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衣服とは現代における鎧なのかもしれないの巻

もう終わるので三話連続更新です!


「「「「「「「「…」」」」」」


 生徒会は、やはりその特殊な立場からか、最も良い場所に部室がある。具体的に言うと、日当たりがよく窓を開ければ風通しもよい、この上なく最高の立地になっている。

 前回生徒会室に入ったときは程よい暖かさに感動したほどだ。

 しかし、今はどうだ。そう、それはまるで

 そこだけが氷点下になって凍らされたみたいになっていた。


 待て、この光景を説明するのは少々気が憚れる。

 っていうか、俺も上手く説明できる気がしない。


 よし、端的に言おう。


 アリーが抱き着くようにして、愛澄のスカートをずりさげていた。


「あ、まーくん見ちゃダメ」

 思い出したように緩羽が後ろから目を隠してきた。

 頼むから最初から目を隠してほしかった。双子の姉が不特定多数の生徒に下着を晒している光景なんて百万回生まれ変わっても見たくない。


「アリー死んだね…合掌」

 

緩羽は完全に他人事みたいにつぶやく。

しかし、愛澄は緩羽の予想とは真反対の反応をした。


「ままままままままままーくん…?」


 声がぶるぶると震えている。愛澄が赤い顔でプルプルと震えているのが見えなくても目に浮かぶ。


「ま。まーくんだぞー大丈夫だぞー」

「うええええええんまーくんにパンツ見られたぁ!!」

「だ、大丈夫、洗濯物とかでいつも見てるし、ほら小さいころも一緒にお風呂とか入ってただろ!双子だもんな!恥ずかしくないぞー!」

「でもみんなに見られたよお」


 完全に子供だ。子供のように泣きじゃくりながら俺に抱き着いているのだろう。腹が湿っているのがわかる。

 緩羽に目をふさがれていて見えないが、まさかパンツまるだしのままじゃないよな?


「サイコパスもパンツ見られたら恥ずかしいんだ…」

「ちょっと黙って」

 羞恥で混乱して若干幼児帰りしている愛澄はかなり新鮮だが、正直見てられなかった。見えないけど。


「ほう、これは珍しいものを見ることができたよ。いいものだね」

「すいません。会長もちょっと黙っててください。」

 俺は未だに俺の服で涙を拭くように泣きつく双子の姉に励ましの言葉を、と少ないボキャブラリの中から必死に探し出す


「ううううう、死にたい、不特定多数にこんな恥辱…」

「ほら大丈夫だ、あの、ほら、恥ずかしいことなんて何もないぞー」

「こんなに恥ずかしいことなかなかないわよお!」

「恥ずかしいもんか!ほら、ビキニと下着どう違うんだ?同じようなもんだろ!」

「確かに…」

「そもそもお前程の美人になると下着なんて恥ずかしいものじゃない芸術だ!」

「確かに…!!」


「まーくんも大概シスコンだよね…」

「黙れ緩羽」


「あの、アンタはいい加減スカート返してくれない…?」


 いつになく勢いがなく、弱気な態度だ。ここまでされて殺さないなんて珍しい。スカートという装備品が無いだけでずいぶんと攻撃力が下がるんだな。


「すいません。不可抗力なんです…」

「いやお前”かくなる上は”とか言ってただろ」

「とりあえず鼻血ふいてから言いなー」

 やっぱコイツ入部させるのやめたいな…。


 愛澄が着替え終わったのか緩羽の手が目から取れて一気に視界が明るくなった。


 三回ほど瞬きをしてから、今広がっているカオスな光景を見た。

 愛澄は半泣きだし、生徒会役員はいたたまれなさそうな顔をしている。

 アリーにいたってはせっかくのおすまし顔が花にティッシュをつめているせいでだいぶ愉快なことになっている。


「有亜ちゃんの入部届はしっかりと受け取ったよ。」


そして一番の驚きの光景は


「お姉さま…なんでそんなに笑顔なんです?」


気持ち悪いほどにこやかな生徒会長の姿だった。


「いや。ふふっ片貫さんの貴重な場面が見られたなぁっと思って」


「愛澄!緩羽!今すぐ帰るぞ!!!!」


 これ以上この空間にいてはならないという警報が俺の頭にガンガン鳴り響いたため、二人をひくずるように生徒会室から逃げようとした。


「それとアリー!!」


そう言って振り返ると、気まずい顔をしたアリーの顔があった。


「明日の部活は15:00~16:00だからな!!」


 真面目な顔で鼻栓をしている、まぬけな新入部員は、ため息をついてから、少し笑って返事をした。

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