【AVANT~第1章までのあらすじと登場人物】
※第1章の物語について、登場人物含めネタバレが多く含まれています。
【AVANT~第1章 早春の少女抄 あらすじ】
かつて世界を揺るがす戦乱が起きた。
この地を守る『四大精霊』が力を合わせ、未知の外敵『アニマ』とその創り出した巨人『コラプス』に立ち向かうも、劣勢を強いられる。
『アニマ』は、この調和された世界を脅かす存在で、大精霊達は必死に抵抗するが、『アニマ』の傀儡で、強大な力を振るう『コラプス』の前に次々に敗北を喫してしまう。
『風の大精霊』のユーフェミアは、瀕死の状態にある親友であり『天空の聖女』である『シナノ』を守ろうと奮闘する。
ユーフェミアは、残った力を『シナノ』へ譲渡し、彼女が再び立ち上がる希望を託すが、同時にユーフェミア自身はとうとう活動限界に達し、実体を維持できず姿を消してしまった。
この四大精霊とアニマが繰り広げる時空の狭間での戦闘は、地上界にも及び未曾有の大災害を齎し、文明世界は滅亡してしまう(後に『悪魔の一ヶ月』と呼ばれる)
この『悪魔の一ヶ月』で発生した大規模な津波・地震・噴火・岩盤の崩落・土石流や火砕流は大地を大きく変容させ、今まで接したことのなかった神学的物質『アイテール』(俗称『魔素』)が噴出し、それを喰らう魔物が出現し、人間族は魔物に怯えながら、命脈を保ち続けた。
それから5000年。『魔素』を操る方法を開発した人類は、ようやく生活圏を拡大し、歪な状態ではあるが文明を取り戻し始めていた。
そんなある日、マーキュリー王国の辺境にある寒村ウーラニアーでは、平和で穏やかな日々が流れていたが、ある冬の夜、村の教会に捨て子の赤ん坊が置かれるという事件が起こる。
赤ん坊は『シェリル』と名付けられ、孤児院で育てられることになるが、彼女は他の子供とは異なる特別な運命を持っていた。
シェリルは桜色の髪と驚異的な魔力を持ち、その成長は周囲の人々に畏怖と不安を抱かせる。
シェリルが成長するにつれて、村人達から疎外され、次第に孤立してしまう。
それでも彼女は教会の本を読み漁り、魔術の才能を開花させ、さらに強大な力を身につけていく。
シェリルの成長に従い、村では彼女の力を恐れる声が広がり、彼女は『魔女』扱いされるようになる。それでも司祭ジェームスと修道女エミリーは、シェリルを庇い守り続けた。
そこへやって来た上級魔術師のレイモンドは、シェリルの潜在能力の高さに驚き弟子にする。
時が流れ、シェリルは成長していくが、自身の存在や力について深く悩む。
村内の意見は二分し、シェリルの処遇を巡って激しい議論が交わされる。村の緊張は次第に高まり、ついに王都のアルフォード大聖堂からエルフの聖騎士ユーリアが派遣される事となる。
シェリルを守りたいと願うレイモンドも、村にやって来たユーリアと彼女を村から連れ出すべきか悩み議論するが、結論が出せず苦悩を深めていく。
議論するユーリアとレイモンドの前に姿を見せたのは『アニマ』との戦いで消滅した筈の『風の大精霊』のユーフェミアだった。
ユーフェミアは、シェリルと名付けられた少女が『天空の聖女』であり、世界の均衡を保つ鍵だと告げる。
しかしシェリルはその記憶を失っており、その特異な力が暴走しないよう見守る必要があることを伝える。
ユーフェミアは力を失い再び消え去るが、彼女の助言に基づき、二人はシェリルという少女に世界の運命が関わっていることを知り決意を固める。
そしてアルフォード大聖堂の賢者シルヴィに対して、シェリルが重要な存在であることを伝え、ホーリーウェル魔導学院にシェリルを送り込むよう準備を始める。
【主な登場人物】
※アルフォード大聖堂の関係者は二章より紹介
・シェリル
登場時年齢0歳→第一章終了時12歳
シェリル・ユーリアラス 主人公
本当の名前は『天空の聖女』である『シナノ』
『アニマ』と戦いで、激しく消耗し『天空の聖女』としての全ての力を失う。
『風の大精霊』のユーフェミアの力で一命は取り留めたものの、赤子になり、冬の日に教会前に捨てられていた。突出した魔力を持ち、村人から「魔女」と畏れられており、ぼっち生活を強いられている。
・レイモンド
登場時年齢22歳→第一章終了時29歳
レイモンド・ドレッドノート 人間族
アルフォード大聖堂の上級魔術師にして黄金級の冒険者。
立ち寄ったウーラニアー村で、シェリルの事を知り、彼女の能力を認め弟子にする。
亜麻色の髪と色白な肌に黒縁の眼鏡を掛けたいわゆる『イケメン』
村では医者として生活している。
・ジェームス
登場時年齢45歳→第一章終了時57歳
ジェームス・ユーリアラス 人間族
ユーリアラス孤児院の院長にして、ノイルフェール教の司祭。教会前に捨てられていたシェリルを保護し、娘として孤児院で育てる。
・エミリー
登場時年齢16歳→第一章終了時28歳
エミリー・ウィンジャー 人間族
ユーリアラス孤児院に住まう修道女。捨て子のシェリルを最初に発見し、「シェリル」の名を与える。シェリルにとって姉のような存在。
・ユーリア
登場時年齢210歳 ユーリア・ミュウ・ヴェシヒイシ 森風精族
アルフォード大聖堂所属、エルスワース辺境伯領管掌の聖騎士、聖騎士序列は第3位。
白い飛竜『三日月』を使役する。
アルフォード大聖堂の命を受け、ウーラニアー村にやって来る。
白銀色の長い髪が特徴の美女。
・ユーフェミア
この世界を司る『四大精霊』の一柱『風の大精霊』
瀕死になったシナノを救うため全ての力を譲渡し、力を失う。赤子となりシェリルとなったシナノをユーリアとレイモンドに託す。
・ララ
登場時年齢5歳→第一章終了時12歳
ウーラニアー村に住まう森風精族の少女。
怪我をしたエイディーを治療したシェリルを評価、好意的に接する。
シェリルの数少ない友達の一人になる。
・エイディー
登場時年齢5歳→第一章終了時12歳
ウーラニアー村に住む森風精族の少年
気弱な性格だが、怪我をシェリルに治療してもらい、魔術の良さに目覚める。
シェリルの数少ない友達の一人になる。
・ジョアン
ウーラニアー村の村長、モナハンの息子
村長の息子であることを鼻に掛け、気に入らないと暴力振るう粗暴な少年。自分より注目を浴びるシェリルを快く思っておらず、日頃からシェリルを虐めている。
ジョアンの吐いた呪いの言葉が、シェリルの運命を変えてしまう。
・モナハン
ウーラニアー村の村長
粗暴な息子の放蕩ぶりに心痛めている。
・村娘ズ
イケメンで理知的なレイモンドのファンクラブを作るが、よく仲間内で揉める。
【大陸図』




