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オークジェネラル殲滅

 



 俺が作戦を立てて、陣地を作り、オークジェネラル率いるオークの群れを迎撃し、そして、敗北した。



 俺達は北へ撤退している。

 撤退時に陣地を形成していた魔具を解除し、壁が無くなった瞬間に撤退を開始したので、オーク達を引き離す事ができた。



 こちらの被害は、俺が想定したものを大きく上回った。

 オシホ様は剣を失い、ツヴァイの物を使用。

 ツヴァイは盾と左腕を肩から失い、足にもダメージがある。

 そして、戦闘用ゴーレム2体が大破し、コアの回収、2体が中破して片腕になっている。



 大被害だ。戦闘用ゴーレムが破壊されるとは思っていなかった。作戦自体に無理があったのだろう。というか、これほどの被害が出る作戦は駄目だ。


 俺に軍事的な才能は無さそうだ。凡将ならまだしも、愚将では話にならない。


 下手の横好きは辞めて、一兵として頑張っていこう。




 撤退時、オーク逹は壁が無くなり、一時止まりはしたが、俺達の逃走を見て即座に追撃に入った。

 だが、一時止まった事で追撃が遅れ、さらに速度差もあり、大きく差が開くことになった。それでも、まだ追撃は続いている。



 オーク達を大きく引き離す事ができたので、そのまま移動を続け、ルティリアさん達を助ける時に、ブラックベアーと戦った場所の丘の頂上まで来た。

 丘の頂上には、ブラックベアーと戦った時には無かった、一辺1mの正六面体の石(岩?)がある。


 今、丘の頂上には、俺、オシホ様、アイン、戦闘用ゴーレム2体と作業用ゴーレム8体しか居ない。

 その他は、丘が見えた所で別れ、研究所に戻った。腕がもげたツヴァイと戦闘用ゴーレム2体は、修理のためだ。勿論回収されたコアと増槽の玉も持っていっている。ドライは戦闘用ゴーレムを連れて、一応の護衛だ。



 俺達だけが丘の上に居るのは、オーク達を待っているからだ。

 この場所にはこの正六面体の石以外は手を加えていない。だが、ここでオークジェネラル達を殲滅する。




 オーク達が来るまで、まだ時間がある。俺はゴーレムから降りて、昼食をとることにした。

 昼食はいつも通りサンドイッチだ。まぁ、俺のリクエストなのだが……。



 サンドイッチを食べながら、オシホ様から撤退に至った経緯を聞いた。


「――と言うわけで、ハイオークはなんとか倒したが、最早前線を維持は出来ないと判断して、撤退を決意したのじゃ。広坪がアインを寄越してくれなければ全滅じゃった。すまぬ」


「いえ、俺の作戦に問題があったのだと思います。すみません」


 俺はオシホ様に頭を下げる。


「戦力を分けるべきではありませんでした。オーク達を倒す効率を優先し過ぎました。今思えば、壁の形を螺旋状にして、一塊で行動した方が安全たったかもしれません」


「いや、あの作戦はワシも認めた物じゃ。ワシの判断ミスで駄目になったのじゃ。ハイオークの突進を正面から受けさせるべきでは無かった。一度避けてから戦うべきじゃった」


「それは違うかと思います。ハイオークをそのまま抜けさせていた場合、向かわせたアインも突破して、俺の後ろに来たかもしれません。あまり余裕が無かったので、ハイオークに来られてたら、逆にこちら側が壊滅していた可能性が高いです。なので、オシホ様の判断は正しかったです。問題があったのは、壁と壁の間が広すぎたかもしれません。もっと狭ければ、少ない戦力で維持が出来、その分戦力に余裕を持たせる事が出来たハズです」


「それでも、ワシは、出来ると判断したのじゃ。敗北はワシにも責任がある。作戦は今でも悪いとは思わぬ。気を落とすではないぞ」


「ありがとうございます。そう言っていただけると少しは気が楽になります」



 いつまでも自分が悪いとは言い合っていても仕方がないので、オシホ様の言葉に甘えておく。反省はオークジェネラルを倒した後だ。


 それからは、迎撃戦での倒した数を確認し、オークの残存戦力を予想する。

 お互いの確認の結果、陣地での迎撃時の戦果は、ハイオーク1、オークリーダー1、オーク900ほどになる。


 内訳としては、最初に集団で迎撃した時にオークを400匹ほど倒し、東西に別れてからは、俺の側でオークを300匹ほどを倒しした。オシホ様の側はハイオークに崩されたので、オークが200ほどでだが、ハイオークとオークリーダーを1匹ずつを倒したそうだ。


 アインと連携してハイオークを倒し、その後なんとか前線を維持しながら後退を続け、オークリーダーを1匹だが、倒すことができたそうだ。



 迎撃戦前は、オークジェネラル1、ハイオーク10、オークリーダー6、オーク1700ほどだった。


 残りは、オークジェネラル1、ハイオーク9、オークリーダー5、オーク800ほどになる。


 最後衛に100残っていたので、合流していたら、オークは900ほどになっているかもしれない。



 オークの数だけは、減らせる事が出来ている。問題はハイオークだ。こちらの被害の全てがハイオークに依るものだ。それがあと9匹居る。対策したいところだが、あまり時間は無いだろう。それに、一応の作戦は伝えてある。


 下手の横好きは辞めると決めたが、今回ばかりは仕方がない。それに、作戦なんて呼べるものじゃない。





 昼食を食べ終え、ゴーレムに搭乗し、丘の上から南の方向を見る。


 10分ほど見ていたが、まだ来ない。そろそろ来ても良い頃なのだが……。

 さらに10分ほど見ていると、オーク達が見えてきた。オーク逹は整然と隊列を組んで北上してきている。


 なるほど、隊列を整えて来たから遅くなったのか。だが、この10分は助かった。




 オーク達も俺達の姿を確認したのか、移動速度が上がった。


 俺達も、オークに備えて隊列を組む。と言っても、前線に出れるのは、俺、オシホ様、アイン、戦闘用ゴーレム2体しか居ない。俺達は横一列に並んでオーク達を待ち受ける。


 並ぶ順番は、研究所側から、戦闘用ゴーレム、アイン、戦闘用ゴーレム、オシホ様、俺の順番になる。


 戦闘用ゴーレムは全てアインの物なので、まとめた方が連携がとりやすく、効率が良いだろうという判断だ。そして、反対側に俺、最も防御力が高いから端を担当する。オシホ様は俺とアイン達の間になる。



 オーク達が近付いて来たので、丘の上から全体の数を見る。整然と並んで来ているので、数えやすく、900を上回って見える。


 オークジェネラルの部隊を中心に、前に3部隊、オークジェネラルの左右に1部隊ずつある。ただ、前の部隊と後ろの部隊で数が大きく違う。


 前の3部隊は、1部隊で100しかオークが居ない。オークジェネラルと左右を固める部隊は200は居り、合計で900になる。

 最後衛の100も合流したと思われ、オーク達の数は想定内だ。



 ただ、この編成の仕方から見て、オーク逹は100単位でしか部隊を編成出来ないのではないか、という仮説を思い立ったのだが、まぁ、今は特に重要では無いので、忘れる事にする。



 オーク逹は隊列を維持したまま俺達へ向かってくる。


 距離がどんどん縮まり、俺達まで300mというところで、森の中から『ドドドドド』ど地鳴りがしてきた。

 オーク達が俺達まで200mを切ったあたりで、森からゴーレム達が飛び出してくる。

 森からオークまで100mも無い。


 ゴーレム逹は次々に出てきて、その数150体、最後尾にはアリストラさんの姿が見える。


 森から飛び出してきたゴーレム逹は、30ほどが俺達の側に走り、120ほどが、隊列など組まずに、オーク達へ突撃する。



 俺達はその様子を丘の上から見ていた。


「あ、足音がヤバイ。150体ものゴーレムの足音は凄い騒音だ」


「そうじゃな。あれだけの数になると凄いの」


 俺とオシホ様はゴーレム達の突撃に感心していた。


 今回の作戦は、研究所にある全ゴーレムの8割を使用した、物量による力業の作戦だ。



 本来なら、こんなこと出来ないのだが、丘の上にも設置されている一辺1mの正六面体の石が今回の作戦の根幹だ。

 この正六面体の石は、魔具になる。魔具の効果は、魔力供給の装置になっていて、魔力を研究所から有線の様に引き、半径500mの範囲に供給が可能になっている。


 この魔具は、ルティリアさん達を送るときに、最初に提案された物だが、未完成だった事と、距離に問題があり、採用はされなかった。だが、必要性を感じたアリストラさんが、完成とはまだ言えないが、ある程度の性能を発揮出来るように、形にしてくれた物で、それを今回は使用している。



 ゴーレムを運用する時、魔力をそれなりに使用する。

 特に研究所のゴーレムは、地脈からの魔力を前提に作られているので、魔力の消費量が非常に多い。


 俺やオシホ様達のゴーレムは、遠征用に魔力の消費を抑えた、低燃費ゴーレムになる。

 増槽を付けたからと、燃費が大きすぎれば意味は無い。なので、活動時間を伸ばすために、低燃費化する必要があり、性能を下げたり、制限するをした。


 現状でも、オーク達に勝てると俺は思っていたが、見込みが甘く、見事に失敗し、敗北した。



 この魔具は完成はしていないが、ある程度の性能、半径500mに魔力を供給可能なので、周囲に複数配置して、最終防衛ラインを形成してもらっていた物だ。


 今回の出番は無いと思っていたが、見事にお世話になってしまっている。





 オーク逹は、ゴーレムが森から出てきた事で進軍が止まっている。オークジェネラルがゴーレム達に驚き、止めたのだろう。


 ゴーレム逹は速く、オークジェネラルが対応する前にオーク逹の横から攻撃をした。



 俺達は、ゴーレム達がオーク達へ突入した様子を丘の上から見る。

 ゴーレム逹はオーク達を次々に倒し、黒い霧があちこちで発生している。さらに、ゴーレム逹は南北に広く展開しており、オーク達の側面から半包囲しつつある。


 オークジェネラルは、ゴーレムと接触していない部隊を動かし、ゴーレム達へ対応しようとした。



 その様子を見た俺達は、丘の上から突撃を開始する。

 俺達の側に向かって来ていたゴーレム逹は、進路を変え、俺達に合流する動きを見せる。



 オークジェネラルも俺達の動きに気付いたらしく、ゴーレム達に対応させようとしていた前衛の部隊を、俺達との間に戻した。



 200程度なら問題は無い。俺達だけでも大丈夫だが、30体もの戦闘用ゴーレムが俺達に合流しようと動いているので、そのまま突入する。


 オーク達を蹴散らしていると、オークジェネラルの部隊が動いた。

 オークジェネラルの部隊は、南へ移動しだした。つまり、撤退を開始したのだ。


 側面から攻撃を仕掛けたゴーレム達の側を見ると、オークジェネラルの隣に居た部隊もゴーレムに対応させたみたいだが、焼け石に水だったらしく、もう壊滅寸前だ。


 まぁ、これも想定内というか、南から新たにゴーレム達が接近してきている。あれは、ツヴァイとドライが指揮を執るゴーレム隊で、数は58体居るハズだ。


 逃げ出したオーク達に対応する部隊だったのが、一番美味しい所を持ってかれそうだ。



 今回は一匹も逃がすつもりが無かったので、包囲作戦でもあった。西側は地域が違うので、逃げる可能性は低かったので、部隊は配置して無いが、もし、西側に逃げたら、俺とオシホ様達が対応する予定だった。



 オークジェネラルも南のゴーレム達に気付いたが、そのそのまま進む。どうやら強行突破して脱出するつもりらしい。



 俺達も、オークを殲滅し、南へ向かう。ハイオークが居るので、万が一があってはいけないと急いだ。

 だが、それは杞憂だったらしく、俺達が到着する前に、南から来たゴーレム隊によって、オークも、ハイオークも、オークジェネラルも全て倒された。



 何だかんだと苦労したのに、最後はあっけなかった。



 こうして、オークジェネラルの部隊を全て倒した。




 戦闘終了後にアリストラさんと合流したりしたが、まだ後始末がある。

 魔石の回収と魔具の回収だ。


 奇襲した場所と、魔具による陣地に魔石を放置してきたし、陣地に使った魔具もそのままだ。

 この場はアリストラに任せて、修理と換装したツヴァイ達と共に南へと向かった。



 今日は疲れた。さっさと回収して休もう。




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