第四条、おねショタの主導権はショタにあらず。
エロ漫画のジャンル、おねショタ。
時に優しく、時に苛烈にショタをリードし精気を吸い尽くす魔性のお姉さんに魅了される者、
はたまた、快楽に蹂躙されるショタとそれを見守る妖艶なお姉さんの恍惚とした表情に脳を焼かれる者。
今回はそんな見る者の角度によって万華鏡のように姿を変える性の宝石箱の中身を泥と土塊にすり替えた盗人の最後をお届けしよう。
第四条。おねショタ表現において、ショタに主導権を握らせる者及び、薄汚いゴブリンみたいなクソガキにヒロインを陵辱させる表現を用いた者は拷問系に処す。
コンクリート造りの大法廷は、今日もホログラムの松明の炎が不気味に揺れ、血と焦げの匂いが微かに残っていた。罪人席に鎖で繋がれ、這いずり回るようにして跪いているのは、エロ同人作家・D氏。四十代前半、かつて「おねショタの帝王」と呼ばれ、コミケでは即完売を繰り返し、数万人の固定ファンを抱えていた男だ。だが今は髪を振り乱し、顔を恐怖で歪め、鎖を鳴らしながら床に額を擦りつけている。
裁判官は無慈悲な視線を注ぎ、その横に立つ検察官が冷厳な声で告げた。
「サブカル法 第四条を読み上げる。」
「おねショタ表現において、ショタに主導権を握らせる者及び、薄汚いゴブリンみたいなクソガキにレイプさせる表現を用いた者。拷問系に処す。」
D氏は鎖を引き千切りそうな勢いで叫んだ。
「違うんです! あれはただのバリエーションですよ! おねショタだって逆転展開があってもいいじゃないですか! 優しいお姉さんが翻弄されるのも可愛いって、需要があるんです! 制欲旺盛でケダモノのようなショタだって個性で……!」
裁判官が静かに、しかし雷のような声で遮る。
「個性? 貴様は、おねショタというジャンルの本質を根底から破壊した。おねショタの美学は、年上の包容力あるお姉さんが、無垢で翻弄されるショタを優しく包み込み、未知の快楽へ導くことにこそある。それを貴様は、薄汚い猿のようなクソガキに主導権を握らせ、ゴブリンの如く乱暴にお姉さんを泣かしながら犯させる逆転レイプに貶めた。包容の美を、ただの卑劣な暴力にすり替えた罪は万死に値する。」
D氏の罪状は、誰の目にも明らかだった。
彼の代表サークル『おねショタ・パラダイス』は、優しいお姉さんと可愛いショタの甘々作品で人気を博していた。特に看板キャラの「癒し系巨乳お姉さん・サトミ」と「純粋無垢ショタ・ユウタ」のカップリングは、ファンから「永遠に見ていたい」と絶賛されていた。
しかし近年の作品で、D氏は突然路線変更。ショタを「へへ、姉ちゃんは俺のモンだぜ」と命令口調にし、まるでファンタジー作品の悪役のゴブリンを連想させるような汚いデザインと性格に変貌させた上、お姉さんをレイプさせる展開を連発。最悪なのは、複数のクソガキがサトミを囲んで輪姦し、泣き叫ぶお姉さんを嘲笑うシリーズ。
読者からは「これおねショタじゃなくてただの胸糞悪いレイプ」、「サトミが可哀想すぎる」、「ジャンルに対する冒涜」と総攻撃を受け、数千件の通報が殺到。
ついにサブカル裁判所へ告発されたのだ!
検察官が最後の宣告を下す。
「貴様の罪は、おねショタファンの心を永遠に傷つけたことだ。判決、確定。」
執行人たちがD氏を掴み、法廷奥の拷問室へと引きずっていく。
そこには拷問台とそれに用いる凶器が並び、目を背けたくなるような拷問が待っている。D氏は必死に抵抗し、叫ぶ。
「待ってください! 次からは甘々オンリーに戻します! ユウタを優しく包むサトミの純愛モノだけを描きます!もう二度とゴブリンみたいなクソガキは描きません!だから……命だけは……!」だが、その懇願は誰にも届かない。
まず水責め台に固定され、顔の上に巨大な布を被せられ、大量の水が注がれる。
D氏は溺れる苦しみで体をのけぞらせ、「ごぼごぼ……!」と水泡を吹く。肺が焼けるような痛みで意識が遠のく寸前、水が止まり、今度は火責め台へ移される。
鉄の棒を熱し、皮膚に押し当てる。ジュッという音と共に肉が焦げ、D氏は絶叫する。「熱いっ! 焼けるっ! お姉さんが……包むのが……正しかった……!」火責めが終わると今度は鞭打ち、そして次は電気責め、簡単には死ねないように威力を抑えて次々と繰り出される拷問のフルコース。やがて皮膚が剥がれ、肉が裂け、骨が露出し、ところどころ焼け焦げる。
十時間にわたる拷問の末、D氏の心臓はついに止まった。
性の宝石箱から宝石を奪い去り、泥と土塊にすり替えた盗人は法の名の下に振り下ろされた鉄槌に斃れたのだ。
しかし、刑はこれで終わらない。
遺体は拷問台に固定されたまま、サブカル界最大の同人投稿サイトのトップページに「デジタル拷問標本」として登録、永遠に公開される。タイトルは「おねショタ逆転者の末路」。水膨れと火傷と裂傷で無残に歪んだ顔と体が、無修正で晒される。公開直後、反応が爆発した。「これでサトミさんの涙を見ずに済む……ありがとう裁判所」
「ゴブショタ作家の焼け焦げ遺体キター!」
「次はおねショタの甘々の純愛だけを描けよ、新人共」
「ゴブショタ作家の無限拷問編www 無限に続いてそう」
D氏のアカウントは永久凍結。全作品は削除され、同人誌も全国の書店から回収・焼却。一部の在庫が処分を逃れ、闇市でプレミア付きのレガシーとして流通していたがそれも転売業者が逮捕されて押収、処分された。
実名が特定され、家族は「変態おねショタ逆転レイプ作家の親族」として職場・学校で差別され、妻は自殺未遂、子供は引きこもり。親族一同が町を追われ、路上生活に陥る。デジタル遺体は日々晒され続ける。デジタル標本として保管された死体は徐々に腐敗して崩れ去っていく。それでも削除されることはない。おねショタファンたちの憎悪の象徴として、永遠に残る。
かつて「逆転もおねショタのうち」と言い張った男は、全てを失い、ただの腐った肉塊の標本と化した。
法廷の観客席から、おねショタファンたちの静かな祈りと拍手が響く。
「これで悲しいショタおねレイプに脳を破壊されずに済む……」
裁判官と検察官は無言で視線を交わし、次の罪人を呼び入れる準備を始めた。
おねショタの包容美は、水と劫火と電撃の拷問で守られたのだ。




