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えいえんのゆめ
――それから、1年。
キサは再び、「裏野ドリームランド」跡地の「ドリームキャッスル」の前に立っていた。
アヤトは行方不明ということで処理され、現役作家の突然の失踪は、それなりに話題には登った。
警察は初めキサを疑ったが、アヤトが自宅に残していった遺書によって、あっさりとキサの疑いは晴れたのである。
だが、それはそれとして、アヤトの行方はようとしてしれず、遺書もあったために、それから1年で、やけにあっさりとアヤトの死亡認定が下りた。
それを見送ってからの――数日。
キサは会社を辞め、再びここへやってきた。
現実世界に、すべての蹴りをつけてきた。これでもう、何も気にすることもない。
キサは笑った。
「アヤト――アヤミちゃん。
お待たせ。これからは、ずっと一緒よ」
奇しくもそれは、かつてキサが慄いた、気の触れた幼馴染の表情と酷似していた。
《了》