表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/236

第二次オーク迎撃戦 後編

 



 俺達遠征組は、敵右翼に攻撃を仕掛け、一匹残らず殲滅し、その後、俺達はオーク達の後方へ回り込むべく、中央と俺達を分断している壁の南端へ移動した。



 壁は森の際に生えており、森を出るとすぐに壁だ。

 壁の中央側は、状況が分からないので、壁の端かそっと覗く。


 俺達から見て北北西の位置にオーク達が見える。

 思っていたよりこちら側に近い。やはり、俺達が攻撃した事を何らかの方法で知り、救援に駆けつけようとしたのだろう。


 オーク達の様子は、既に戦闘状態にあるらしく、前方の方が騒がしい。

 偵察の報告では、俺達が殲滅したオークジェネラルの群れ同様に横に並んだ陣形のハズだったが、今は一塊になっていて、隊列もバラバラだ。


 現状、後方からオークジェネラルを奇襲するチャンスではあるのだが、俺達は取り逃がし防止のために、ここに居るので、今は手を出さない。

 それより、敵左翼、アリストラさんが、戦闘指揮を執っている方面が気になる。

 南側に大きく迂回しながら、アリストラさん側の敵後方に回り込む事にしたが、一応の保険として、ドライを監視に残していく。



 ――――――



 アリストラside


 時は遡り、遠征組がオーク達へ突撃をする少し前。




 オシホ様の合図があり、広坪様達の遠征組が突撃を開始した。


 こうして、広坪様達と共に戦える事をとても嬉しく思う。

 ただ、少し離れているのが残念だ。


 私は、三つの部隊の内、その一つを預かっている。

 しかも、広坪様から推薦して頂いた。

 必ずや、私の担当するオーク達を殲滅する。

 広坪様の想い人を守るためだが……。今の私に相応しい役目だと思う。



 オシホ様から私に合図があった。

 前進を開始する。



 魔力供給用魔具によって私もここに立つことができたが、この魔力供給用魔具は、まだまだ完成とは言えない。

 広坪様の要請で、封印前に研究していた物を、ここ最近で再研究して、なんとか形にしたものだ。

 完成させることが出来れば、最低でも今の倍は供給可能範囲にできるハズだ。

 今後の事も考えると、できるだけ早く完成させたい。



 オーク達が見えた。

 偵察の情報通り、100匹の小集団が10個ある。

 一番左の小集団に背が高いオーク達が何匹か確認できる。

 一番大きいのがオークジェネラルで、その次に大きいのがハイオークだろう。


 事前情報通りなのて、予定通りに部隊を展開させる。

 オークジェネラルの小集団に20体の戦闘用ゴーレムを割り振り、残りは10体毎にまとめて、他の小集団に対応させる。

 射程圏内に入ったのを確認して……。


「攻撃開始!」


 ゴーレム達は、私の指揮下なので、掛け声は必要無い。けど、雰囲気は大切にしたい。


 私の掛け声で、ゴーレム達は、両腕を前に突き出す姿勢になり、魔具によるロックバレットを連続発射する。

 射程は100mほどではあるが、頭なら1発、体なら2、3発当てればオークを倒せる威力がある。

 1秒で1発撃つ事が出来るので、ゴーレム達は左右の腕の魔具で、交互にロックバレットを発射し、左方向を中心にオーク達を倒していく。



 遠距離攻撃を開始してすぐに、オーク達に動きがあった。

 群れが二つに分かれ、オークジェネラルに近い半分ほどがオークジェネラルに集まり、残りは、そのままがこちらへ突撃してきた。


 オーク達がこちらへ突撃しようとした時、広坪様の側に壁が生えた。

 オシホ様によって魔具が発動してのだろう。

 つまり、中央の本体は、広坪様の側に行こうとしたのだ。



 突然生えた壁に意識を少し持っていかれたが、突撃してくるオークに対応する。

 私は、30体のゴーレムで突撃してくるオーク達達に攻撃をさせる。

 ゴーレム10体は先頭のオーク達の足を狙わせる。

 足を撃たれて先頭が倒れ、後続を巻き込んで倒れたり、踏み潰されて黒い霧になる。


 以前、広坪様の戦闘報告に、足を狙って転ばせれば足止めになるし、後続に踏み潰させる事で効率的に敵を倒したと報告があったので、真似てみたのだが……。

 確かに、効率的だ。

 突撃速度は鈍り、足を狙って転ばせれば、次々に黒い霧になっていく。

 さらに、突撃速度が鈍った事で、普通に攻撃しているゴーレム達も、オークの頭を狙いやすくなり、殲滅速度が向上している。



 ロックバレットでオーク達を倒せては居るが、このままではオーク達に接近されてしまう。

 ロックバレットの射程か威力、連射性能の向上が必要そうです。

 研究項目に追加しておかなければ……。



 100mの距離を詰められる迄に、突撃してきたオーク達を半分ほどに減らすことができた。

 後は、ゴーレムでオークの突撃を受け止めます。


 こちらのゴーレムは、遠征用とは違い、魔力消費を気にしない戦闘用ゴーレムだ。

 この程度の突撃を受け止める事は容易く、オーク達は完全に動きを止め、ここから一気に反撃をする。


 ゴーレム達は、一撃でオーク達を黒い霧にしながら、前進しようとするが、ここでまたオーク達に変化があった。


 150匹ほどのオーク達は、一斉に後退し、半分ほどがオークジェネラルを攻撃しているゴーレムに突撃、残りのオークは、その場に留まり、ゴーレムの足止めをするつもりみたいだ。


 対処しない訳にはいかないので、一時的に全てのゴーレムで、突撃してきたオーク達の相手をする。

 そこからは圧倒的で、2分ほどで突撃してきたオーク達を殲滅できた。



 さぁ、後はオークジェネラルだけ……。

 と、思ったら、離れた位置に居たオークジェネラル達が、反転して逃げ出そうとしていた。


 不味い!逃げられる!


「追撃!」


 ゴーレム達に追撃指示を出し、魔具を起動させようとした。


 魔具は、壁を発生させる魔具で、敵が逃走しようとした場合、それを防ぐために、予め埋めてあった物だ。


 だが、その必要は無かった。


 オークジェネラル達の逃走進路上に一際大きなゴーレムが姿を現したのだから。

 広坪様の部隊が南側に回り込む話はあった。

 けど、最速で行動しないと、ここまで早い段階で南から来る事は出来ない。

 つまり、広坪様は最速で目的を達していたのだ。


 やはり、素晴らしいお方だ。

 惚れ直してしまいそうになる。


 いやいや、まだ、戦闘は終わっていない。

 オーク達が魔力供給範囲内に居るなら、ゴーレムを 向かわせなければならない。


「追撃続行!」


 自分に言い聞かせる様に号令を出し、オーク達を追いかける。

 走りながらロックバレットを撃つが、ぶれてほとんど当たらない。

 これ以上は、誤射になりかねないので、ロックバレットの射撃は止めて、追走に専念する。



 オークジェネラルは、広坪様達の攻撃で足が止められる。

 その隙に追い付き、オーク達を挟撃する。


 ハイオークやオークジェネラルは強かったが、問題なく倒す事ができた。


 前回もオークジェネラルを倒したが、その時は数で圧倒していた。

 今回は、少数なので、よりオークジェネラルの強さを実感できた。

 広坪様達は、オークジェネラルを倒してこちらに来ているハズなのだが、私では、これほど早く駆けつける事はできなかったと思う。


 改めて、広坪様に尊敬の念を向けていると、広坪様に声をかけられる。


「アリスさん、被害は出ましたか?」


「いえ、出ませんでした」


「それなら良かった。これから、オシホ様援軍に……」


 広坪が言おうとした瞬間、生えていた壁が解除された。

 これは、戦闘終了を意味し、既にオシホ様は、オーク達を殲滅したのだろう。


「終わった見たいてすね。オシホ様と合流しましょうか」


「そうしましょう」


 広坪様の言葉に同意し、共にオシホ様様の元へ向かう。




 ――――――



 オシホ様side



 再び時は遡り、遠征組が配置に着いた頃。




 オーク達も予定のラインを越えたのを確認。頃合いじゃな。


 広坪へ合図を出し、移動したのを確認。


 遠征組が戦闘を開始する頃合いに、アリスにも合図を送り、こちらも移動したのを確認。



 さて、ワシも移動するかの。


 オシホ様の指揮で200体のゴーレムを同時に前進させる。

 ゴーレム達の動きは、一糸乱れぬ整然とした動きだ。

 半自立型のゴーレムとはいえ、200ものゴーレムをこれほどキレイに動かせるのは、大精霊であるオシホ様だからだろう。

 アリストラや精霊トリオでも、200体のゴーレムは同時操作可能ではあるが、ここまでの動きをさせることは難しい。



 ゴーレムを南下させていると、前方にオーク達が見えてきた。

 だが、その動きは止まっており、様子がおかしい。

 オシホ様は、ゴーレムを移動させながら、オーク達の様子を観察する。

 すると、突然全てのオークが東へ移動を開始した。



 広坪達が戦闘を開始したのじゃな

 まさか、本当に意思疏通しておったとは……。

 まぁ、良い。やることは変わらぬ。



 手筈通り、魔具を起動させて広坪の側へ移動するのを阻止するための、壁を発生させる。

 だが、オーク達は止まらない。



 何故止まらぬ?

 理由は分からんが、攻撃の好機ではある。



 オシホ様は、ゴーレム達を全速異動させ、オーク達を追いかける。

 オーク達は逃げている訳では無いので、すがに距離は縮まり、ロックバレットの魔具の射程圏内に入る。



 群れの中央、オークジェネラルに集中放火を浴びせる!



 通常であれば、移動しながらのロックバレットは、命中させることはほとんど出来ない。

 だが、オシホ様は並みでは無い。

 50体がオークジェネラルに向けてロックバレットを放ち、そのほとんどが、オークジェネラル付近のオーク達へ命中させ、20匹以上を黒い霧にした。

 さらに、オシホ様はロックバレットによる攻撃を続け、100近くを倒した頃に、オークジェネラルも、オシホ様を無視できなくなった。



 ようやく止まったか。

 さて、ここからが本番じゃ。



 オシホ様は、ゴーレムを4列横隊から2列横隊へ隊列を変更し、前の列のゴーレムをしゃがませ、攻撃体制へ移行させる。

 隊列変更は、ほぼ最速で行われた。



「撃ち方始め!」



 隊列変更が終わると同時に、オシホ様の号令で、前列のゴーレムはしゃがんだまま、後列は立った状態で両腕の魔具でロックバレットを連続発射する。

 攻撃目標は、オークジェネラル。



 お?集中放火でハイオークが1匹逝ったな。

 それに、集まりだしたな。

 そろそろ突撃かの?



 オシホ様の攻撃を受けたオークジェネラルは、オーク達を盾にしようと集めたが、オシホ様の集中放火が激しく、オーク達が集まる前に、直属のオーク達が倒され、ハイオーク1体までもが倒されてしまった。

 だが、オークジェネラルに攻撃が届く前に、オーク達が集まり、盾ができた。

 しかし、オシホ様の攻撃は継続されており、盾となっているオーク達が次々に倒されていく。

 オークジェネラルは、この状況を打開すべく、オーク達がある程度集結した段階で、突撃を開始した。



 突撃か、悪くは無いが、想定済みじゃ。



 オシホ様は、後列の、立ったまま攻撃していたゴーレム達を半分に分け、左右に移動させる。

 分かれた後列は、移動しながらも攻撃を続け、突撃してくるオーク達を、半包囲に誘い込む。

 オーク達は、前と横からの集中放火で次々に数を減らしていくが、オシホ様のすぐ近くまで来ることができた。



 まぁ、ここまで来れば、殲滅できたな。



 オシホ様は、しゃがませていたゴーレム達を立たせ、突撃してくるオーク達に備える。

 陣形を変更した事で、オーク達の正面戦力は薄くなってしまったが、オークの突撃を難なく受け止める。

 その間も、左右に展開したゴーレム達が、ロックバレットで攻撃を続け、確実にオーク達を減らしていく。

 勢いの止まったオーク達相手に、突撃を受け止めたゴーレム達も接近戦で、オーク達を倒していく。


 その後もオーク達は、多少の抵抗をするも、次々に倒されて行き、なにも出来ずに、倒されていった。

 残るは、オークジェネラルとハイオークのみ。



 さて、トドメといこうかの。



 オークジェネラルとハイオークをゴーレムで囲み、オシホ様が和の中に入る。

 包囲されたオークジェネラル達も包囲の中に入ってきたオシホ様に注目する。



「これで終わりじゃ!ロックジャベリン!」



 オシホ様が両手を上げ、魔法を発動させる。

 オシホ様の頭上には、10の巨大な岩の槍が浮いている。

 オークジェネラル達は何かしようとしたが、それより早くオシホ様の手が振り下ろされ、ロックジャベリンがオークジェネラル達に飛んでいく。

 ロックジャベリンは、狙い違わずオークジェネラルとハイオークに突き刺さり、魔石を残し黒い霧へとなった。



 やはり、この体ならかなり楽じゃな。



 オシホ様は、オークジェネラルの殲滅を確認し、壁を発生させていた魔具の発動を止める。




 ――――――



 アリストラさんと一緒にオシホ様の元に着く。


「オシホ様お疲れさまです。どうでしたか?」


「問題なく終わったのじゃ。そっちはどうじゃった?」


「私の方は、広坪様が来て下さらなかったらオークジェネラルを取り逃がしてたかも知れません」


「俺の方は、かなり上手く行きました」


「そうか、ならば、後始末をして、引き上げるのじゃ」



 魔石や設置した数々の魔具を回収し、研究所に戻った。





 その後、簡単な偵察を行い、再び聖堂院へ訪問する事にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ