社会に出ても関わりたいっ!
お久しぶりです。。
めっちゃ久々の投稿ですねぇ。。
「んー……いいのいっぱいあるなー……」
ずっとぶつぶつ言ってる……。
今、どの辺のだろ……?
「………………」
千晶はその姿を見てるだけ。今日はなんか静か。
……佳穂のせいなんだけどね。見てばかりで相手してあげないから。
「佳穂ちゃん、まだ見てるの?」
「昼休憩には返してくれ。撮り時なんだ」
「りょーかいだー!」
「明日香ちゃん、わかるよー。わかるー。憂ちゃんの食事風景って癒やされるよね」
なんか集まってきたし。大勢。
いつものことって言えば、そうなんだけどね。みんなのほうから来てくれるんだし。楽って言えば楽だよね。
私と憂の机の周り。2人とも座ったまま。ついでに佳穂と千晶も。
その佳穂は一生懸命。今朝からずっと『いいの無いかなー?』って探してる。
「なっつかしいなー。これ、いつ頃だっけ?」
佳穂は千晶に小さな液晶画面を向けた。
どんな写真なのかな? 私からは机を挟んでるぶん、ぜんっぜん見えない。みんな覗き込んじゃってるから。
「これ! 可愛い!」
「憂ちゃん、ずるいよね……」
明日香ちゃんのカメラの画像をどんどん流して、さかのぼっていって、ようやく止まった先のひと言。
朝から何千枚ぶん見たのかな? すっごい枚数なんだよね。整理していてこの枚数なんだってさ。
「おバカ佳穂。日付載ってる」
「おー! ホントだー!」
バカ言われてるの、スルーしてるし。こういうところって佳穂、すごい。
「憂千穂で添い遂げられたことが全世界に認められて半年後だ」
……明日香ちゃん。なんでそういう言い方するかな?
み、みんなそんなに見ないで。
「あ。千穂ちゃん、赤くなったー!」
「だ、だって! 世界中とか言われたら!」
ほんっと! 恥ずかしいです! あの時、中継されてるとか知らなかったし!
お陰で全世界公認とか言われたし! すっごい勢いであの中継の動画、拡散されちゃったし!
「あはは! すっごいよね! 全国生中継で熱烈なハグだもん!」
優子ちゃんまでいじわる! 今まで何度目!? このネタでいじられるのって!
「千穂ちゃん真っ赤! かっわいい!」
……もう、煽らないで。泣いちゃうよ?
「千穂――かわいい――?」
…………え?
隣を見ると、にこにこ笑顔の憂が可愛いって言った有希さんを見てた。
横顔でも、かわいすぎるんですケド。
あ。こっち向いた。
「かわいい――よ?」
………………。
えっと……。
気持ちは嬉しいんだけど……。
「「「…………………………」」」
……みんなの前なんだよ?
言い切った憂はすっごく満足そう。
普通に『自慢の彼女』とか思ってくれてるんだろうなー。純粋だなー。
「ごちそうさま」
佳穂が手を合わせて小さく頭を下げると、周りに集まってた女子みんながどんどん手を合わせる。
「ご馳走様でした」
私も手を合わせて「ごちそうさまです」
乗っておかないとね。
憂は小首を傾げて、何のことやら? ……って感じ。ご飯食べてないのに何でって思ってるよ。間違いなく。
「千穂ちゃんが言うと惚気にしかならない」
「みせて――?」
明日香ちゃんが丸い童顔をしかめて、やれやれって感じで首を横にふりふり。
そう言われても、どうすれば良かったのかわかりません。乗るしかなかったよね?
佳穂はカメラを憂に手渡し。重いだろうから、ちゃんと手を添えてあげてる。ホント、こう言うとこ、昔の佳穂からは想像も付かない。
「もう、いじられるのは運命だから諦めてね。大学でも続くよ? 間違いなく」
……あー。気が重くなるぅ。
でも、大学では憂と一緒じゃないし? きっとだいじょうぶ?
「憂ちゃんがいないと余計にいじりが酷くなりそうな件」
千晶がっ! 梢枝さんみたいに心にツッコミ入れてきたっ!
一緒にいる時間長かったから梢枝さんが感染ったんだっ!
「あのね……。千穂って顔に出やすいから分かるって」
「だなー。梢枝さんみたいって思ってんだろー?」
か、かほまで……。
そんなこと……ないよね……?
「否定しようとしてみてもそうなんだよ?」
優子ちゃんっ! ホントにみんなが読んでくるっ!
もうこの話題変えないとっ!
「明日香ちゃんはいいなー! これからも憂ちゃんの写真撮り続けられるんでしょ!?」
有希さん感謝……。
みんな、そんな呆れ顔されても……。
「そうだ。アルバイト先がそのまま仕事になる。私にとっては最高の仕事だ」
明日香ちゃんは蓼園IMに就職決定。
卒業後は憂とついでに私を撮り続けるのが仕事。これからも一緒だね。
蓼園IMのモデルとかの仕事の時に撮ってくれてる北村さんは、そのまま蓼園IM内での仕事を継続なんだって。
……明日香ちゃん、もしかしてプライベート撮るつもりなのかな?
「……心配するな。外での仕事の時、裏側を撮るだけだ」
あ。それなら安心。
私も撮影の仕事、増えちゃってるから。
「へー。それで、結局、何人が憂ちゃんの周りに居続けるつもりなんだー?」
……憂に巻き込まれてばっかり。
憂が中性的な服……って言うか、憂本人のコンセプトに沿った洋服の担当で、私はガーリッシュな感じの服担当……みたいな感じ。いつの間にか。
同じ服を着て一緒にモデルしてることもあるけどね。
「千晶もだろー?」
「そうだね。島井先生が引退された後の憂ちゃんの主治医になるつもり」
だから目指せお医者さん。有言実行して医学部合格しちゃった千晶すごい。
「蓼園大学医学部の一期生だよね? 5組の期待の星だよー! 鼻が高い!」
特進の人以外では、唯一の合格者だもん。
でも……ね?
「あの頃の千晶って怖かった……」
凄かったんだよ? ピリピリしてて、千晶に用がある時には憂に話し掛けて貰ったり。
憂のために医者を目指し始めたんだから、やっぱり憂には優しくて。
「……それはごめんって」
「毎日毎日、梢枝さんとマンツーマンで1時まで勉強だぞー? 仕方ないと思うぞー? あたしでもあの頃の千晶にはあんまり声掛けられなかったからなー」
「あんたにフォローされるとなんかこう……」
「なんだー?」
「それは「あ――!」
急に声を上げた憂に全員注目。私は、ついでに画像をチラ見。
やっと佳穂が見せてる画像がいつだったか思い出したって感じかな?
……一瞬で思い出したよ? 私は。
ずっと一緒に行動するって病院の屋上で言ったし、実際、その通りにしてたんだけど……。
はっきり言って、無理でした。
憂は憂で仕事多いし、私だってあんまり学校サボ……じゃなくて休めないし。
それで、明日香ちゃんのカメラの画像。
「あったね。こんなこと」
「あったねー」
千晶が言うと優子ちゃんが同意。
「うん。あった。泣きながら千穂ちゃんに駆け寄る憂ちゃん」
有希さん……。私もはっきり覚えてるよ。
すぐにピンと来なかったのって憂だけだと思う。
―――あの誘拐騒動から半年くらい経った頃だったね……って、明日香ちゃんもそう言ってたし。
私の病院受診の時。
蔵迫先生も順調だったら来なくていいって言ってくれてたんだけど、半年も受診してなかったし……で、病院に。
最初は一緒にって言ってたんだよ? 憂も。
でも、受診する科が問題。産婦人科だからね。
それでアレから初めて、自宅以外での別行動したんだ。それまではホントにべったりだったんだけど……。まぁ、それは置いといて……。
産婦人科って聞いて、付いてくるって言えなくなった憂を学園に残して受診。
それなりに騒動でした。心配性の憂が梢枝さんと康平くんは当然として、総帥さんに直接依頼。
私が誘拐されたの、結構なトラウマだったみたい。
だから必死な顔で『千穂をお願い!』って。
……なんか憂と一緒にどこか出掛ける時より、警護が凄かった。
そんな中で受診して、順調ですよーって蔵迫先生に伝えて。
戻ってきた時の写真。憂が見てる画像は―――
「うぅ――?」
……何やってんだろ?
「――えぇ――っと――」
画面とか、周りのボタンとか、おっかなびっくり触ってる……。
ぴっ。
憂が操作する音。
消したいんだね。タブレットは自分のだから扱えるけど、カメラは明日香ちゃんのだから変なことしちゃわないか怖いんだ。
それにしてもいい写真だね。
私が教室に戻った瞬間。半泣きで走ってきたっけ。両手伸ばして、とてとてとてとて走ってきた。
……可愛かった。嬉しいってのもあったけど。
あー。こんなに心配してくれたんだーって。
『ちほぉ!』って。
うん。漢字じゃなかった。平仮名だったよ。絶対。
「…………だね? 千穂ちゃん?」
「え?」
……ぜんっぜん、聞いてなかった。
「……何の話?」
「こいつ、聞いてないー!」
「憂ちゃん、千穂ちゃんに関係する話してんのに」
佳穂と千晶のツッコミが痛い……。
「仕方ないな。2人ともボケ属性持ちだ」
「明日香! だからいいんだろーが!」
「間違いない。それは私も解ってる」
……なんか樹くん、いつの間にか参戦してる?
「このほのぼの不思議空間作るとことか最高だよな!」
前は遠くから見てるだけだったのにね。
「しかも2人とも美少女だ。この2人は二十歳を超えても少女で通る」
明日香ちゃんと一緒にいる機会多いから、自然と私たち女子と話せるようになったって感じ。
隣を見ると……頑張ってるね。
カメラの液晶と睨めっこ。時々、ぴぴって電子音が漏れてる。
「永遠のロリカップルに万歳!」
…………。
「「「……………………」」」
その発言はさすがに引きます。
「樹。空気を読め。私と2人の時や男子同士でならともかく、この中でその発言はない」
「…………ごめんなさい」
……梢枝さんが退学した頃だったっけ? こうやって話し始めたのって。
私に変な告白? ……みたいなのした頃からは想像も付かないね。もう、私のことは諦めてくれたんだよね?
「ところで、私が聞いてなかったって……?」
ちょっと可哀想だから話題を戻しとこうね?
「それ! 私、前に千穂ちゃんに聞いたんだよ! 『指先、器用なんだけど、何か活かせる仕事ないかな?』って」
「ゆっこ。気持ちは解るけど、その話は出てなかった」
有希さん、苦笑い。
確かにあった。5組の人はほとんどみんな憂に関係する仕事に就きたいって言ってくれてる。
「そだなー。してたんは有希ちゃんの将来だー」
優子ちゃんもそう。
すっごくちっちゃい折り鶴作っちゃうくらい器用な優子ちゃんも活かせるような仕事をしたい……って。何かない? ……って。
ぴ。ぴぴぴ。
……思い付かなかったんだけどね。
「うん。私もまだ憂ちゃんのために何ができるのか模索中。でも、みんなが大体、そんな感じなんだよ。幸せだね。千穂ちゃん」
微笑み掛けてくれた。
「……って話だったんだよ?」
「うん。幸せ者だね。私も憂も」
憂のための仕事って何があるんだろうね。
見付けられた人は少数派。大学行って探すって人がたくさん。
「ゆっこ? 話切ってごめん。千穂ちゃんに伝えておきたくてね」
大丈夫。解ってるよ。
ぴぴ。
「うぅ――」
……困ってる人がいるケド。
「器用なんだから服とか縫ったらどう?」
「工業系もありかも?」
優子ちゃんへのフォロー。そっか。針仕事があったね。
「うーん……。その辺は考えたんだけど……。それじゃ、憂ちゃんに会えないな……って」
……それはそうかも。
提案してる佳穂だって、具体的に何をしようって決まってないんだ。社会に出ても憂と……って、ただ漠然と考えてるだけ。
佳穂も大学行って探すんだー、って。
佳穂らしい……って言ったらみんなに失礼かな? 同じパターンだらけだし。
こう言ったら佳穂に失礼かもだけど。
ぴぃー。
「――できた!」
……やっと消せたね。憂にとっての恥ずかしい写真。全消去とかしてないよね?
佳穂だったり千晶だったり、明日香ちゃんも。順番こに持ってあげてた。
明日香ちゃん、消されたんだけど、いいの? ホントに消せてるのか知らないケド。
「……いいんかー?」
「構わない。本人が嫌なものを残しておく必要がない」
明日香ちゃんも優しいね。
……あれ? 悪い顔になった。
「……そもそもカメラ本体に残してるのは、ごくごく一部だ。もちろん、バックアップもある」
「とか言っても消しとけよ? 憂ちゃん、嫌がってるんだ」
樹くん、明日香ちゃんの言いなりってわけじゃないんだ……。ちょっと見直したかも。
「分かっている」
……言いなりだったらこんなに長続きしないよね。
私の見立てだと、1年の頃からだよ? 2人が付き合い始めたのって。
ぴっ。ぴっ。ぴぃー。
憂、消し方覚えちゃったね。意に沿わない画像を消去開始。
明日香ちゃんはまったく怒らない。きっと本命は他に入ってるから。
「結局さー。具体的なこと決めたのって、女子では2人だけなんだよなー?」
「……そうだね」
「うん。千晶ちゃんと明日香ちゃんだけ」
「男子も少ないよね?」
「「…………」」
ちょっと静かに。将来に不安抱えた人がいっぱいだから。
「離れることになってもいいんだよ! 少しでも役に立てれば俺は満足だ! それでいいんだよ!」
力強く言ってくれた樹くん。
彼は憂の傍からは離れた仕事を選んだ。
「……そうかもね」
「妥協も必要ってことだよね……」
自治区のサイバーセキュリティ部門って言ってた。
直接じゃないけど、憂のために働ける仕事なんだよね。
「みんながみんな拓真くんのような仕事が出来るわけじゃねぇ! ……でも、陰で支えるだけでもいいだろーよ」
……おー。ちょっと格好いいかも。
明日香ちゃんも惚れ直してるんじゃないかな? ちょっと頬が緩んでるし。
「――あの――明日香――?」
……ん? やっと喋った。みんな、憂のこと想ってくれてて、将来を考えてるんだけどね?
「……どうした?」
「これ――ちょうだい――?」
そう両手を合わせて憂が見せたのは、私と憂が満面の笑顔を見せ合ってる画像でした……。
「すぐに送ろう」
明日香ちゃんの優しい表情。
そのあとはもちろん。
「……ごちそうさま」
……また同じ展開へ。
「いっぱい消しておいて『ちょうだい』とか……」
いじられたくないから別方向に話題誘導。
「……それは構わない。カメラに残してあるのはごく一部と言っているだろう? そして、私は基本、連射で撮影している」
「つまり、1枚だけ消してもその前後はばっちりバックアップの中だ」
……明日香ちゃんと樹くん。ナイスコンビでこっそり教えてくれた。
頑張って消しても意味ないんだね。本人には内緒だけど。
その本人はタブレットに送信された画像を満足そうに眺めてます。
頂いたイラストを活かしたいっ!
……から生まれた1話ですねw
本編最後に投稿した『頂いたイラスト集』の中、最後から2番目に掲載している、ネオンテトラさまのイラスト、右奥の『ちほ~』が今回、話題になってた写真のイメージですw




