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宇宙戦艦三笠  作者: 大橋むつお
39/50

39:宇宙戦艦グリンハーヘン・1

宇宙戦艦三笠


39宇宙戦艦グリンハーヘン・1] 修一  





 虚無宇宙域ダルの正面はガラ空き。


 ……の、つもりだった。


 ワープし終わってもしばらくは分からなかった。


 それとの距離が50万キロという、宇宙単位では目と鼻の先になって知れた。



「正面50万キロに大型宇宙戦艦。ロックオンされている!」


 念のためCICに入っていたクルーがホッとして出ようとした時に砲術長の天音が叫んだ。


「取り舵一杯。右舷シールド展開。砲雷戦ヨーイ!」


 ドゴーーーン!!


 天音と樟葉が、操艦と砲雷戦の用意をし終えたころに、着弾があった。


「右舷装甲版、第四層まで破壊される。右舷舷側砲、全て損傷!」


「次の砲撃には耐えられない」


「そのまま旋回、左舷を敵に向けろ!」


 敵は、三笠が大破したことで一瞬の油断があった。旋回も舵の惰性だと思っている。


「光子砲、雷撃、テー!!」


「照準ができていない!」


「構わない、主砲、舷側砲、光子魚雷全て発射! 前進強速!」


 三笠の砲雷撃は、それでも半分が敵艦に命中したが、全て敵のシールドに阻まれた。機関もダメージを受けていて、10万キロ進んだところでダウンした。


―― 降伏を勧告する ――


 いきなりモニターに敵の艦長の姿が現れた。見かけは中一程度の女の子だったが、同時に送られてきた情報は、彼女がグリンヘルド、シュトルハーヘン両星連合タスクフォースの司令官であることを示していた。


―― 20年待った甲斐があったわ。狙い通り、ダル宇宙域に隠れていたんだ。わたしはタスクフォース司令のミネア。その船は破壊するが、あなたたちは助けます。ここまでやってきた努力はあなたたちの優秀さを示しています。地球支配の役に立ってもらいます。一分だけ待ちます。降伏か、戦死かを選びなさい ――



 トシが、メモをよこしてきた。



―― ワープ、敵艦に体当たり ――



 三笠の残存エネルギーは、さっきのワープと、今の攻撃を受け止めることに使われて完全にエンプティーのはずである。しかし、修一は、クローンのトシに賭けてみる気になった。ワープは通常機関を使わない。なにか目論見があっての事だろう。この三笠のクルーは、誰も地球支配のお先棒を担いでまで生き延びようとは思わない。その確信はあった。



「……分かった、降伏しよう。三笠の救命カプセルでは、そこまでたどりつけない。近くまで牽引してくれないか、ミネア司令」


―― 了解、賢明な選択ね。まず残っている主砲と舷側砲をロックして ――


「するまでもなく、あらかた破壊されてしまったけどね」


―― 余計なことは言わない。言われた通りにしなさい ――


「了解。美奈穂、オールウェポンロック」


 ガチャリ


 天音が、悔しそうな顔で、全装備をロックした。


 三笠は牽引ビームが来ると同時にワープした。修一とトシとの阿吽の呼吸である。


 牽引ビームとワープエネルギーの相乗効果で、三笠は、船そのものが巨大な弾丸になり、敵巨大戦艦の艦首にめり込んだ。


 半分消えかかった意識で、敵の艦首の銘板が読めた。


 グリンハーヘン……芸のない艦名だと思った。




☆ 主な登場人物


 修一(東郷修一)    横須賀国際高校二年 艦長

 樟葉(秋野樟葉)    横須賀国際高校二年 航海長

 天音(山本天音)    横須賀国際高校二年 砲術長

 トシ(秋山昭利)    横須賀国際高校一年 機関長

 レイマ姫        暗黒星団の王女 主計長

 ミカさん(神さま)   戦艦三笠の船霊

 メイドさんたち     シロメ クロメ チャメ ミケメ

 テキサスジェーン    戦艦テキサスの船霊

 クレア         ボイジャーが擬人化したもの

 ウレシコワ       遼寧=ワリヤーグの船霊

 こうちゃん       ろんりねすの星霊

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