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連載版・天使な息子にこの命捧げます  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 天使な息子のために王子との結婚してはどうかと勧められました
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屋敷に乗り込んできた古代竜は私と目を合わせるなり降伏してきました。

「天使な息子のシャルルちゃん。今日もかわいいでちゅね」

私はシャルルを抱き締めた。


きゃっきゃっシャルルは喜んでいた。


「ちゅっ」

とそのほっぺにキスをする。


シャルルはなんかキスは嫌みたいで

「うーうー」

言って首を振るんだけど。


「まあ、シャルルちゃんたらキスは嫌なの?」

私が驚いて頬ずりすると

「そらあお前のキスは嫌だろう」

何処からか声がする。が、私は無視した。


頬ずりは好きだったみたいで、きゃっきゃっシャルルは喜んでくれた。


「そう、シャルルちゃんは頬ずりは好きなのね」

「そんな訳無いだろう。喜ばないとお前が怒るから喜んでいるだけだ」

「ちょっとエド、いつまでいるつもりよ」

私はそう文句を言う、エドを睨みつけた。

今日も送り迎えはエドがやってくれたんだけど、いい加減に帰って欲しい。


「いや、まだ、用が残っていて……」

「何が残っているのよ」

エドの答えにムッとして私が言うと

「いや、そのだな」

なんかエドが奥歯に物が挟まったような言い方するんだけど。


「何よその言い方。さっさと言いなさいよ!」

私がムッとして大声を出した時だ。


「オギャーーーーオギャーーーー」

いきなり天使な息子のシャルルちゃんが泣き出したのだ。


「ああ、ごめんごめん」

私が慌ててあやすが、中々泣き止んでくれない。


「ちょっと、エド、あんたのせいよ」

私が文句を言うと


「お前の顔が余程怖かったんだろう」

エドがとんでもないことを言ってくれた。


「なんですって」

私が叫んだ時だ。


ギャオーーーー


大きな咆哮がしたのだ。


窓ガラスがビリビリ大きく揺れる。


「な、何事だ!」

エドが驚いて立ち上がった。


バシーーーン

次に大きな音がする。


グオングオン

嫌な音がした。


「キャーーーー」

「出たー」

「助けて」

大声が外からする。


私達は慌てて外に出た。


そこには腰を抜かして倒れているダクラスら一行10名がいたのだ。


そして、その先には巨大な古代竜が侯爵家の張られた障壁を壊そうとしていた。

館の壁には私が障壁をぐるりと一周張り巡らせているのだが、その一角に古代竜が取り付いて、突き破ろうと暴れていたのだ。


「ゲッ、古代竜だぞ」

エドが叫んだ。


騎士たちも抜剣して正対しているが、もう完全にへっぴり腰になっていた。


「いいわ、皆下がりなさい」

私は叫んでいた。


でも、ダグラス等は腰を抜かして動けないみたいだ。


「手がやけるわね」

私は泣いているシャルルにキスすると


「天使な息子のシャルルちゃん。こんな古代龍なんて、お母様が一瞬で退治してあげますからね。ここで見ているのですよ」

私はそう言うとメリーにシャルルを預ける。


私が前に進み出た時だ。


バリンッ

さすがの障壁も壊れて、怒り狂った古代竜が屋敷のフェンスを壊して入ってきたのだ。


「ギャーーー」

その前にはダグラス等が居た。

悲鳴をあげるなんて情けない。もう少し考えられないものかと私はむっとする。



突っ込もうとする古代竜の前に私が障壁を展開した。


ガシンッ

古代竜の動きが止まる。


「早く、こちらに来なさい」

私が叫ぶと、慌てて、騎士たちがこちらにかけてきた。


腰を抜かしたダグラスは別の騎士たちが助けてくれた。



ギャオーーーー


目標がいなくなった古代龍が私に向かって咆哮してくれたのだ。


「ふんっ、私に敵対するなんてなんていい度胸ね。今ここで成敗してあげるわ」

私はそう言うと、やる気満々になった。

久しぶりに全力が出せるのだ。私は殴り倒す気満々だった。



そして、私と古代竜が目があった。


その瞬間だ。


古代竜の動きが止まったのだ。


何故か目をギョッと見開いて固まってしまったんだけど。


「えっ?」

私はせっかく殴り倒そうと思ったのに、古代竜が止まってしまってやる気を削がれてしまった。


というか、突っ込んでくれないとさすがの私も手が届かない。


こうなったら爆裂魔術で燃やすか!


方針を転換しようとした時だ。


古代竜がいきなりひっくり返ったのだ。


ドシーーーーン

凄まじい大音響と振動で地面が揺れた。



「「「えっ」」」

皆唖然としていた。


いきなり古代竜が腹を見せて寝転んだんだけど……


手足をブンブン振っていやがるんだが、何故?


「えっ、これ攻撃しろってこと?」

私が言うと


「違うだろう。どう見てもお前に服従しているだろうが」

エドが言ってくれた。


「なんでよ。まだ戦っていないわよ」

私が文句を言うと


「昔お前にこてんぱんにされた龍の一匹じゃないか」

エドの言葉に古代竜はどう見ても必死に頷いているんだけど。


「ええええ! 久しぶりに全力で出来ると思ったのに!」

「全力ってよく言うな。弟に聞いたぞ。この前山を一つふっとばしただろうが」

私の声にエドが突っ込んでくれたが、


「あんなの手加減しているに決まっているでしょ」

私がムッとして言ったのだ。


でも、さすがの私も必死に手足を振る古代流を攻撃することは出来なかった……


やはりジャンヌの前に古代竜は手も足も出ませんでした。

ここまで読んで頂いて有難うございました。


ブックマーク、広告の下の評価等まだの方はして頂けたら嬉しいです!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

https://ncode.syosetu.com/n7912ip/



アルファポリスのレジーナブックスにて

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なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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