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異世界




 魔法に関して、習得したいと立ち上がりながら強く語り、習得可能だと言われ目を輝かせたが、次の言葉に反応し損ねた。


『魔獣や魔物』ってあのモンスター的な?

 異世界の可能増大?いや、まだ、早いよね。魔法だって裏社会的な感じで……ね。魔獣だって何か別の……魔法で強化された獣的な?魔物も……ね?

 ……聞いた方が早いか。落ち着いて行こう。落ち着いて。


「あの、その魔獣や魔物について聞きたいのですが、俺が居た所では魔獣も魔物も空想上の存在だけでして、魔獣や魔物とはなんですか?どんなのが居るんですか?」


「え?モンスターが空想上の存在ですか?魔物は理論上駆逐不可能なはずなのですが……。あの、説明します。魔物や魔獣は人類の驚異で、両方共モンスターと呼ばれます。まず、魔獣ですが、魔獣とは獣が魔力や『穢れ』を体内に貯め、体内に魔力が結晶化した魔核持ち、変質し凶暴化した獣のことです。倒すと死体が残ります。種類は多様ですが、ホーンラビットやダッシュボア等が一般的です。次は魔物です。魔物とは、端的に言って『穢れ』そのものです。人や動物、魔獣や魔法の使用、その他様々な理由で発生した『穢れ』が地脈に流れ、地脈の拒絶作用により、特定の場所に噴出、または蓄積され、魔石と呼ばれる物が発生し、それが魔物になると言われています。倒すと死体は黒い霧となり、消えて魔石が残るだけです。また、魔物の種類は多種多様で、『穢れ』の種類によって発生する魔物が変化します。人が多い場所の近くには亜人タイプのものが多いです。ゴブリン、オーク、オーガ、サイクロプス、スケルトン、ハーピー等が人族の付近に出やすい種類てす。あとはダンジョンに出現するのも全て魔物です」


 ……マジか。ゴブリン、オークにオーガやサイクロプス?

 しかもダンジョンだよ!

 これは、マジで異世界なのか?

 そうなると……アレも居るのか?


「も、もしかして、なんだけど、ドラゴン、なんて居たり……しますか?」


「はい、確かに存在します」


 マジか……。マジで異世界なのか……。

 俺は呆然としていると、ドラゴンの説明が始まる。


「ドラゴンは非常に強力で、魔獣と言われています。生態など不明です。飛行種も居るので、突然の襲来があり、一つの地域が落とされてもおかしくありません。ですが、ドラゴンは非常に数が少なく、基本的に標高の高い山に居り、そこから出る事は少ないそうです。ですので、襲われることは百年に一度有るか無いかといった具合です」



 ……これは、ガチで異世界か?

 俺は力が抜け、ベッドに再び座る。

 お話しだけだが、嘘には見えないし……そういえば、さっき壁を殴った怪我がすぐに治ったしな、魔法やポーションなんかもあるし、ダンジョンかぁ。

 そういえば、目の前のメイドさんは遠隔操作型ゴーレムだしな……。

 メイドさんを見つめていると、突然の力なく座ったので心配そうに声をかけてきた。



「あの、具合が悪くなったのですか?起きたばかりなのに長いこと話していました。久しぶりな会話だったので、つい長くなってしまい、申し訳ありません」


 頭を下げるメイドさん。

 俺は慌てて否定する。


「ち、違います。ある事実に気付いて、ちょっと力が抜けただけです。体調は良好ですから心配ありません。それより、その、おかしな事をこれから言うかも知れませんが、少し聞いてて欲しいのです」


「分かりました。お聞きします」



俺は意を決して、口を開く。



「あの、多分なんですが、俺は異世界から来た可能性が高いです」


「それは……」


「あの!もう少し聞いてて下さい。貴女の話しを全て信じるとしたら、俺は異世界、異なる世界から来た可能性が高いです。俺が居た場所、世界では、魔法は存在せず、ポーションは飲み物してありましたが、回復なんてしませんし、ドラゴンやその他の魔獣や魔物といったモンスターもいませし、ダンジョンもありません、全て物語の中、空想の中にしか存在しませんし、存在したという証拠もありません。それに召喚も世界を渡る様な物は特殊の部類に入ると思います。どう思いますか?」


「……正直、俄には信じがたいですが、世界を渡る様な召喚なら、情報が壊れているのも納得できます。もし、本当にモンスターが居ないなら、確かに異世界かもしれません。その、貴方様の世界の事をもう少し聞いても良いですか?」


「では、当たり前の事をいくつか……太陽と月は一つ、一年は365日で、12ヶ月、一月30日前後、7日で一週間、一日は24時間。人は白人、黒人、黄色人種など居るが知性体はヒューマン、人間のみで、俺と殆ど変わらない種だけでした。魔力なんて存在せず、電力や火力が基本で、以前は馬に馬車を引かせていたりしましたが、俺が居た時代は車と呼ばれる鉄の箱が馬も無く馬よりも速く、遠くまで走り、鉄の塊が空を飛ぶ様な世界です」


 俺は適当に世界の一気に事を喋った。

 それを聞いていたメイドは困惑していた。


「それは……いくつか共通点はありますが、到底信じられる話ではありませんね……。いえ、貴方を信じないといつわけではなく、あり得ない様な事を言ったので……」


「どの辺りが一緒で、どこが違うか教えてくれませんか?」


「はい。太陽は一つで月は二つです。一年の日数や月、時間は同じですが、一週間は6日になります。知性体は人間以外にに居り、エルフ、ドワーフ、獣人や魚人等がいます。魔力が存在しないというのも信じられません。魔力無くば、生活は非情に困難な物になります。鉄の箱も分かりませんが、似たような物なら作成可能です。空飛ぶ鉄の塊はありませんでした。ただ、ダンジョンが無いと言うのは信じがたいです。モンスターが発生しないならあり得るのでしょうが……」


「やはり千年近く前と今では大きく違うかもしれませんが、月は決定的です。そして、エルフ!にドワーフ!獣人に魚人かぁ……。その種はやはり空想、物語の中にしか存在しないとされていた種ばかりです。ダンジョンはそんなに重要なんですか?どんなダンジョンがあったりしますか?」



 エルフとドワーフの所で力が入った時にメイドさんに少し引かれた。だってエルフだよ?ドワーフだよ?会いたいよ!いや、見るだけで良い……かな?

 獣人は……人に近いタイプだそうだ。

 猫耳、犬耳、狐耳、そしてしっぽ……うむ。夢が広がる!

 そしてダンジョン、それはロマン!是非行ってみたい!



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