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連載版・天使な息子にこの命捧げます  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 天使な息子のために王子との結婚してはどうかと勧められました
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侍女達に天使な息子のために王太子と結婚したほうが良いと勧められました

「アリス、どう思う? 王妃様のお言葉。絶対に冗談よね」

私は帰ってくるなり、天使な息子のシャルルちゃんにお乳をやりながらアリスに聞いていた。


「えっ、いやだから、お嬢様。私は元々王妃様はお嬢様と殿下をくっつけたいって思っておられるって言っていましたよね」

アリスが言ってくるんだけど、そう言えばアリスはそんな事を言っていた。


「でも、ありえないわよ。私は未亡人なのよ。コブ付きの未亡人を王太子の配偶者になんかにするなんて常識では考えられないわよ」

私は常識論で反論したのだ。


「まあ、普通はそうなんですけれど、最近は子供のできぬ妻も多いと聞いています。その点、お嬢様はすでにシャルル様という実績がありますから」

「でも、エドに種があるかどうかはわからないじゃない」

アリスの言葉に私が反論した。


「そうですよね。殿下はお嬢様に小さい時から虐められていますから、種無しになっているかもしれませんよね」

アリスがとんでもないことを言ってくれる。


「アリス。悪いけれど、私はエドを宮刑に処してはいないわよ」

私が文句を言うと、


「当たり前です。そんな事していたらお嬢様は処刑されていますよ」

アリスがとんでもないことを言ってくれた。王子を種無しにしたところでさすがに処刑はされないだろう、私はそう思ったのだが、隣でメリーがウンウン頷いているんだけど……

たかだかエドを不能にしたからって、それで処刑はさすがにないだろうと私は思わないでもないが、世の中の反応は違うみたいだ。まあ、エドなんて全然なんとも思っていないのだが、天使な息子のシャルルのためには少しは頭に入れておこうと私は思った。



「と言うか、私は愛するシャルル様を亡くしたところで傷心の未亡人なのよ。しばらく再婚なんてありえないわ。それにそもそも、私は天使な息子のシャルルちゃんの後見人なんだから、結婚なんて無理よ」

私は言い切ったのだ。


天使な息子のシャルルちゃんは満足行くまでお乳を飲みきったみたいであくびをしている。


可愛い!


私は背中を抱っこしてトン、トンと軽く叩く。


ゲプッ


そうだ。こんな可愛い息子をほって嫁に行くわけには行かない。

私が決意も新たにしたのだ。


「でも、もし、お嬢様が王太子殿下と結婚して……」

「するわけ無いでしょ!」

私はアリスの言葉をぶった切った。

「こんな可愛い天使な息子のシャルルちゃんがいるのに!」

私は半分寝かかっているシャルルを抱き締めた。


あくびするしぐさもとても可愛いのだ。


私は思わず笑みがこぼれた。


「でも、それがシャルル様の為になってもですか?」

「シャルルのためになるわけないじゃない」

私が否定すると、


「何をおっしゃるんですか、お嬢様。もし、お嬢様と殿下が結婚されて子供が出来たら」

「だからそれは無いって、エドが私の下僕になるならあり得るけど」

アリスの言葉に私が反論すると、皆が白い視線で見てくるんだけど、何でだ?

今でも、エドは私が呼んだらすぐに飛んでくるはずだ。下僕と変わらないじゃないと私は思ったんだけど……


「例えばですよ。その出来たお子様は当然お世継ぎになられるわけで、シャルル様とは血のつながった兄弟になるわけです」

「まあ、父親は違うけれどね」

私は残念そうに言った。

「私の天使な息子のシャルルちゃんのお父さまは素晴らしかったシャルル様だし、その子の父親はあのエドだしね。なんかその子が可愛そうじゃない?」

私の言葉にアリスとメリーが頭を抱えているんだけど、何故に? エドがどうしようもないのは事実だし。


「まあ、それはおいておいて、シャルル様の弟様が国を継がれるのです。即ちシャルル様はいずれは国王陛下のお兄様になるのです」

アリスがもったいぶって言うけれど、

「それがどうしたの? 別に国王の兄だからって偉いわけじゃないじゃない。現実に私は王太子を下僕のように使っているし……」

私が言うと

「それはお嬢様だけです。ねえ、メリー、未来の国王陛下の兄君になる事はシャルル様もメリットが有るわよね」

「それは、そう思います。確かに最強のジャンヌ様がいらっしゃる間はシャルル様に手を出してくるような不届き者はいないと思いますが、ジャンヌ様もいずれはお亡くなりになります。その時にシャルル様の後ろ盾が国王陛下ならば、誰もちょっかいを出すものはいないと思われます」

メリーが意見を言ってくれたのだ。


「まあ、それはそうだけど」

私はその言葉には頷くしか無かった。


確かに私は不死身ではない。生きている間に天使な息子のシャルルに手を出してきたら、私が叩き潰してやるが、私が死んだ後まではたしかに面倒は見られない。侯爵家の親戚はあの大叔母とかがまだ残っているのだ。いつ何時牙を向くかもしれなかった。


うーん、しかし、それと私がエドと結婚するのは違うと思うんだけど……


その日の夜はその事を考えて5分ばかり悩んだが、天使な息子のシャルルちゃんを抱き締めたら、その温かさで、そのまますぐにすやすや眠れたのだった。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

1日に回更新目指して頑張ります。

よろしくお願いします。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

https://ncode.syosetu.com/n7912ip/



アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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