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宇宙戦艦三笠  作者: 大橋むつお
5/50

5・旅立ちの時・3

宇宙戦艦三笠


5[旅立ちの時・3]




 みかさんが消えると、オレたちは普段の服装に戻っていた。


 オレはジーパンに生成りのシャツ。樟葉はチュニックの下に厚手のタイツ。天音はチノパンにチェックのシャツ。トシは引きこもり定番のジャージ。


「フワ~、とりあえず寝ようか」


 いつもの生活時間では、もう寝る時間なので他の3人も異議が無かった。

 艦内の様子は頭に入っていた。さっきあれだけのチュートリアルをやったので、艦内のことが頭に入っているのはなんの不思議も感じなかった。


 どうやら、オレが艦長らしいのはチュートリアルで分かっていたので迷うことなく艦長室に。他の三人も船の幹部なので、それぞれの部屋に向かっていった。艦長室のクローゼットには、日ごろ俺が着る服がかかっていて、迷うことなくパジャマに着替えるとベッドに潜り込む。が、なかなか寝付けない。ようやくウトウトしかけたころに、みかさんの声がした。


「レム睡眠を利用して説明の続きをさせてもらうわね」


「え、睡眠中に?」


「うん、ただ眠っていてもロクな夢みないから。それに、睡眠中の方が冷静に理解ができる……見て、これが今の地球」


「……きれいだ」


「そして、これが100年後の地球」


「え……」


 それは、表面がほとんど真っ白になった雪の玉のようだった。これじゃ、どんな生物も生きてはいけないだろう。


「あれはUFO……?」


「そうよ。UFOに合わせて画面を切り替えるわね……」


 スライドショーになった。100以上のUFOが入れ替わり立ち代り見えた。


「タイプは様々だけど、グリンヘルドとシュトルハーヘンの探査船」


「マゼラン星雲の?」


 どうやら、宇宙の事もインストールされているっぽい。


「そう、地球が氷河で覆われ尽くしたら、移民するつもりで監視してるの」


「氷河の地球に?」


「彼らには部分的に氷河を溶かす技術がある。氷河の1/4も溶かせば、十分に20億人ぐらいは住めるわ」


「で、オレたちが目指すのは……?」


「ピレウス。マゼラン星雲の良心……ここで氷河防止装置を受け取るの……あなたたち4人の力で」


「それって……どこかで聞いたような……」



 そこで、オレはノンレム睡眠に落ちていった……。



 習慣と言うのは恐ろしいもので、朝、目が覚めると制服に着替えてしまう。で、朝食の7時になるとトシを除く3人が士官食堂に集まった。インストールされた情報によるものか、美味そうな朝飯の匂いに釣られたのかは分からない。


「ハハ、やだ、みんな制服着てる!」


 天音がケタケタ笑い、オレと樟葉はなんだか照れた。


「トシは?」


「あいつは、まだ寝てんだろ」


「ああ、引きこもりだものね」


 そして、朝飯を食べながら夕べ見た夢の話をした。三人とも同じ夢を見たようだ。話がたけなわになった時に、そっとドアが開いた。


 なんと、トシが制服を着てドアから半身を見せている。


「あ……入っていっすか?」


「ああ、入れよ。トシにしちゃ上出来の早起きじゃんか」


「ま、座れ」


「トシ君も、夢見たんでしょ?」


「はい、おそらく同じ夢……って、みかさんが言ってました」


「やっぱり、ピレウスに氷河防止装置をとりにいくとこまで?」


「ボク眠りが浅いんで、続きがあるんです……ちょっと怖い続きが」


「怖い続き……」


 三人の視線がトシに集中した……。



☆ 主な登場人物


 修一          横須賀国際高校二年 艦長

 樟葉          横須賀国際高校二年 航海長

 天音          横須賀国際高校二年 砲術長

 トシ          横須賀国際高校一年 機関長

 みかさん(神さま)   戦艦三笠の船霊

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