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旅は道連れ世は無情  作者: 御厨みか
5/8

告白

「ぷはぁー」

酔いがいい感じに回ってきた。戦って、勝った後の食事は格別だなぁ。


「ゴホン」

いきなり、ブライスが大きく咳払いをした。


「みんなに話がある」


「何を改まっておるのだ、ブライス殿」


「そうだよ、どうしたのさ?」

さっきまで酔って騒いでたのに、急に真剣な顔になっちゃってさ。


「俺とルチアはパーティーを抜ける……つもりだ」


「急にこんな事言ってごめんなさい。その、私達、故郷の町に帰ろうと思って」


頭から冷水ぶっかけられた気分だ。このタイミングでパーティ脱退宣言は……思いもよらなかった。だってさ、ちょっと前に昇級試験に受かって、一等探求者になったばかりなんだよ?最上位の探求者になった所で辞めるってさ、普通はないよね。あ普通じゃないか、今は戦時中だ。


「一年前に、魔族との戦争が始まっただろ?アシリアが一体の悪魔にに滅ぼされかけた話は聞いた事あるか?」


「うむ、そういえば……。かなり大きい都市であったな」


そういや1週間くらい前だったか、その話で持ちきりになった時があった。


「俺達の故郷はその都市……ではなくその隣の町なんだ」


「それで、心配だから帰ろうと思ったの」


二人の表情を見れば、悩んだ末の決断であることはわかる。本音を言えば抜けられると困る。でも、引き留めづらいよね。私には故郷はない。今は守りたいものなんて自分の命ぐらいになってしまった。まあ、昔は仲間やらなんやら、守りたいものも沢山あった。だから二人の気持ちはよくわかる。ダリウスはどう思ってるんだろ。


気になって隣の彼を見上げる。縦に割れた瞳孔が怖いのはいつものこと。特に怒った様子はないな。


「その様な理由なら致し方あるまい。某は二人の無事を祈っているぞ」


そう言うなり、骨付き肉を頬張り始めた。相変わらずのマイペースだ。というか今ので抜ける方に流れが傾いた気がする。それに、もし今二人を引き留められたとして、後で彼らの故郷が滅びでもしたら非常に気まずい。

経験値稼ぎの効率は落ちるかも知れないが、仕方ない。ここは引こう。

すう、と大きく息を吸う。内心を覆い隠して、笑顔で口を開いた。


「こんなご時世だしね、まあ仕方ないよね」


私の返事を聞いて、ルチアとブライスの表情が緩んだ。


「ありがとう、フィー。それにダリウスも」

「急にこんな話をして済まないな」

ブライスとルチアは揃って頭を下げた。


「何、気にすることはない」

ダリウスが首を横に振った。


四人で集まるのもこれが最後か。だったら、最後くらいはね。


空元気で勢いよくジョッキを高く持ち上げる。

「それじゃ、打ち上げと送別会を兼ねて、もう一度乾杯!」




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