵師の正体があのような女子とは、驚きましたな。」
与一も口を挟む。
「私も宮里都の民のように、年のいった男が描いているとばかり思っておりましたよ。」
「ははっ、そうだな。」
蓮ノ葉達が話しているのをぼんやり見ながらひとり、不機嫌さを隠しきれていない男がいた。釛である。
「どうした?釛、眉寄せて。あの女に会ってからか。」
同い年の佐助に声をかけられた。まだ、蓮ノ葉達は喋っている。
「ああ。」
「なんか言われたんだな?」
釛は片手で髪に指を通してさすった。
釛の髪は明るい茶色をしていた。ちょうど、今西に見える夕暮れのような。
この黒髪の人がほとんどの明日神ノ国では、それは大変珍しい髪色で、幼い頃から本人は気にして過ごしてきた。
あさつきに会ったとき、驚いた顔をされたのが気味悪がられたように思い、気にくわなかったのだ。
その釛の仕草に気付き、佐助は笑い飛ばした。
「はっはっは!気にすることはない!」
「…しかしあのような女子は好かん。」
さらに佐助がにやける。
「そうか?なかなか整った顔立だったがな…。少々気は強そうだが…」
「……」
そして、だんだんと城が近づいてくる。
「 四日後が楽しみだ。」
蓮ノ葉が呟いた。
お読み頂きありがとうございます。
少し長くなってしまいまして、誤字脱字があるかもしれません。
私も勉強しながら、手探りでやっている次第で、話の更新が遅くなったり、読みにくかったりするかもしれませんが、暖かい目でどうかお願いいたします。