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報告と三姉妹の成長




 研究所 会議室



 俺とルティがマリーディアさんに呼ばれて会議室に戻ると、アリスさんとツヴァイも既に来ており、オシホ様とドライを除く研究所のメンバー全員が集まっていた。

 カティも俺と結婚予定なので、研究所メンバーになる。


「お待たせしました」


 そう言って俺とルティも席に着く。

 俺は、一息ついてから話し出す。


「まずは、カティについて話したい。カティを俺の妻として娶るつもりです。反対の者は居ますか?


 ルティ、マリーディアさん、アリスさん、ツヴァイは、今回の件に一枚噛んでいるので、反対する様子は無い。

 アインも恐らく知っていたので、こちらも反対の様子は無い。

 子供達はというと。


「広坪様の奥さんが増えるのは良いと思います」


「「私も!」」


 3人供が賛成してくれて安心した。

 子供だから、嫌がる可能性も考えたのだが、ルティ達の事前説明のお陰かも知れないが、カティを祝う様子を見ていると、単純に仲が良いから、そんな風に見える。

 なんにしても、仲良くしてくれるならば有り難い。


「あの、本当に良いのでしょうか?私は側室とか妾でも良いのですが……」


 カティが遠慮気味に言ってくる。


 事前に妻にすると言ってあったのだが、まだ年齢の事を気にしている様子だ。


「カティがどうしても嫌だと言うなら諦めます。ですが、嫌でないなら、俺の妻になって欲しいです。いえ、します。貴女を他の男に渡すつもりは無いので、また説得をしますよ?」


 カティは、俺の言葉を受けて!顔を赤くしながらも、答えてくれた。


「なります。広坪様の妻にしてください」


 カティの顔が赤くなったのは、あまりに妾で良いと言うものだから、勢い余ってカティに妻になって欲しいとプロポーズした時に、ベッドの上でクタクタになるまで説得をして、『妻にしてください』と言わせた事を思い出したのだろう。


「ありがとうございます。大切にしますね」


「はい……」


 完全に赤くなって俯いてしまった。




 俺は気を取り直して、退去護衛について話す。


「それでは、次は聖堂院の事について報告します。騎馬部隊が先行して来るというい予想外の事が起こりましたが、彼女達を一番近くの村まで護衛する事はできました。そして、聖堂院はオシホ様とドライが一次改装をしています。ツヴァイによって振動関知で残留者が居ないことは確認されていますが、聖堂院内部を直接確認はしていないので、オシホ様とドライが確定情報を持ってくると思います」


「コウ様ならば、きっと大丈夫だと思っておりました」


「改めて、私の元同僚や保護していた者達の退去の護衛に協力していただき、ありがとうございました」


 ルティの称賛に続き、羞恥心からなんとか立ち直ったカティが立ち上がってお礼を言ってきた。

 俺はカティに頷きで返事をしてから、続きを話す。


「ただ、俺は一つ予定外の行動をしたので、その事についても話します。聖堂院に居た者達を近くの村まで送った後、彼女達に聖堂院の占拠宣言をしました」


「広坪様?何故そのような事をしたのです?」


 遠征に同行したカティ、マリーディアさん、ツヴァイには理由を話していたので質問は無かったが、アリスさんは当然の疑問をぶつけて来た。


「聖堂院の占拠目的のためです。聖堂院は、外部との交渉拠点にするために占拠しました。交渉に来てもらうには俺達が占拠したことを知ってもらっていた方が良いと判断しました」


「それでは、敵対行動と見られませんか?」


「どちらにしても、不法占拠には代わり無いのです。もし、正当性を主張するなら、カティを表に出さなければなりません。そんな危険な真似をさせるつもりは無いので、占拠宣言をしました」


「広坪様……」


 カティの件は話していなかったので、先程の事と相まってか、カティは目に涙を溜めている。


 なんだか、最初の頃とはカティの印象が180°変わって乙女全開だ。

 まぁ、俺としては愛おしく感じるだけなので、全然問題ない。


「人との本格的な戦闘になりますが、良いのですか?」


「どちらにしても、最初はそうなるでしょう。なので、占拠宣言をして、俺達の存在をアピールすれば、戦闘が早まり、結果的に交渉への移行も早まると考えました。勿論、その分準備期間が短くなる事を承知で実行しました。そして、それを補うのに皆様に負担をかけてしまうかも知れないという点につきましては、謝罪致します。すみませんでした」


「問題ありません。私やオシホ様、アイン、ツヴァイ、ドライにつきましては、大丈夫です。広坪様のご意志に可能な限り協力致します」


「私としては、聖堂院での女性達の保護をするというのは願ってもない話です。是非協力させて欲しいです」


 アリスさんとカティが早速賛成してくれる。


「勿論私も協力致します」


 ルティも協力を申し出てくれたのだが。


「申し訳ありませんが、ルティは妊娠していますし――」


「広坪様、過保護です。多少動いても問題ありませんし、動いた方がいい場合もあるのです。無理しない範囲にしますので、協力させて下さい」


「……わかりました。協力をお願いします。ですが、本当に無理はしないで下さいね」


「ありがとうございます。絶対に無理はしません」


 渋々ではあるが、認めた。

 妊娠に関しては、ルティの方が圧倒的に経験があるのだ。

 俺程度がどうこう言っても仕方がない。

 だが、心配には違いないので、アリスさんにルティの事を念押しして頼んでおこう。


「私も協力しますよ!」


「私達も協力します!」


「私も勿論協力致します」


「するー」


 マリーディアさんに続き、次女のアムリス、長女のレイシア、三女のクリスティアも賛成してくれたので、全員が認めてくれた事になる。


「皆、ありがとうございます」


 反対はされないだろうと思っていたが、こうして賛成してもらえると、やはり嬉しいものだ。




「俺からの報告は以上になります。研究所の事は問題なしと聞いていますが、何か報告したい事はありますか?事情以外なら何でも良いですよ?」


 俺の報告は済んだし、研究所も問題は無かったと聞いている。

 それても、話したいことがあるかも知れないので訊いてみたのだが、反応しているのは三姉妹だけた。


「レイシア、アムリス、クリスティア、何か言いたいことがあるのですか?」


 反応が気になったので、指名すると、長女のレイシアが口を開く。


「あの、下級だけど、ポーションを作れました」


「おお!凄い!頑張りましたね」


 三姉妹は、軽い戦闘訓練の他に技術系の訓練もしていた。

 一応全員に一通りの訓練を体験させて、才能や好みによって、訓練をしていた。

 長女のレイシアは、水属性の適正が高かったので、ポーションの作成をしていた。

 遠征前の状態では、下級のポーションとはいえ、まだ作れるような段階には無かったハズだったのだが、俺達が遠征している間に頑張ったのだろう。


「ありがとうございます。でも、まだ一個しか作れてなくて、他は失敗してしまいました」


「十分ですよ。一個作れたならまた作れます。俺も手伝いますよ。それで、作ったポーションは見れますか?」


「あの、アリスさん?」


 俺の問いに、アムリスはアリスさんに確認をとる。


「保管してあるので、すぐに持ってこれます」


「では、お願いします」


「はい。直ちに」


 俺がアリスさんに持ってくるように頼むと、次女のレイシアと三女のクリスティアが口を開いた。


「私のもお願い!」


「私のも」


「承知しました」


 どうやら、レイシアとクリスティアの二人も何か作ったみたいで、アムリスが作ったポーションを取りに行くアリスさんに、回収を頼んでいた。


「二人は何を作ったのですか?」


「ゴーレムのコア!」


「ファイアボール」


 次女のレイシアが『ゴーレムのコア』、三女のクリスティアが『ファイアボール』と言った。

 二人が言ったものは、魔玉に魔方陣を刻むタイプと魔法を封じ込めるタイプがあるのだが、魔方陣を刻むタイプを教えていないし、今回の遠征に出ていた間に修得できるものでは無い。

 なので、魔法を封じ込めた物だと分かるが、これはこれで魔法を一定時間キープしなければならず、二人にはまだ難しいハズなので、二人も訓練を頑張ったのだろう。


「凄いですね。二人も頑張りましたね」


「エヘヘヘ」


「……」


 次女のレイシアが照れ、三女のクリスティアも無言ではあったが、頬が赤くなっているので、照れているのだろう。



 そうこうしていると、アリスさんが物を持って戻ってきた。

 アリスさんの手には、ポーションと魔玉が二つ載ったトレイがあった。


「お待たせしました」


 アリスさんは、物が載ったトレイを俺の前に置くき、席に着く。


「これが……」


 三姉妹の初作品という感動と共に、まずは、トレイ載ったポーションを手に取り確認する。


 魔力を感じるし、不純物も含まれていない。

 確かに下級のポーションだ。


 次に確認したのはゴーレムのコアだ。

 コアに魔力を少し流してみると、ゴーレムの魔法が内包されている事が分かる。

 俺達が普段使っているゴーレムのコアに比べると小さいので、ゴーレムジタイノ大きさも少し小さいものになっているが、十分に使える代物だ。


 最後にファイアボールが内包されている魔玉だ。

 こちらも魔力を少し流してみると、今まで感じたことの無い手応えを感じる。

 これが火属性の魔法の手応えか。

 自分では使用できない魔法を使えるのが魔道具の利点だ。

 今のところ信用できる火属性に一番適正があるのはクリスティアだけだなので、結構貴重な品になる。



 持ってこられた物を見終わったので、顔を赤くしながらも上げると三姉妹が俺を食い入るように見ていた。


 集中し過ぎて無言だったから、不安になったのかも知れない。


「俺が居ない間に頑張ったんですね。どれも素晴らしい出来です」


 俺の言葉を受けて三姉妹が目を輝かせてくれる。


「それで、ですね。良かったらこれらの物を貰いたいんだけど、良いかな?」


「え?!もっとちゃんとしたのが出来たらそれをプレゼントするので、別なのじゃ駄目ですか?」


 長女のレイシアが嫌がった。


「レイシアが初めて作ったポーションだから御守りとして欲しかったですが、他の人に渡したいなら諦めます」


「いえ、そんなつもりは無いけど、下級だし、たまたま出来た物だから、ちゃんと効かないかも……」


「大丈夫です。効果はちゃんとありますから、初めてのポーションをくれませんか?」


「あの、はい。差し上げます」


「ありがとう。レイシア」


「……はい」


 レイシアは、照れて顔を赤くしながらも、下級ポーションをくれだ。


「アムリスとクリスティアはどうです?」


「私のゴーレムだと小さくて弱い」


「発射まで時間がかかる」


 アムリスとクリスティアもあまり積極的では無いみたいだ。


「搭乗型ゴーレムは大きいから、小さいゴーレムがあると便利です。発射に時間がかかるなら、それはそれで使い道もあります。ですから、二人の初めて作った魔具を貰えませんか?」


「大切にしてくれるなら」


「次はもっと良い物を作る」


 クリスティアの返事は貰って良いのか悩むが、貰っても良いと判断しよう。


「では、有り難く貰いますね。アリスさん、俺の装備に入れるので、専用のケースをお願いします」


「承知しました」


 三姉妹から貰った物をトレイに戻し、アリスさんに預ける。



「さて、他に何かありますか?」


 皆を見回すが、これ以上は無いみたいだ。


「それでは、事情について話して頂けますか?」


「勿論です」


 ルティが答えてくれる。


 これで、妻を増やさせようとした理由をやっと聞ける。




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