表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/236

第二次オーク迎撃戦 前編

 



 聖堂院再訪問から五日が経った。




 俺達は、研究所から東の方向に魔具を設置する事で、地域の境近くまで魔力供給範囲を広げた。


 設置は魔力供給範囲内用の作業用ゴーレムによって行われ、地下2mほどに埋め込まれている。

 地下に埋め込んだのは、勝手移動させられない様にだ。

 魔力供給用魔具は、一辺1mの正六面体なのだが、移動させることが出来ないことはない。

 それに、破壊されては一気に危険な状況になってしまう。魔具自体は強固に作ってあるが、絶対では無い。


 10mほど埋めよう、という意見もあったが、現在の配置は変更される可能性が高い。なので、比較的容易に掘り出すことが可能な2mとした。



 遠征可能なゴーレム達は、供給範囲外での偵察や罠の設置などを行い、迎撃戦に向けて着々と準備をした。



 偵察の結果、オーク達の群れは、それぞれ離れてはいるものの、移動速度を揃えながら北上し、横に並んでローラー作戦を展開している様な陣形だった。

 このオーク達の動きは、前回の3000匹のオークが居なくなった事で、調査を兼ねているのではないか、という印象を受けた。



 オーク達の編成は、それぞれの群れにオークジェットコースターが居り、ハイオークは、2000匹の群れに10匹、1000匹の群れには5匹居るのが確認され、オークジェネラルとハイオークは同じ部隊にまとまって居た。

 そして、部隊それぞれにオークリーダーが配属されていていた。


 オーク達の陣形は、中央に2000、その左右に1000が展開しており、さらに、それぞれの群れが10個の部隊に分かれ、横に並んでおり、かなりの範囲を押さえながら北上していた。

 オークジェネラルが居る部隊は、全てが中央よりに配置されていて、2000匹の群れでは中央に、1000匹の群れでは2000匹の群れに一番近い、内側の配置になっているのを確認した。




 オーク達に対して、俺達の戦力は大きくは変わらない。

 遠征用ゴーレムの正式版は完成していないし、研究所のゴーレムも増やしていない。

 多少の装備の変化はあったが、遠征可能な19体のゴーレムと、研究所の戦闘用ゴーレム300体の内250体で、オーク達を迎撃する。





 時刻はお昼前だが、俺は早めの昼食を食べている。

 丁度お昼頃に、オーク達が作戦区域に侵入するみたいなので、昼食を早めに食べる事になった。


 研究所のゴーレム達は、昨夜から配置に着いている。

 万が一、オーク達が突如北上速度や、夜間にも行動しだした場合に備えてだったが、俺達の予測通りに行動してくれた。

 人間みたいに、疲労などを考えずに使えるのは、ゴーレムの大きな利点の一つだと思う。





 今回の迎撃作戦では、戦力を三つに分けている。


 まず、遠征可能な戦力のみの部隊。

 遠征可能な部隊はゴーレム19体で、数に変わりは無いが、オシホ様が居ない。

 オシホ様は、研究所のゴーレムの本隊指揮を執ることになっている。

 なので、作業用ゴーレムは、全てがツヴァイの指揮下に入り、オシホ様とオシホ様指揮下の戦闘用ゴーレムは、それぞれアイン、ツヴァイ、ドライに1体ずつ配置されている。

 つまり、それぞれが戦闘用ゴーレムを3体指揮下に置き、ツヴァイが作業用ゴーレム6体も指揮下に入れている事になる。

 俺達は、敵右翼、俺達から見て左側、研究所に近い、東側に居る1000匹の群れの正面に配置されている。


 次が、オシホ様が率いる本隊だ。

 オシホ様は、魔力供給範囲内用メイドゴーレムで本体の指揮を執る。

 本隊は、戦闘用ゴーレム200体で、中央に居るオーク2000匹の正面に配置されている。


 最後に、アリストラさんのメイドゴーレムが率いる、50体のゴーレム隊になる。

 アリストラさんの部隊は、研究所から最も離れた西側のオーク1000匹の正面に配置されている。



 以上の戦力と配置でオーク達を迎撃する。




 今回の迎撃戦の総大将、全体の戦闘指揮はオシホ様になる。

 俺やアリストラさんでも良かったが、200体ものゴーレムの指揮なんて俺には出来ないし、アリストラさんには他の役目がある。なので、オシホ様が最適任者となった。




 昼食を食べ終えてお茶を飲んでいると、配置指示が来たので、ゴーレムに乗り込み、俺も配置に着く。



 戦闘配置に着いて、チラホラと降ってくる雪を見ながら待機していると、オシホ様から作戦開始の合図があった。

 今作戦ては、遠征組である俺達が先陣を切ることになっていたので、合図と共に動き出す。



 オーク達はまだ見えていないが、作戦上俺達が早い段階で先制攻撃を仕掛ける事になっている。

 この行動は、単純に様子見を兼ねており、本格的な攻撃を受けたオーク達がどの様な行動に出るのか、という確認の意味合いが強い。

 つまり、威力偵察的な物なのだが、オークジェネラルを狙っていたりする。

 ここで敵左翼のオークジェネラルを討てれば、連携を乱せる。


 まぁ、様子見なので、無理はしない。



 俺達が魔力供給範囲から出て少しした頃に、やっとオーク達を発見したので、この部隊の指揮を執っている俺が、指示を飛ばす。


「突撃!」


 俺達は、一斉に走り出し、オーク達の中央に突撃を開始する。

 俺達は森の中なので、そこそこ近い距離での発見となったので、すぐに距離が縮まっていく。

 オーク達も俺達を発見し、進撃を止めて迎撃の構えを見せている。


 俺達の陣形は、オーク達に合わせて横に長くなっており。

 左から順に、アイン、ドライ、ツヴァイ、俺の順で並んでいて、俺以外はゴーレムを率いている。


 俺達はオークまてまあと50mほど、という所で右方向、オークジェネラルの側に進路を変えて突撃を継続する。


 俺達の進路変更に、オーク達は動揺を見せたが、オークジェネラル護衛のために、動き出す。

 それの動きに合わせて、俺達は二手に分かれる。

 俺とツヴァイがオークジェネラルへ、アインとドライがその他のオークを足止めするために動く。


 素早く動き、多くのオーク達を置き去りに成功したが、オークジェネラルの隣に居た部隊が俺達とオークジェネラルの間に入り込んできた。

 このぐらい想定済みなので、俺とツヴァイは構わず突撃する。



 今回、俺の装備は盾を無くし、大剣を二本持ってでの、戦闘参加になる。訓練とか言ってないで、殲滅を優先する事にした。



 俺は、大剣二本でオーク達を縦に切り裂きながらオークジェネラルへ突撃し、ツヴァイは、俺の隣で戦闘用ゴーレムと共にオークを倒しながら、作業用ゴーレムの弩で俺の援護をしてくれている。


 アインとドライは上手くオーク達を分断しており、今少しの間はオーク達はこちらに来る様子は無い。



 俺とツヴァイは、オークジェネラルの部隊との間に入ってきた部隊を瞬く間に殲滅し、オークジェネラルの部隊に肉薄する。

 オーク達を斬りまくっていると、ハイオーク2体が俺の前に出てきた。


 出てくるのは当然なのだが、直接戦うのは初めてだ。少し緊張するも、やることは変わらない。右手の大剣を振り上げ、ゴーレムの全力でハイオークの上から大剣を降り下ろす。

 ハイオークは、こん棒と腕で防ごうとたが、こん棒と腕ごと胸ほどまで切り裂いた。

 縦に真っ二つにするつもりだったが、オークとは違い、流石に硬かった。


 もう一体のハイオークが俺に向かって来るが、左手の大剣で突きを放つ。大剣はハイオークの腕に防がれ、ハイオークの腕の半分ほどしか突き刺せなかった。

 右手の大剣が、ハイオークが黒い霧になると同時に、左足でハイオークを蹴り、よろめいたところを、右手の大剣で首をはねた。


 ハイオークを2体倒して隣を見れば、ツヴァイにもハイオークが3体対応していた。

 ツヴァイがハイオークの攻撃を盾で受け止めた瞬間に、ハイオークの顔に弩の矢が六本生え、怯んだハイオークに、ツヴァイが渾身の突きを放ち、ハイオークの喉を貫き、見事に倒していた。

 残り2体は、戦闘用ゴーレムで対応していたが、決め手に欠ける様だが、足止めに成功していた。

 残りは、少しのオークとオークジェネラルだ。



 残りのオークを斬り倒すが、オークジェネラルは逃げる様子を見せず、武器を構える。


 オークじの武器は大剣だ。

 これは、オークジェネラルとして発生した時から所持している物で、オークジェネラルの一部とも言われている。

 特殊な魔物は、発生した時から武器を持っている事があり、倒されると、体と共に黒い霧になって消滅する、


 俺は、武器を構えてオークジェネラルと対峙する。

 一瞬の間があり、同時に斬りかかる。

 俺は、右腕の大剣で斬りかかり、オークジェネラルの大剣とぶつかり、弾かれる。オークジェネラルも大剣が弾かれたので左腕の大剣で凪ぎ払いに行ったが、オークジェネラルは、大剣をなんとか戻し、俺の攻撃を受け止めるも、大きく後退する。



 体格差もあり、渾身の力で斬りかかったが互角とは思わなかった。

 流石はオークジェネラル。だが、あまり時間をかけると援軍が来てしまうかも知れない。

 ……次で決める。



 再び大剣を構え、オークジェネラルと対峙し、オークジェネラルに一歩踏み出しながら右腕の大剣をオークジェネラルに投げる。

 大剣は回転しながらオークジェネラルへ向かい、こちらへ踏み出したオークジェネラルへ直撃のコースだったが、オークジェネラルが咄嗟に大剣で弾く。だが、オークジェネラルは体勢を大きく崩す。

 その隙を生かし、左腕の大剣を腰だめに大剣を突きだして、大剣に右腕を添えて、体ごとオークジェネラルに飛びかかる。


 剣先はオークジェネラルの胸に吸い込まれ、オークジェネラルは俺のゴーレムに押し潰される形で地面へ倒れる。


 倒れ込んだ俺は、素早くオークジェネラルから離れるが、オークジェネラルは、大剣で地面に縫い付けられていた。

 驚いた事に、オークジェネラルはまだ生きていた。

 普通のオークやハイオークならば、もう黒い霧になっているハズだが……。


 俺は、投げて弾き飛ばされた大剣を拾い、オークジェネラルの首をはねた。



 その瞬間、俺達の現在地と2000匹のオークが居る中央との間に壁が生えてきた。

 これは、中央のオークジェネラルがこちらへ向かおうとした場合のみ発動させる事になっていたので、オシホ様が魔具を発動させて、中央と俺達を分断したのだ。


 オシホ様の遠征用のゴーレムは、魔具の発動や魔法の発動は出来ないが、魔力供給範囲内用のゴーレムならば、好きに使えたりする。



 状況が動いた事を理解した俺達は、残りのオーク達を殲滅すべぐ動き出す。


 俺とツヴァイで200匹、アインとドライは既に300匹以上オークを倒しており、残りは500未満だ。

 オークジェネラルも、ハイオークも居ないオーク達は、既に驚異では無い。

 俺達は、オークジェネラルの元に向かおうとして、一塊になっているオーク達を包囲殲滅しようと、広がりながらオーク達を殲滅していく。


 オークジェネラルが討たれた事で統率力が落ち、オーク達の動きが乱れていたので、殲滅するのがとても楽だった。

 バラバラに逃げられると大変だったが、オークリーダーが残っていたので、中途半端な指揮で一塊のままだったので、数分で殲滅する事ができた。



 オークジェネラルをほぼ最速で倒す事ができ、オーク達も無事に殲滅できた。

 オシホ様からは、特に合図が無いので、作戦計画に従い、次の行動に移る。


 俺達は、遠征用の編成なので、魔力供給が無くてもしばらくは行動ができる。

 その特性を生かし、オーク達の後方遮断に動く。


 正直、オーク達は北上する事はできないと思うので、あとは逃げられないように背後に回り込むだけなのだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ