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連載版・天使な息子にこの命捧げます  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 天使な息子のために王子との結婚してはどうかと勧められました
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天使な息子を屋敷に置いて王宮に向かってしまいました

私はその日は朝から少しだるかった。

「シャルルちゃん、今日も可愛い」

私はシャルルを抱いてキスする。


でも、なんかシャルルちゃんのご機嫌は今日は斜めだ。

グズグズしているんだけど……


なんか少しイラッとした。

その私の顔を見たとたんだ。


オギャーーオギャーー


とシャルルは泣き出したのだ。


「えっ、どうしたの? シャルルちゃん」

私は慌てて抱き直した。


「大丈夫よ」

そう言って揺するがシャルルは泣き止まない。


「どうされたのですか、お嬢様」

慌ててアリスが入ってくるが、おしめを取り替えてもおっぱいをやっても治らなかった。

二人していろいろやってもシャルルの機嫌は全然治らなかったのだ。


「大丈夫なのか?」

その様子を椅子に座って見ていたエドが言ってくれるんだけど。


「あんたね。私達が大変なの見てたら判るでしょう。少しは手伝いなさいよ」

私がムッとして言うと


「手伝えって、何をすれば」

「取り敢えず、抱いてみなさいよ」

私がシャルルをエドに渡すと


「「「「オギャーーーーオギャーーーー」」」

更に大音響でシャルルが泣き出したのだ。

もうエドは唖然としているし


「ああ、もう貸しなさい。全然エドは駄目ね」

ムッとして私がシャルルを取り上げるとシャルルの声は小さくなった。


その横では唖然としたエドが固まっているんだけど。


でも、私があやしても、全然シャルルは泣き止まなかった。

私も段々イライラしてくるし……


「お嬢様。私が少し代わりましょう」

そう言ってアリスが受け取ってくれると何故かシャルルはピタッと泣き止んでくれたのだ。


「えっ」

私は驚きで固まってしまった。


「そんな馬鹿な」

私は信じられなかったのだ。


「ちょっと貸してみて」

私がシャルルを抱くと


うーーーオギャオギャ


また、シャルルが泣き出したのだ。


また、アリスに代わると泣き止んでくれたのだ。


嘘ーーーー!

私は茫然自失した。


「まあ、お嬢様、こういう事もたまにはありますよ」

アリスが自慢げに言ってくれるんだけど……


そして、それはメリーが抱いても同じだった。メリーにはクズついてはいるが大人しくしているのだ。


私が抱くと


オギャーー

と泣き出したのだ。


今までこんな事は無かったのに……


私はショックの余り倒れそうだった。



「ウホン、ウホン」

その時わざとらしく後ろから咳払いがした。


「なんなのよ、エド」

私がムッとして聞く。

この忙しいときに何なのだこいつは!


「いや、母がまたジャンヌを呼んでいるんだ」

エドは済まなそうな顔をする。


「でも、シャルルちゃんの調子が悪いのは判ったでしょ。今日は無理!」

さすがの私も今日は断ったのだ。一日くらい行かなくても良いだろう!


私はシャルルの機嫌を取ろうとした。でも、シャルルはこちらを向いてくれないのだ。

アリスの豊満な胸の中に顔を埋めているんだけど……

なんかそれもムカつく。


「いや、それがだな、今日は父も待っているのだ」

更にすまなさそうにエドが言い出してくれたんだけど。


「はいっ? どういう事?」

私は驚いてエドに聞いた。


陛下とは夜会でお会いして以来ほとんど会ってはいない。

その陛下が何の用があるんだろう?


「何でもジャンヌに頼みたいことがあるそうで」

言いにくそうにエドが言う。


「頼みたいことがあるなら、そちらからこちらに来るのが筋じゃなくて」

私がムッとして言うと、エドが驚いた顔をしてくれた。


「お嬢様、さすがに陛下にそれは」

アリスが注意してきた。


「だって、シャルルちゃんがこんな感じじゃ、さすがに陛下の前につれていくことは出来ないじゃない」

「それはそうですが」

アリスも私の言葉に戸惑っていた。


「何でしたらアリス様と私でシャルル様の面倒は見ておきますけれど」

メリーが言ってくれるんだけど。


「えっ」

私はその言葉に戸惑った。

「そうですね。すぐに帰ってこられれば良いのでは。それまでシャルル様の面倒は私とメリーで見ておきます」

アリスまで言ってくれるんだけど。


私はどうしようか悩んだんだけど、さすがに陛下をほっておくわけにもいかない。

それに私に懐かないシャルルにも少しムカついていたのは事実だ。


私はエドと一緒に王宮に向かうことにしてしまったのだった。

そのことについて私は嫌ほど後悔することになるのだった。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

https://ncode.syosetu.com/n7912ip/



アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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