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サブカル裁判  作者: 無相
9/9

第八条、美観を破壊するべからず

世の中には美しいものを破壊する事で悦に浸るという歪んだ嗜好もあるようで、

好きな作品の様々なファンアートを見ていれば、

推しのイメージが損なわれる内容の2次創作に出会い不快な思いをした経験も偶にはあるでしょう?

美しい絵画にペンキをぶち撒けるが如き冒涜を許容できる人はどれ程いるのでしょうか?

今回はそんな誰かの推しに対する許容量を超えた冒涜がトリガーとなって滅んだ背信者の話です。

第八条。登場人物の美観を著しく損なう表現(ひょっとこフェラ、鼻フック、身体に流血、痣、または、みだりに登場人物の人格を毀損する落書き表現)を用いて作品のイメージを貶めた者。これらの者どもは生きたまま表皮を剥ぎ取り、肥溜めに叩き落とすものとする。


大法廷はこれまでで最も重苦しい静寂に支配されていた。

松明の炎が微かに揺れるたび、壁に映る影が罪人の運命を嘲笑うかのように歪む。

罪人席に鎖で繋がれ、床に崩れ落ちて痙攣しているのは、同人イラストレーター・H氏。三十代前半、かつては「美少女描きの名手」と称され、清楚で可憐なヒロインを繊細なタッチで描くことで、数万人の熱狂的なファンを獲得していた人物だ。だが今は顔を蒼白にし、恐怖で瞳を吊り上げ、鎖を鳴らしながら失禁している。


裁判官は無慈悲な視線を注ぎ、その横に立つ検察官が、抑えきれない怒りを込めて告げた。

「サブカル法 第八条を読み上げる。」

「登場人物の美観を著しく損なう表現(ひょっとこフェラ、鼻フック、身体に流血、痣または、みだりに登場人物の人格を毀損する落書き表現)を用いて作品のイメージを貶めた者。これらの者共は生きたまま表皮を剥ぎ取り、肥溜めに叩き落とすものとする。」

H氏は鎖を掴み、這いずりながら嗚咽混じりに叫んだ。

「違うんです! あれはただのフェチ表現です! 需要があるんです! 清楚キャラを汚すギャップがエロいって、みんな求めてるんです! ひょっとこ顔も鼻フックも、落書きも、全部愛のある……!」


裁判官が冷徹に遮る。

「愛? 貴様は美少女たちの尊厳と美しさを、わざと醜悪に貶めた。完璧な顔立ち、可憐な表情、気高さを保つ体を、ひょっとこ口で歪ませ、鼻フックで豚鼻にし、全身に『肉便器』『雌豚』と落書きして人格を破壊した。それを『ギャップ萌え』と称して一般タグで拡散した貴様の罪は、美そのものへの憎悪に他ならない。」


H氏の罪状は、極めて残虐で計画的だった。

彼のサークル『ピュア・ガールズ』は、清楚系美少女専門で人気を博していた。特に看板キャラの「聖女アリシア」は、修道服に金髪、透き通るような肌で、ファンから「汚してはいけない存在」と神聖視されていた。


しかし近年、H氏は「アヘ堕ちシリーズ」を開始。アリシアを鼻フックで豚鼻にし、ひょっとこ口で強制奉仕させ、体中に痣と流血、落書きを満載した描写を連発。最悪なのは、全身に「公衆便所」「精液タンク」と赤文字で書かれ、泣き顔で「ありがとうございました」とポーズを取らせるイラストを、無警告で一般タグに投下したこと。純粋な美少女ファンがトラウマを抱え、吐き気と精神的苦痛を訴える被害が続出。


更には、H氏の裏垢までもが見つかってそこにはさまざまな作品の二次創作イラストが投稿されており、それらは前述の「聖女アリシア」と同様に清楚系美少女がひょっとこ顔や、鼻フックによる豚鼻化で顔を醜く歪められて陵辱の限りを尽くされる胸糞悪いものばかりで、利用規約で作品のイメージを損なう乱暴な表現やR-18禁の表現の2次創作をあらかじめ明確に禁止している作品もあった。

数万件の通報と「俺たちのアリシアを返せ」の運動が起き、ついにサブカル裁判所へ告発されたのだ。


検察官が最後の宣告を下す。

「貴様の罪は、美の神殿を永遠に汚したことだ。判決、確定。」

執行人たちがH氏を掴み、法廷奥の処刑場へ引きずっていく。そこには巨大な剥皮台と、底なしの肥溜めが口を開けていた。H氏は必死に暴れ、叫ぶ。

「待ってください! 次からは清楚オンリーに戻します! アリシアを汚しません! ひょっとこも鼻フックも落書きも二度と……命だけは……!」だが、その言葉は無視された。

まず剥皮台に四肢を固定され、鋭い刃がゆっくりと皮膚に当てられる。最初は顔から。頬の皮膚が一枚剥がされ、血が滴る。「ぎゃあああっ!」次に腕、脚と、生きながら表皮を丁寧に剥ぎ取っていく。神経が露出した肉が空気に触れ、耐え難い痛みがH氏を襲う。剥がされた人皮は床に落ちる。H氏は血泡を吹きながら絶叫する。

「痛い……美しさが……大事だった……アリシアの……顔が……!」

剥皮が完了した瞬間、H氏はまだ息があった。執行人たちは生皮を剥がれた肉塊の体を掴み、肥溜めの縁まで運ぶ。底からは腐敗した屎尿(しにょう)の臭気が立ち上り、無数の蛆が蠢いている。

「いやだ……そこだけは……!」

H氏は肥溜めに叩き落とされた。ドブンという音と共に、傷口だらけの肉体が糞尿に沈む。塩分と腐敗物が露出した神経と筋肉に染み込み、地獄のような痛みが全身を駆け巡る。H氏は必死に浮上しようとするが、肥溜めの粘度と重さで沈み、口と鼻に屎尿が入り、溺れる。肺が焼け、意識が遠のく。最後に小さな泡が立ち、上半身が完全に沈んだ。


生皮を剥がれた肉塊の遺体は一度肥溜めから引き上げられ、屎尿入りの水槽の中に放り込まれると、サブカル界最大のイラスト投稿サイトのトップページに「デジタル剥皮肥溜め標本」として永遠に公開される。タイトルは「美観破壊者の末路」。

皮膚のない赤い手足と顔、蛆が集り、全身糞尿まみれの遺体が無修正で晒される。

公開と同時に、反応が爆発した。

「これで清楚キャラの美観が守られる……ありがとう裁判所」

「ひょっとこ鼻フック作家の生皮剥ぎキター!」

「次は美少女を汚すなよ、新人共」

「肥溜め沈め永久ループGIF最高」H氏のアカウントは永久凍結。


全作品は削除され、同人誌も全国回収・焼却。

アリシアファンの間で2次創作のファンアートが作られたり、秘密裏に全盛期の頃の作品が電子化されたデータがアーカイブ化されて高値で取引されていたが公安組織のサイバー部隊によってH氏の描いたオリジナル版のアリシアの作品データは発見次第、駆逐されて、同人誌のコピーデータを転売していた者たちの一部は見せしめとして強制収容所でみっちりと教育された。


一方、H氏は死後に実名が特定され、家族は「美少女汚染親族」として差別され、妻は自殺未遂、子供は鬱になり精神病棟の隔離部屋に収監される、親族一同がネットで永遠に炎上し、住所晒しで転居不能に。デジタル遺体は日々晒され続ける。

汚物の中で肉は腐敗し、蛆に食われて、骨が露出していく。それでも削除されることはない。美少女ファンたちの憎悪の象徴として、永遠に残る。

かつて「汚すギャップが最高」と豪語した者は、ただの生皮を剥がれた糞尿まみれの肉塊標本と化した。

法廷の観客席から、美少女を愛するファンたちの静かな涙と拍手が響く。

「これでアリシアの可憐な微笑みは、永遠に守られる……」裁判官と検察官は無言で頷き合い、次の罪人を呼び入れる準備を始めた。

美少女の美観は、生皮と屎尿で守られたのだ。


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