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オーク本隊迎撃

 



 俺達は現在、森の中を西に逃走中である。後ろからは、オーク達が追い掛けてきている。



 オーク本隊を奇襲した俺達は、一時間ほどの戦闘で、オーク500匹ほどとオークリーダー4匹を倒した。俺達が13体で攻撃を仕掛けたのを考えれば、大戦果になるだろう。


 数字だけ見れば、あのまま戦っていても、オーク達を殲滅できてかもしれない。だか、撤退前の戦闘では、400匹に包囲され、危ない場面が多かった。


 ゴーレムの性能に頼って、力押しした結果なのだが、オーク達に密集され、突破速度が落ちたところを包囲された。力業で突破できたが、もう少し突破するのが遅かったら、他の部隊やオークジェネラルにも包囲され、脱出は難しかったかもしれない。そう考えると、結構危なかったかも。もう、突破作戦はしない方が良いだろう。


 オークジェネラルの本隊も動いたし、敵の戦力もある程度削れた。時間も良い頃合いだったので、逃走を開始し、現在に至る。



 森の外が見えてきた。森の外へ出た俺達は、北へ転進し、逃走を続ける。


 オーク達は、森の中を真っ直ぐに俺達に向かって来る。オーク達に追い付けそうと思わせながらも、逃走はもう少し続き、ようやく作業用ゴーレム達が見えた。



 俺達は、一気に速度を上げて、作業用ゴーレム達と合流した。


 俺達の目的地はここ、作業用ゴーレム達と分かれた場所だ。ここでは、作業用ゴーレム達に雪掻きをさせて、地面を露出させ、魔具を設置させていてのだ。


 ここに設置させた魔具は、俺がアリストラさんにお願いして作ってもらった物で、俺が思っていた通り簡単に作ってくれた。さらに、アリストラのアイデアも盛り込まれて、色々使えそうな魔具になった。



 俺は、ゴーレムで魔具に魔力を流して、起動準備を整えた後、オシホ様達とオークを迎撃するために、正面の位置で隊列を組む。


 真ん中に俺、左側にツヴァイとオシホ様、右側にアインとドライが横に並んでオーク達を待ち構える。


 作業用ゴーレム達は、俺達の後方50mほどの所で、一塊になって待機している。




 オーク達は達は、部隊を再編成したらしく、正面に3部隊が横に並び、その後ろに1部隊、さらにその後ろにオークジェネラルの部隊があり、オークジェネラルの部隊の横にも部隊が配置されている。


 ただ、正面の3部隊は他の部隊に比べて、五割増しで多く、俺達がオークリーダーを討った部隊の生き残りが編入されてるみたいだ。




 オーク達が近付いてくる。


「よし、全員ロックバレット準備じゃ!」


 オシホ様の号令でロックバレットの魔具を準備する。狙うは足。オーク達の突撃の勢いを削ぐためだ。


「狙え……撃て!」


 オシホ様の号令で、オークが俺達まで50mを切った所で、ロックバレットの魔具で足を狙い一斉射する。ほとんどのロックバレットがオークの足に当たり、その多くが倒れ、後続を巻き込んだり、踏まれて黒い霧になったりした。


「狙え……撃て!」


 30mほどの所でも一斉射し、先程と同じ様な結果になった。俺はその直後に魔具を起動させた。




 地面から高さ5m厚さ2mの壁が生えてきて、俺達がいる場所を除き、直径50mのC型の壁を作り上げた。さらに内側には、高さ10m厚さ2m直径36mのC型の壁も同時作り上げられている。外側の壁の口は南側、オーク達が居る方に開いており、内側の壁の口はオーク達とは反対の北側ある。丁度作業用ゴーレムが居た辺りだ。


 さらに、作業用ゴーレムが居た位置から、俺達のすぐ後ろの内壁まで続く階段も形成されてるハズだ。今頃は、作業用ゴーレムが壁の上から(いしゆみ)で狙撃するために、階段を登っているだろう。




 俺が、オーク達と戦う時に問題視したのは数の差だ。


 包囲されれば、対応しきれなくなって、隙ができてしまって、やられてしまうかもしれない。そうなると、どこかが崩れ、全体が崩壊してしまうかも知れない。


 それを防ぐ方法を考えた時に、ふと思い出したのが、ルティリアさん達を護送した時に、簡易シェルターを盾にした事があったのを思い出した。


 簡易シェルターみたいなのを魔具で形成できるなら、ただの壁も当然できるだろうと思い、提案したら、見事に作れた。ただ、魔具のコアから10m程しか効果が届かない、つまり、半径10m、直径で20mの円しか形成出来ない事が分かった。


 この問題点を解決したのがアリストラさんで、この魔具に紐を取り付けたのだ。勿論ただの紐じゃない。魔力を伝達する金属、銅が練り込まれていて、この紐からも、魔具の効果を発揮させる事ができる様になった。


 この紐には、全く問題が無いわけでもなく、紐からだと、効果が1m程しか届かない。つまり、最大でも厚さ2mの壁しか作れない。さらに、この紐の部分は地面に直接接着してないと、効果を発揮させる事ができなかった。そして、この紐には銅を使ったので、それほど高性能な効果を発揮させる事は出来ない。ただ、今回の様に、壁を作り、維持するだけの簡単な物なら、、銅で何の問題も無い。


 利点としては、紐の配置の仕方で、壁の形を自由に出来る事だ。これを魔具のみで再現しようとすると、コアを上等な物にしなければならないので、高価になる。だが、この魔具は、かなり安価に作れる事が出来ている。形を自由にできるなら、使い方によっては、色々出来るだろう。


 それに、内側の壁の上からなら、作業用ゴーレム達でも安全に狙撃ができ、戦力を全て有効に使える。




 こうして、簡易陣地を作業用ゴーレムに作ってもらっていたのだ。これなら、囲まれる心配なく戦えるし、多数の敵と少数で戦う場合は、幅の狭い所で戦うのは、常套手段だと思っている。


 作戦としては、オーク本隊に奇襲し、戦力を削り、ここへ誘導して決戦になる。ここで、殲滅予定ではあるが、一応、脱出の手段も用意はしてある。




 俺が魔具を起動させ、防壁が完成する。俺達は南側に開いた口の部分でオーク達を迎撃する。


 ロックバレットの斉射で何体かは倒したし、転ばせて、突撃の勢いをいくらか落とせたが、オーク達は俺達目掛けて突っ込んで来る。壁の出現を意に介した様子は無い。


「広坪よ、押さえ込むのじゃ!」


「了解です!」


 オシホ様の命令で、俺は三歩前に出て、剣を地面に突き刺し、盾を構える。俺の横には戦闘用ゴーレム達も並び、壁の口を塞ぐ様に立ちはだかる。


 そこへオーク達が群がってくる。もはや陣形など無く、とにかく俺達に攻撃しようとしてきている。俺達はそのオーク達を倒さず、ただ押さえ込む。


 接触した初めこそこん棒で攻撃を受けたが、後続のオーク達から押され、俺達に密着したオーク達はこん棒を振り回す事が出来ず、俺達と後続のオーク達に挟まれる事しか出来ていなかった。


 数が数なので、戦闘用ゴーレム達の中には押し込まれそうになる場面もあったが、後ろのオシホ様達によってオークが討たれ、突破はされなかった。押さえ込んで二分ほどで、オーク達の勢いは完全に止まった。



 オーク達の勢いが完全に止まったのを確認したオシホ様は、攻撃命令を下す。


「総反撃じゃ!」


 戦闘用ゴーレムが押さえ込んでいるオーク達を、オシホ様と精霊トリオ、さらに、内壁の上に駆け上がった作業用ゴーレム達が弩で狙撃してオーク達を片付ける。オークが黒い霧になり、戦闘用ゴーレムの前に空間ができる。だが、すぐにオーク達が詰め寄せて来るが、空間ができた瞬間に戦闘用ゴーレムは体勢を整えて、オーク達を迎撃する。



 俺は俺で、盾に体重をかけて余裕を作り、剣を地面から抜き、剣を振り上げ、気合いを入れて降り下ろす。


「おおっ!」


 力任せに降り下ろした剣は、オークを縦に切り裂き、オークを黒い霧にする。さらに俺は、隣のオークに剣を振り上げながら切り裂き、黒い霧にすると、体勢を整える。


 体勢を整えた俺は、盾を構え直し、オークの頭に剣を縦に降り下ろしていく。横には味方に当たるかもしれないので振れない。


 オーク達は、回避したくとも周りはオークだらけで避けることは出来ず、こん棒で防御しようとしても、こん棒ごと切り裂かれ、次々に倒されていく。


 オーク達は俺達に攻撃を続けながら、外壁の回りを確認する動きが見られた。だが、外壁の入り口はここしか無い。結局は俺達の正面に戻り、攻撃を継続するしか無かった。




 俺達は順調にオークを倒し、300匹ほど倒した頃、オーク達に変化があった。


 今までは、普通に攻撃してくるだけだったのだが、体当たりをしてくるようになった。俺達を押し込もう、隊列を崩そうとしてきている。恐らくオークジェネラルの指揮なのだろう。


 俺は質量差があるから大丈夫だったが、戦闘用ゴーレム達は不意の体当たりに対応しきれず、徐々にだが押し込まれ、隊列を維持するために後退するしかなかった。



 さらに100匹ほど倒したぐらいに、壁に開いた口での戦線を維持できなくなりつつあった。そろそろ、内壁との間に入り込まれそうになり、横からも包囲されそうだ。


 ここでの戦闘は限界だと判断し、オシホ様に声をかける。


「オシホ様、限界です!」


「良し!次に移る!押し返すのじゃ!」


 次へ移動するために、全力攻撃をして、オーク達を一時的に押し返し、俺達は二手に分かれる。作業用ゴーレムの弩による援護もあり、オシホ様とツヴァイが東側の外壁と内壁の間に、俺とアイン、ドライは西側の間に移動することが出来た。外壁と内壁の間は5mあり、今度はここで迎撃する。


 オーク達も二手に分かれて俺達に襲いかかって来るが、対面する数な変わりはなく、横にも回りに込まれる事も無いので、正面のオークに集中して対応できる。それに、内壁上の作業用ゴーレムのも、横からに攻撃出来るようになったので、俺達をそれほど気にせずに攻撃出来るようになったはずだ。


 作業用ゴーレムも俺達を援護するために分かれてたが、俺達の側は俺の分だけ戦力が多いので、俺達側に2体、オシホ様の側に4体となっている。



 壁の間での戦闘は相変わらずだ。こちらは俺が壁の間の半分ほどを担当しているので、オーク達の体当たり攻撃十分対応出来ているので、外壁の入り口からそれほど下がらずに戦えている。


 オシホ様の側の確認は出来ていないが、俺達の側だけで200ほど倒した。ふと、外壁の入り口を見るとオークから頭一つ分高いオークが5体オシホ様の側へ行くのが見え、オークリーダーだと思われるが、その内一匹はハイオークだった様に見えた。


 オシホ様の側は戦力が少ない、その分、押し込まれてる可能性があり、それを、一気に突破するために精鋭を送り込まれたのかもしれない。


 ……。


「アイン!戦闘用ゴーレムを連れてオシホ様達の様子を見てきてくれ!」


「え?私が抜けたらこちらが厳しくなりますよ?」


「構わない!オシホ様達が気になる。行ってくれ!」


「了解です!行ってきまーす」


 アインが戦闘用ゴーレム2体を連れて下がり、オシホ様達の側へ走って行った。



 俺は迷った末に、アインにオシホ様の様子を見に行かせる事にした。こちらは3体が抜けても、維持は出来るだろうし、内壁の入り口までは距離がある。多少押し込まれても大丈夫なはずだ。


 それより、オシホ様の側が気になる。様子を見に行かせるだけなら、ドライの方が良いだろうが、もし押し込まれていたら、攻撃力のあるアインの方が良いだろう。という判断だ。ハイオークは未知数だし、多少戦力過剰なぐらいで良いだろう。



 オシホ様達を心配して、こちらが抜かれたら意味が無い。アイン達が抜けたので、気合いを入れてオーク達に対応すぞ!と思ったら、作業用ゴーレムの援護が止まった。


 内壁を見上げると、作業用ゴーレム達がオシホ様達の側へ走って行った。やはり、何かがあったのだ。


 既に手は打ったのだ。今は目の前の戦闘に集中するしかない。




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