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連載版・天使な息子にこの命捧げます  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 天使な息子のために王子との結婚してはどうかと勧められました
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辺境娘の独り言3 厄災女の弱点を攻めることにしました

本日2話目です。

「な、なんですって!」

その報告を聞いて完全に私は切れていた。


「どういうことなの? 古代龍が厄災女を見た途端、尻尾を振って家来になったですって! そんなのありえないでしょ」

私が言うと


「いえ、古代龍は尻尾を振ったのではなくて厄災女にお腹を見せたのです」

龍使いのジムが言ってくれるが、


「どっちでも同じじゃない!」

私は更に切れて言った。


「そんなの普通はありえないでしょ!」

「いえ、それが、確かに私はそれを見ました」

ジムがムキになっていってくるんだけど……


「何言っているのよ。そもそも、古代龍は祈りの首輪をしていたんでしょ。我々の言うことを聞くはずよ。古代龍には厄災女を襲えって命令したのよね」

私が聞くと

「そこまで細かい命令は出来ないので、館を完全に破壊しろと命じたのです」

ジムは答えた。


「で、館は破壊したの?」

私が聞くと

「だから、厄災女を見た途端、いきなりお腹を見せて転がったのです」

「何故なの? 厄災女に従えなんて命じていないんでしょ。なんで厄災女に腹見せるのよ」

私が指摘すると

「そこが良くわからないところで」

ジムは首をかしげてくれたんだけど。かしげてどうするのよ。私は思わずジムを張り倒しそうになった。


「やはり首輪を小指にかけたのでは効果が薄かったのかもしれん。首にかけないといけなかったのだな」

父が訳知り顔で言ってくれる。


「何言っているのよ。お父さま。あんな太い龍の首にあの首輪をかけたら、絶対に龍は窒息して死んでしまうじゃない。竜の首にあの首輪を嵌めるなんて端から出来るわけ無いでしょ」

私が言うと、さすがにお父さまは黙ってしまった。


「どうするのよ。古代龍まであの厄災女にペットにされてしまって。ここまで苦労して連れてきた分私達の大損じゃない」

私の悲鳴に誰も答えてくれなかった。


「王妃様の所に毎日のようにあの厄災女が行っているし、このままではなし崩し的に王太子殿下の婚約者はあの厄災女になってしまうわよ」

私はヒステリー気味に叫んでいた。


「あの厄災女は毎日のように赤ん坊を連れて王妃様に面会しているそうだな。第2王子殿下も奴の屋敷で世話しているみたいだし、このままではあの厄災女に王家を乗っ取られてしまうわ」

お父さまは忌々しそうに舌打ちした。


「宰相様も高位貴族の方々もとてもその点を気にしていらっしゃるのだ。

たとえ、第一王子殿下の婚約者にお前が決まったとしても、あの厄災女のことだ。

第2王子殿下を養子にして、王家を継がせて、母として王家に対して専横を働く可能性もあるのではないかと高位貴族の中でもその点を気にしていらっしゃる方もおられるくらいだ」

父は言ってくれた。


「と言うかお父様。最近は第一王子殿下にすら、近衛騎士たちが邪魔してほとんどお会いできないんだけど」

私が文句を言うと


「やはり問題は全てあの厄災女だ。あの傲慢な女をなんとかせねばいずれ王家はあの女に乗っ取られてしまうわ」

「天下の悪女ですからな」

お父さまの言葉にジムが頷いた。


「こうなればあの厄災女を何とかするしかあるまいて」

お父さまが言ってくれた。


「でも、どうするのよ。あの館には古代龍までいるのよ」

私が指摘した。


「あの女は結構魔力も多いみたいです。我が方の魔術師達で立ち向かえるかどうか」

ジムまで弱音を吐いてくれるんだけど。


「でも、あの女、何故か自分の息子をとても大切にしているわ。その息子さえこちらの手に入ればなんとかなるんじゃなくて」

私は良い事を思いついたとばかりに言った。


「それはそうだが、あの厄災女は中々息子を離さないそうだぞ」

「そう、でも、第2王子殿下が誘拐されたらどうでしょうか」

「さすがに助けに行くだろう」

お父さまが頷いてくれた。


「そうか、その隙に息子を拐うのか」

お父さまは手を叩いて言ってくれた。


「そうです。王子を助けに行くのに、さすがの厄災女も息子は連れて行かないでしょう。第二王子殿下の配下の者の中には我が方の手の者がいるはず。厄災女が助けに出た隙に、その者を使えば案外簡単に息子を拐えるのではないですか」

私が言うと

「そうじゃな。そして、息子を拐われたと慌てふためいて我らが待ち構えている所に厄災女が来れば、いくら厄災女とはいえ、我らが勝てるな」

「こちらには人質もいるのですから」

私とお父さまは顔を見合わせて笑いあったのだった。


悪巧みする辺境伯の娘。どうするジャンヌ。

続きは明日です。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

https://ncode.syosetu.com/n7912ip/



アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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