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ハーレム形成




 俺は、マリーディアさんに起こされた。

 状況としては、俺と団長さん、いや、カティが一緒に寝ている所を起こされた。

 マリーディアさんのニヤニヤした顔を見ると、どうやら彼女も一枚噛んでいたみたいた。




 とりあえず朝食を食べ、出撃の準備を整えて、落ち着いてから話をした。


「まず、この手紙について訊きたいのですが、本物ですか?」


 昨夜カティに渡された手紙の真偽について訊ねる。


 昨夜は、この手紙を読と混乱、さらにはカティの懇願で抵抗をしなかったが、もしこの手紙が偽者だったら、かなり不味い事になる。


「本物です。手紙を書く前に話し合いもあったので、内容も事前に決められた通りです」


 俺の問いにはマリーディアさんが答えてぐれた。


 そうか、事前に話し合いがあったのか……。


「それから、お姉ちゃんからもう一通の手紙を預かっています」


 そう言って、マリーディアさんがもう一通の手紙を差し出して来た。


「これは?」


「万事上手く行った場合に渡すように言われていた手紙です」


 上手く行った場合の手紙か。


「もし、俺が拒否していた場合はどうなっていましたかね?」


「それは……。この手紙は渡されず、お姉ちゃんの所に強制送還されて、私では口にできないような事をされていたかも知れません」


 俺が怒られる事になるのか……。

 マリーディアさんが、俺が拒否していた場合の事を話してくれたのだが、最後の方は顔色も悪く、手が少し震えていた。

 ルティはとても優しく、心が穏やかな人だが、そう言った人を怒らせると怖いと言うし、マリーディアさんとは歳も離れているから、叱られた事もあっただろうから、その事を思い出したのかも知れない。

 俺も気を付けておこう。


「そ、そうですか。とりあえず手紙を読みますね」


 俺は、マリーディアさんに渡された手紙を読む。



『これを読んでいるという事は、カティと結ばれたという事なので、一安心です。


 ですが、まずは謝罪をしたく思います。

 広坪様が私に気を使って、他の女性に目を向けない様にしていたことは存じ上げておりましたが、この様な事を企んだ事を謝罪します。

 申し訳ありませんでした。

 お戻りの際には、改めて謝罪させて下さい。


 今回、この様な事を企んだ経緯は、カティが広坪様様の事を想っている事が分かってから始まりました。

 それからは、私とカティ、オシホ様とアリスさんの利害が一致したので――』



 ルティが謝る必要は無く、俺が謝罪をしなければならない。

 と思っていると、オシホ様とアリスさんの名前が出てきて、この計画に関わっていた事を知る。


 思わす手紙から顔を上げて、オシホ様を探して回りを見回す。

 視界にオシホ様を捉える事はできなかったが、納得もした。

 いくらカティが信用されているとは言え、俺の個室に来るのにオシホ様監視をすり抜けれるハズが無いのだ。

 何らかの警告があってもおかしくなかった。



 それから、カティの好意については昨夜聞いていた。

 所謂、私より強い人でなければ――な人だった。

 つまり、15,000のオークを殲滅したときに使った大規模魔法の事を言っていた。

 俺は、まだ抵抗している時に、あの魔法はオシホ様の影響である事と、模擬戦で負けた事を主張したが、事前に全てを知っていながらもなお、俺を求められた事で陥落してしまったのだ。

 体術も完敗でしたし……。



 俺は、気を取り直し、改めて手紙を読んだ。


 内容としては、以前からハーレム化を狙っていたみたいだった。

 具体的には、去年から。

 ハーレムについて頻繁に話題を振っていたのもその一環だそうだ。


 俺が興味を示していた事が完全に見抜かれていたよ……。

 だって男だもの、仕方がないだろ!

 これでも精一杯隠そうとしたんだよ!


 なんにしても、俺がハーレムを否定いしていない事が分かったので、計画を練っていたそうだ。

 そして、ルティの妊娠が分かり、計画を具体化している所に、今回の秘密拠点建設の話が上がったので、計画を最適化して実行したそうだ。

 かなり近いが単身赴任状態にして、一時帰還を禁止、更には食事にも元気になるお薬が少し仕込まれていたそうだ。


 一時帰還を止められたのはやんわりとだったのでそれほどおかしいと思わなかったし、食事に薬が混ぜられていたのも気付かなかった。

 俺は鈍感だな……。


 手紙を読み進めて分かったことは、オシホ様とアリスさんは俺の子沢山を狙い、カティも俺の子を望み、俺の事情も知っている事が分かった。

 だが、ルティは、俺のハーレムそのものを目的にしたような文面で、その事が多少引っ掛かったが、全体的には納得できた。



 俺が手紙から顔を上げて二人を見ると、マリーディアさんは少々ニヤけた顔で、カティは頬を赤くして自分の手元を見ていた。


「事情は分かりました。カティ、貴女は俺で本当に良いのですか?俺は、独占欲が強いみたいなので、ここで了承すると、もう手放しませんよ?」


「あの、はい。よろしくお願いします」


 普段キリッとしているカティが、顔を赤くして、涙を溜めながらの笑顔はなかなかクルものがある。

 ギャップ萌とはこの事かと確信させる笑顔だった。


 手紙に責任をとるように書いてあったが、俺としても手を出した相手を無下に扱うつもりは無かったので、しっかり責任をとるつもりだ。


「これで、カティお義姉ちゃんと呼べますね」


「そうね。改めてよろしくね。マリー」


「よろしくお願いします。カティお義姉ちゃん」



 目の前で、妻の妹と新しく妻になった人が仲良くしている。

 なんとも不思議な光景だ。

 郷に入っては郷に従えと言うが、俺が二人も妻を娶る事になるとは……。

 異世界って凄いな。


「そう言えば、俺はもう一時帰還をしても良いのですよね?ルティに報告したいのですが?」


「あぁ、それは駄目です。待機の理由も正しいですし、広坪様にはカティお義姉ちゃんと頑張ってもらわなければなりません。カティお義姉ちゃんは今が当たりやすい時期なので」


 当たりやすい?


「それって……。カティは良いのですか?」


「はい。私も早く欲しいので……」


「だから!これから一ヶ月間は毎日広坪様には頑張ってもらいます!」


「ええ?!身が持たないですよ!」


「大丈夫です。さっき食べたじゃないてすか」


「え?あの朝食にも?」


「はい。少々増量されて入っていたハズです」


「そ、そうか。カティは大丈夫ですか?」


「はい。大丈夫です」


「分かりました。よろしくお願いします」



 朝からなんという事を話しているんだと思わなくも無いが、問題は解決……したと思う。

 というか、俺以外がグルになって、俺が嵌められただけだな。


 少なくとも俺は、これで納得した。

 それに、オシホ様にも事実確認をしたら、二人の言う通りだという証言も得れた。

 オシホ様が言うなら間違い無い。


 それからは、護衛のための待機と施設の内装系の作業をした。

 内装の指示を受け、俺とカティ、マリーディアさんで内装のほとんどを俺達で仕上げた。

 センスは女性二人に頼った。


 オシホ様は、施設の強度や防衛能力の向上、空調なんかの設備系の作業をしていた。

 まぁ、ほとんどが研究所からの流用だったので、必要な物は全てあったので、日に日に秘密拠点内が快適になっていった。




 ☆☆☆




 カティと仲良くしながらも、ここに来てそろそろ一週間が経とうと言うときに、オシホ様に案内されたのが脱出路だった。

 ここがバレて、万が一脱出をするような事態になっなら、ここから脱出をするように言われたら。


 脱出路は、搭乗型ゴーレムでも通れるほど大きかったが、曲がりくねっていた。。

 そして、脱出路の先は、大山脈まで続いており、臨時の避難所の様な空間があり、多少の物資も置かれる予定だそうだ。

 その臨時の避難所からは、地表に出る通路もあったのだが、出口は地面より10mほど高いところにあった。

 この脱出口を発見されないための処置で、ここからはゴーレムで滑り落ちるか、生身の場合はロープて降りる様にと言われた。

 外からも確認をしたが、偽装も完璧で、発見は困難だと思える。


 これで秘密拠点がほぼ完成した。

 秘密拠点は、四分の一が居住と作業をする空間になっていて、脱出路もそこにある。

 そして、四分の一が訓練等をする多目的空間、残りはゴーレムと物資の保管場所になっている。

 最初の頃は広いと思っていたが、ギリギリだったかも知れない。




 多少の細かい所はまだあるが、完成を祝いながら昼食を食べ終えたら、ツヴァイが報告に来た。


「ただ今戻りました。至急の報告があります」


 ツヴァイが持ってきた報告は、事態が予想と違った方向に進んだというものだった。


「周辺偵察に出ていたドライが、100騎の騎兵と10台の馬車の集団を発見し追跡、その集団は聖堂院へ入りました。私も確認しています。装備はカティリア殿達と似ていましたが、男性の姿も見えました。それ以降は動きがありませんでした」



 カティは、この報告を受け、まだまだ先だろうと思っていた援軍が来たという判断をした。

 食料不足を心配したのか、オーク襲撃の情報を他で知って、先行してきた部隊かも知れないそうだ。



 俺は、今後の展開を考え、黙っていると、マリーディアさんが口を開いた。


「そうなると、退去の時の戦力が増えるので、安全性が増したと考えて良いでしょうか?」


「いや、そうとは限りません。もしかしたら退去の話自体が無くなるかも知れません」


 俺がマリーディアさんの考えを否定する。


「え?何故です?」


「聖堂院側の戦力が増えました。現状で倍になったので、追加の援軍を待てる様になったかもしれません。それに、先程合流した部隊は退去の事を知らない可能性もあるので、退去に反対する事も十分にあり得るかと思います」


「そうですね。指揮官次第ではありますが、十分にあり得ますね」


 俺の示唆に、カティが肯定的な意見を言ってくれた。


「それよりもじゃ。援軍が残り、残留組だけで退去となった方が難しいかも知れぬぞ?護衛の対象が増えかねん」


「それは嫌ですね。バラバラになられると、戦力を割く必要が出てくらかも知れませんね。そういえ、援軍の来る前と後で聖堂院の動きはどうでしたか?」


 オシホ様の仮定に嫌な想定が頭を過ったが、更なる情報を得ようと続いてに訊ねる。


「援軍の来る前は、いつも通りでしたが、物資の運搬などは大分落ち着いていた様に見えました。援軍が来た後は、一時的に慌ただしくなりましたが、すぐに落ち着いた様でした」


「時期的にも見ても、そろそろ出発の準備ができたのかも知れませんね。混乱の様子が無いなら、出発と残留、両方の可能性があひますね」


 ここに来て、聖堂院残留組がどう動くか分からなくなった


「こうなってしまいましたし、どうします?」


「監視の強化だけですね」


 マリーディアさんが方針を訊いていたので、俺が答える。

 いつも通り、監視の強化をして、様子見だ。

 状況に合わせて動くしかない。


「そうじゃな。それしかあるまい。ツヴァイよ、監視を継続じゃ」


「承知しました。いって参ります」


 オシホ様も俺の意見を肯定し、早速ツヴァイに指示を出した。



 このあと、状況に対しての対応策をいくつか検討したが、いつも通り早めに休むことにした。

 翌日は事態が動く可能性が高いので、カティとは別に寝た。









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